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空はほんとうに焼けるのか
「夕焼け」という言葉に反して、夕方の空の色はごくみじかい時間しかそのバランスを保てない。その瞬間的神秘も、あなたの審美眼も、宵闇と1日の疲れのなかに溶けていってしまう。
だからせめて、われわれは夕暮れ時、毎日空を見上げるべきなんじゃないかと思う。べつに写真は撮らなくてもいい。
画面をスクロールして得られる刺激や、天に昇っていく数字を見つめる楽しさもよいだろう。
だけど、二度と同じ色で燃えない空と、
【超短編小説】ダ・ヴィンチとどんぐりの少年
「レオナルド・ダ・ヴィンチはモナ・リザを死ぬまで持ってたって学校の先生が言ってた」
「ひとのものなのにって。」
彼は言った。
「どうして持っていたのだと思う?」と私は尋ねた。
「とても気に入っていたからだよ。」
彼は得意げに答えた。彼の語り口からは、古い象牙がたたえるような、ある種の威厳が感じられた。
「そうかもしれないね……。気に入ったものはずっと手元に置いておきたくなる。」と私は言っ
この世には無限に月が存在していて、水は流れつづける
ちかごろ立て続けに、人間について、いろんなひとと話をしたり、しなかったりした。もしかして、わたしはいま、人間関係で悩んでいるのかな?それはどちらでもよいことだ。
わたしが大事だなと思うひとたちは、みんな月の住人なのかもしれない。
そうだったら、けっこう、すてきだよね。
◇ ◇ ◇
われわれはひとつの空間を共にしていて、その実まったくちがった世界にそれぞれ暮らしている。
だから往々にして、対立
絵本の全ページを無料で見られるようにしました(NFTアート化)
前回はこちら:
無事製本ができて、わたしの絵本は現実に物質として存在している。おかげで、限られたひとたちに読んでもらうことができた。心の底からうれしくなるような感想も、両手で数えられるくらいだけど、もらった。
現実においては、顔をつきあわせて「こんなの作ったんです。よかったら読んでくれませんか?」とお願いしている手前、わたしがつくった、というのがわかりやすいよね。そもそも、みんな面識のあるひと