だれりん

いい自己紹介案、おまちしております。

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  • 知識ゼロから、AIを使って絵本をつくろう

    わたしは絵が絶望的に下手だ。絵本は大好きだけど、絵本製作に関する知識は持ち合わせていない。さらに、画像編集なんてインスタのフィルタを決めるのにも苦労するレベル。 そんな状態から、AIの力を借りて、絵本を作ってみようという経過観察です。

記事一覧

愛は色あせる

『アニー・ホール』という映画がある。ウディ・アレンによる1977年の作品で、まだ人間が火を発見する前の、古代の映画だ。20歳そこそこのわたしはこの映画をいたく気にいっ…

だれりん
2週間前
15

空はほんとうに焼けるのか

「夕焼け」という言葉に反して、夕方の空の色はごくみじかい時間しかそのバランスを保てない。その瞬間的神秘も、あなたの審美眼も、宵闇と1日の疲れのなかに溶けていって…

だれりん
1か月前
10

半袖と長袖、どっちでもよくて、どっちでもよくない

気づけば5月も、のこっている日数のほうが少なくなっていて「ことしはずっと肌寒いですねえ」なんて話をしていたのが遠い昔のようだ。車の窓を開けたり閉めたりすることの…

だれりん
2か月前
4

【超短編小説】ダ・ヴィンチとどんぐりの少年

 「レオナルド・ダ・ヴィンチはモナ・リザを死ぬまで持ってたって学校の先生が言ってた」  「ひとのものなのにって。」 彼は言った。  「どうして持っていたのだと思う…

だれりん
2か月前
7

【ゲーマー英会話】台パンって行為じゃなく、概念なんだ

インターネットスラングとして、「台パン」という言葉がありますね。 (怒り狂って)「台をパンチする」から「台パン」。 昔は主にゲーセン界隈、パチスロ業界で使われてい…

だれりん
3か月前
5

三浦大知 - ERROR って、なにがエラーなんだろう

先日夜ごはんをたべながら、「なんでERRORってタイトルなんだろうね」「不思議だね」という話をした。 このERRORという曲は、OVERという今年発売されたアルバムに収録され…

だれりん
3か月前
14

吸血鬼の海を泳ぐおまえは、ヴァンパイアハンターにならなくてもいい

おまえの近所や職場、学校、インターネット、ベッドの下、いるだろう。たくさん吸血鬼がいる。 そう、たくさん吸血鬼がいる、この世には。 他人のエネルギーと時間を食料に…

だれりん
5か月前
3

【スト6】格ゲー初心者がCリュウでマスターになったよ

 今日はゲームのおはなし。今回は単なるふんわりした感想になるから、途中で飽きちゃったらごめんなさい。  リュウがよく「この道を進むのみ!」とか「俺より強いやつに…

だれりん
6か月前
30

朝の色

 目が覚めて窓のそとをみる。晴れともくもりともはっきりしない天気で、空気じたいが青みがかっているような、水のなかに生まれたような光景だった。わたしの窓からは、と…

だれりん
6か月前
11

この世には無限に月が存在していて、水は流れつづける

ちかごろ立て続けに、人間について、いろんなひとと話をしたり、しなかったりした。もしかして、わたしはいま、人間関係で悩んでいるのかな?それはどちらでもよいことだ。…

だれりん
10か月前
9

【スト6】翻訳素人が勝手に翻訳字幕を作ったら、採用してもらえたよ!

今回は、Youtube動画の翻訳字幕(日⇒英)を勝手につくって、投稿者の方に連絡してみたら、とてもよろんでもらえた、というおはなし。 翻訳に際して、じっさい気をつけたこ…

だれりん
10か月前
15

世界は砂浜であって、われわれはその上に立っている

こどものころ、星の砂の瓶詰を買ってもらったことがある。正体は有孔虫の死体なのだ、と学んでからは、なんだか怖くなって、引き出しの奥にしまいっぱなしにしていた。いま…

だれりん
10か月前
6

絵本の全ページを無料で見られるようにしました(NFTアート化)

前回はこちら: 無事製本ができて、わたしの絵本は現実に物質として存在している。おかげで、限られたひとたちに読んでもらうことができた。心の底からうれしくなるような…

だれりん
11か月前
8

【絵本を作ってみよう・番外編】製本と、そのあとのおはなし

前回はこちら: こんにちは。わたしはいま、雨の降っていない、青い空をみています。 という一文だけ書いてからしばらく経ちました。その間にも世界は回っていて、わたしの…

だれりん
11か月前
4

【絵本をつくってみよう・7日目】ひとまず完成!(仮)

前回はこちら: まいどのことながら、ごぶさたしておりますね。 絵本についてnoteを書くことに関しては、かんぜんに飽きている。だめだめだね。以上をここに認めます。 だ…

