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続ちょこっとひとこと

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故郷・神戸に戻り、今を綴るもまだまだヨチヨチのエッセイ集。
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2022年1月の記事一覧

帳尻合わせて、1年が過ぎていく

帳尻合わせて、1年が過ぎていく

1月は往ぬ、2月は逃げる、3月は去る。

年明けの最初の3か月があっという間に過ぎることを表す言葉だ。
確かにそのとおり。

冷静に考えれば、いつの3か月も時間的には同じはずなのになぜ?

***

今日で1月が終わる。
すなわち1か月、今年の12分の1が経過したということだ。

え? 12分の1?
これまでと同じ日々の11倍過ごせば今年が終わってしまう。
11回同じことをしたら今年が終わるのだ。

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昭和のタイムマシーンとしていつまでもこのままあることを願う

昭和のタイムマシーンとしていつまでもこのままあることを願う

元町に〈丸玉食堂〉という台湾料理店がある。

雑誌でもよく取り上げられる人気店だ。
最近では関西ローカルの雑誌「Meets Regional」で、神戸出身のダンサー・森山未來が高架下酒場の一つとして訪れていた。

この食堂、形容するなら「昭和の遺産」というほかない。

JR元町駅の高架下に戦後すぐに開業したという。

入口からしてすでにディープだが、これしきで怯むわけにはいかない。

ガラス戸を開

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次代をしょって立つ若者の、活き活きした顔をこれからもずっと見たい

次代をしょって立つ若者の、活き活きした顔をこれからもずっと見たい

前職は愛媛の山中で20年間、村おこし。
その間15年にわたってインターンシップを担当し、深く関わった学生は150名を数える。

用意したプログラムは2週間の住み込みで、自分探しが目的。
慣れ親しんだ環境から隔絶されて、自分の内面を見つめ直す2週間だ。
愛媛だけでなく関西、関東から集まった学生たちは、いきなりの共同生活の中、昼は仕事、夜はディスカッションを繰り返し、自分を探し続けた。
ほとんど修行僧

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急げ、スポットライトまであと少し。
この明かり気まぐれだから、早く漕がないと主役になれないよ。

いや、そんなんどうでもえぇねん。
自分から追いかけるもんちゃう。
気ぃついたら浴びてたゆうほうが何かえぇやん。

島へ渡る橋から、まるでミニチュアのような大阪湾の眺め。

アーク・ジョーンってオオカミ男?

アーク・ジョーンってオオカミ男?

大好きな昔の曲がある。

マリコの部屋へ電話をかけて
男と遊んでる芝居 続けてきたけれど
あの娘もわりと 忙しいようで
そうそう付き合わせてもいられない

土曜でなけりゃ 映画も早い
ホテルのロビーも いつまで居られるわけもない
帰れるあての あなたの部屋も
受話器をはずしたままね 話し中

中島みゆきの名曲『悪女』だ。
1981年発売というから、僕が小5の時。
翌年ラジオからよく流れるようになり

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ここのパンを食べられる機会をみすみす逃したくない

ここのパンを食べられる機会をみすみす逃したくない

昨日は久しぶりの神戸勤務の日。
ランチはどこにしよう…と考える隙さえないほどの忙しさ。
ならばと選んだのは、わりと行きやすい場所にある〈コム・シノワ本店〉。

あ、いやいや、行きやすいなんて理由で選んでは失礼な名店だ。
僕も何度か足を運んだことのある、常連の多い人気店。

***

〈コム・シノワ本店〉は、三宮ビル南館の地下にある。

地下といっても吹き抜けなので明るく、とても地下とは思えない。

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「数年にわたる大流行の最後」になる可能性

「数年にわたる大流行の最後」になる可能性

今日はコロナに関する意見記事だ。

コロナ関連は読みたくないという人は飛ばしてほしい。
根拠に乏しい記事を読みたくない人も飛ばしてほしい。

まぁ、いつも書いているエッセイも、何の根拠もないけど。

***

その昔、4000万人が命を落としたとされるスペイン風邪。
数年にわたる大流行の最後は、感染力は強いが重症化しない株が広まり、現在の季節性インフルエンザに落ち着いたとされる。