だれりん
1年前
5

よるのみなと

工業地帯の海辺の空は、けっこうあかるい。 そのあかるさのおかげで、われわれはあまり物事をかんがえずにすむ。ここにはいろんなものが、欠落しているからだ。 夜の空には…

だれりん
1年前
9
愛は色あせる

愛は色あせる

『アニー・ホール』という映画がある。ウディ・アレンによる1977年の作品で、まだ人間が火を発見する前の、古代の映画だ。20歳そこそこのわたしはこの映画をいたく気にいって、とんでもない回数みていた。ハッピーとはいえないお話なのだけど、当時のわたしにとっては、なんだか居心地がよかった。一日中みていた日もある。あのころの傷ついたわたしの心を、突き刺すような"普通の"空気から守ってくれる、ぬるい水みたいな

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空はほんとうに焼けるのか

空はほんとうに焼けるのか

「夕焼け」という言葉に反して、夕方の空の色はごくみじかい時間しかそのバランスを保てない。その瞬間的神秘も、あなたの審美眼も、宵闇と1日の疲れのなかに溶けていってしまう。
だからせめて、われわれは夕暮れ時、毎日空を見上げるべきなんじゃないかと思う。べつに写真は撮らなくてもいい。
画面をスクロールして得られる刺激や、天に昇っていく数字を見つめる楽しさもよいだろう。
だけど、二度と同じ色で燃えない空と、

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半袖と長袖、どっちでもよくて、どっちでもよくない

半袖と長袖、どっちでもよくて、どっちでもよくない

気づけば5月も、のこっている日数のほうが少なくなっていて「ことしはずっと肌寒いですねえ」なんて話をしていたのが遠い昔のようだ。車の窓を開けたり閉めたりすることの、こどものころのよろこびが、この季節にだけ、われわれ大人のなかにも存在する。

それでも例年にくらべれば、ことしはちょっぴりすずしいような気もする。こどもの日あたりには毎年、「エアコンつけてもいいな……でも……」なんて日が一日くらいあるから

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【超短編小説】ダ・ヴィンチとどんぐりの少年

【超短編小説】ダ・ヴィンチとどんぐりの少年

 「レオナルド・ダ・ヴィンチはモナ・リザを死ぬまで持ってたって学校の先生が言ってた」
 「ひとのものなのにって。」
彼は言った。
 「どうして持っていたのだと思う?」と私は尋ねた。
 「とても気に入っていたからだよ。」
彼は得意げに答えた。彼の語り口からは、古い象牙がたたえるような、ある種の威厳が感じられた。
 「そうかもしれないね……。気に入ったものはずっと手元に置いておきたくなる。」と私は言っ

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【ゲーマー英会話】台パンって行為じゃなく、概念なんだ

【ゲーマー英会話】台パンって行為じゃなく、概念なんだ

インターネットスラングとして、「台パン」という言葉がありますね。
(怒り狂って)「台をパンチする」から「台パン」。
昔は主にゲーセン界隈、パチスロ業界で使われていた言葉のイメージですが、初出はどちらなんでしょう。台パン学に精通しておられるかた、お便りください。

先日わたしは、英語圏で「台パン」に相当する対訳がないのではないか、という世紀の大発見をしました。
たとえば、こんな日本語を英語にしてみま

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三浦大知 - ERROR って、なにがエラーなんだろう

三浦大知 - ERROR って、なにがエラーなんだろう

先日夜ごはんをたべながら、「なんでERRORってタイトルなんだろうね」「不思議だね」という話をした。

このERRORという曲は、OVERという今年発売されたアルバムに収録されていて、アルバム全体の中でも唯一、ある種の異質さを感じさせる。
全体的に力づよさとエネルギーを感じるビートやベースの目だつ曲たちのなかにあって、2000年ごろの2-stepを思い出させるような曲だ。日本ではm-floのcom

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吸血鬼の海を泳ぐおまえは、ヴァンパイアハンターにならなくてもいい

吸血鬼の海を泳ぐおまえは、ヴァンパイアハンターにならなくてもいい

おまえの近所や職場、学校、インターネット、ベッドの下、いるだろう。たくさん吸血鬼がいる。
そう、たくさん吸血鬼がいる、この世には。
他人のエネルギーと時間を食料にして、悠久の時を生きる生き物だ。

かれらはおまえのハッピーなきもちとか、ヒッピーな決意とか、くらい部屋でひとり、モデルガンを握りしめてブラウン管にむかって引き金をひく貴重な時間とか、そういうのをぜんぶうばっていく。
かれらはそういうのを

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【スト6】格ゲー初心者がCリュウでマスターになったよ

【スト6】格ゲー初心者がCリュウでマスターになったよ

 今日はゲームのおはなし。今回は単なるふんわりした感想になるから、途中で飽きちゃったらごめんなさい。
 リュウがよく「この道を進むのみ!」とか「俺より強いやつに会いに行く」とか言ってるけど、ちょっとだけその意味がわかったような気がする。ほんとに?自信はないけど、そんな内容です。初心者なりの格ゲー論、といってもいいかもしれない。「まぁよくわかんないけどね。お~ん。」
 2023年6月2日に発売したス

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朝の色

朝の色

 目が覚めて窓のそとをみる。晴れともくもりともはっきりしない天気で、空気じたいが青みがかっているような、水のなかに生まれたような光景だった。わたしの窓からは、ときどきよい光の当たりかたをするビルがみえる。おきにいりのビルだ。あるひとつの角に光があつまって、とてもにぶく、じわりと光る。そういう種類のビルだ。今朝は光っていなかったな。だけど、わたしはそれがうれしかった。うすいうすい群青色の空気に、その

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この世には無限に月が存在していて、水は流れつづける

この世には無限に月が存在していて、水は流れつづける

ちかごろ立て続けに、人間について、いろんなひとと話をしたり、しなかったりした。もしかして、わたしはいま、人間関係で悩んでいるのかな?それはどちらでもよいことだ。

わたしが大事だなと思うひとたちは、みんな月の住人なのかもしれない。
そうだったら、けっこう、すてきだよね。

◇ ◇ ◇

われわれはひとつの空間を共にしていて、その実まったくちがった世界にそれぞれ暮らしている。
だから往々にして、対立

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【スト6】翻訳素人が勝手に翻訳字幕を作ったら、採用してもらえたよ!

【スト6】翻訳素人が勝手に翻訳字幕を作ったら、採用してもらえたよ!

今回は、Youtube動画の翻訳字幕(日⇒英)を勝手につくって、投稿者の方に連絡してみたら、とてもよろんでもらえた、というおはなし。
翻訳に際して、じっさい気をつけたこと、やったこと、なども書いています。とっても長いので、すこしずつ読んでもらえるとうれしい。
わたしは、ゲームも翻訳も、初心者です。どうなっちゃうの!?

すこしだけゲームのお話

さいきん、スト6(Street Fighter 6)

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世界は砂浜であって、われわれはその上に立っている

世界は砂浜であって、われわれはその上に立っている

こどものころ、星の砂の瓶詰を買ってもらったことがある。正体は有孔虫の死体なのだ、と学んでからは、なんだか怖くなって、引き出しの奥にしまいっぱなしにしていた。いま、あの瓶はどこにあるのだろう。きっとそれは、今も美しく存在しているにちがいない。

◇ ◇ ◇

もう10年以上前のことになるが、私は知らない人の日記を読むのが好きだった。あの頃のインターネットは、いうなれば、ただただ、エネルギーの波動であ

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絵本の全ページを無料で見られるようにしました(NFTアート化)

絵本の全ページを無料で見られるようにしました(NFTアート化)

前回はこちら:

無事製本ができて、わたしの絵本は現実に物質として存在している。おかげで、限られたひとたちに読んでもらうことができた。心の底からうれしくなるような感想も、両手で数えられるくらいだけど、もらった。

現実においては、顔をつきあわせて「こんなの作ったんです。よかったら読んでくれませんか?」とお願いしている手前、わたしがつくった、というのがわかりやすいよね。そもそも、みんな面識のあるひと

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【絵本を作ってみよう・番外編】製本と、そのあとのおはなし

【絵本を作ってみよう・番外編】製本と、そのあとのおはなし

前回はこちら:

こんにちは。わたしはいま、雨の降っていない、青い空をみています。
という一文だけ書いてからしばらく経ちました。その間にも世界は回っていて、わたしの絵本は物理の世界に確かに存在している。ふしぎですね。

今回は、かるく、製本のお話をしよう。

1. 製本サービスに依頼をする

わたしは一か月とすこし、この絵本に多くのちからと時間を注いだ。
だけど、それを誰にも売るつもりもないし、ほ

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【絵本をつくってみよう・7日目】ひとまず完成!(仮)

【絵本をつくってみよう・7日目】ひとまず完成!(仮)

前回はこちら:

まいどのことながら、ごぶさたしておりますね。
絵本についてnoteを書くことに関しては、かんぜんに飽きている。だめだめだね。以上をここに認めます。
だけど、絵本作りに関しては、ずっとやってきたよ。
そして、今回7日目ということで、キリもよい。0日目を含めて、8節の記事になる。『創世記』みたいで、いいじゃん。それだけの理由で、今回でいちおうの完成とする。ナメすぎてはいないか?
「読

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よるのみなと

よるのみなと

工業地帯の海辺の空は、けっこうあかるい。
そのあかるさのおかげで、われわれはあまり物事をかんがえずにすむ。ここにはいろんなものが、欠落しているからだ。
夜の空には、昼間の残り香のように雲が漂っているのが見えるし、元気のいい星がひとつ、ふたつ居心地わるそうに座っている。それだけだ。

かつて海辺は私にとって、期待そのものだった。さまざまなにおいを解き明かそうとすることから始まり、ながいながい大人への

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