感染力が強く重

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そんなことある? といまだに半信半疑

そんなことある? といまだに半信半疑

僕の名は難読だ。

姓は誰でも読めるが、名は読めない、らしい。
自分ではそう難しいとも思えないのだが、実のところ、これまでにヒントなしで読めたのはわずかに一人、中学の国語の教師だけだ。

少なくとも、よくある名ではない。
だから僕と同姓同名の人なんて見かけたことはない。
ただ一人を除いて…

***

京都で過ごした大学時代、自分が通う大学の付属病院を受診した。
そんな大仰なところに行ったのだから

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寝るのか寝ないのか、これがなかなか悩ましい

寝るのか寝ないのか、これがなかなか悩ましい

おもろい記事を連発する、ふーふーちゃんねる。の嫁です。さん。
実はゆるーい鉄道ファンだそうで、引退の決まった小田急ロマンスカーVSEの乗車記を上げられた。
写真がいっぱいで読むだけで乗った気になれるし、あいかわらずおもろい。

いいな。
僕もゆるーい鉄道ファンのはしくれ、何か上げたいなと思った。

***

寝台列車を意味するブルートレインという言葉が絶えて久しい。
青い客車を機関車が引く編成が多

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今なお僕の心をぽっと温かくしてくれる

今なお僕の心をぽっと温かくしてくれる

中学校の理科室は特殊な机。
水道つきの4人がけ、下に空っぽのひきだしがあった。

中2が始まってすぐのある日、ふとそのひきだしを開けてみた。
ペンケースがある。
一目で女子のものと分かる忘れもの。

気になって、裏返してみたら…
おっと!
慌てて表に向ける。

持ち主の名が書かれていたのだ。
ちょっと気になっていた女子の名が。

幼稚園から上がった僕と、中学受験で入ってきたその子は、中1で同じクラ

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うどんにもいろいろあるもので…

うどんにもいろいろあるもので…

およそ麺類と分類されるものは、おしなべて好き。
出張先で食べたことのない麺があれば、ご当地ものをすぐ試したり。

うどんといえば日本の麺の基本のキだが、親戚筋のきしめん、ほうとう、だごなどを持ち出すまでもなく、うどんにもいろいろあるもので…

ねぎうどん(京都)京野菜といえば数々あるが、万願寺甘とうや賀茂なすと並んで店頭でよく見かけるのが九条ねぎだ。
関西に多い青ねぎの代表品種で、ぬめり、甘みが申

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友はその階段をついに上れなかった

友はその階段をついに上れなかった

先日、中3の息子が訊いてきた。
「ひげ剃ったほうがえぇ?」

見てみると産毛のような口ひげがうっすらと。
あぁもうそんな歳なんや。
目をこらさなくてはよく見えないくらいだが、そやな剃ろかと言った。
身だしなみを整えるのは、モテるための第一歩。

息子は初めてシェーバーを当て、恐るおそるひげを剃った。
「大丈夫やで、横に動かさん限りドバーッと血が出たりはせんから」
よけいなひとことで息子の手はさらに

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あと少し大人にならなければならないな

あと少し大人にならなければならないな

感染症の隙をぬって、これまで政府のGoToキャンペーンや自治体の地元宿泊キャンペーンがたびたび実施されてきた。
宿泊業や飲食業など、感染症による打撃を大きく受けたとされる業界を応援するためのキャンペーンだ。

僕もこれまでに、GoToトラベルを利用して有馬温泉のホテルに半額で宿泊したり、神戸市の宿泊キャンペーンに当選してポートピアホテルのフルコースを半額で堪能したりした。
ふだん指をくわえて見送る

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あのおじいちゃんだからめちゃくちゃでも許されたのだ

あのおじいちゃんだからめちゃくちゃでも許されたのだ

――変わった玉子サンドがあるらしいから、行かない?

変わったゆうて所詮、ゆで玉子とマヨネーズとパンやろ?
そんなん行かへん行かへん!

――ゆで玉子ではないらしいよ、厚焼きのオムレツだって。

ん? 行く行く! さっきから行くゆうてたやん! 早よ行こ!

レストラン〈コロナ〉かつて京都・西木屋町四条下ルに〈コロナ〉というレストランがあった。
知る人ぞ知るの人気店だった。

西木屋町は路地といって

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