紡ちひろ

湘南暮らし。映像作家16年目。 noteでは小説とエッセイを書いています。

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  • 【創作大賞2024・小説】春、ふたりのソナタ

    創作大賞2024参加作品です。応援いただけますと嬉しいです🌸 〈あらすじ〉  星山真名の通う私立小町女子高等学校では、創立100周年記念行事として《校内文芸コンクール》を開催することになった。  ある理由から小説を書かなくなった真名だったが、憧れの作家が審査員であることを知り、久しぶりに小説を書いてみようと決意。  誰にも見つからぬよう、早朝の教室で一人こっそり書いていると、同じように秘密でピアノを弾いている少女・月代有希子と出会う。ふたりは秘密を共有し、仲を深めていくが、お互いにまだ言えない秘密があって……。  鎌倉を舞台にした、ふたりの少女の青春と創作と恋の物語。

  • 創作大賞、気になる作品

    創作大賞応募作から、個人的に応援したかったり、気になった方の小説やエッセイなど。

  • 誰かに紹介したいnoteたち

    noterさんたちのいいな、と思ったnoteをまとめています。

  • エッセイ

  • 【連載小説】週末はサーフィンする

    読むとサーフィンした気になる!ゆる〜い湘南ライフ物語。

記事一覧

固定された記事

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #1

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。 【ソナタ】  語源はイタリア語で「鳴り響く、演奏する」。  ソナタ形式の一つの特徴として、互いに性格を異にする複数の楽想…

紡ちひろ
1か月前
105

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #7

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。 《1話はこちら》 《前回のお話》 「これ、頬に当てて」  私は水で冷やしてきたハンカチを有希子に手渡した。 「ありがとう……

紡ちひろ
1時間前
4

創作大賞〆切まであと2日!頑張れ自分!絶対間に合わす!!
ぎりぎりまで粘ってるみなさんも頑張って!

紡ちひろ
2時間前
9

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #6

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。 《1話はこちら》 《前回のお話》  日曜の朝、私は鏡の前で悩んでいた。  無難にジーンズを着て行くか、それともこないだ買…

紡ちひろ
1日前
14

100スキありがとうございます👏✨ちょうど見つけて嬉しくなりました😄
これを糧に最後までがんばります🌸

紡ちひろ
3日前
14

「春、ふたりのソナタ」を書く時にリピートしている曲たち

 タイトルそのままですが、現在、連載中の「春、ふたりのソナタ」を書いている時に聞いている曲たちをご紹介します。 そんなことより本編書けよ、と自分でも思うけど息抜…

紡ちひろ
3日前
14

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #5

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。 《1話はこちら》 《前回のお話》  朝、春の風が吹き込む誰もいない教室で、私は新品のB5ノートを開いた。  私は今まで最初…

紡ちひろ
4日前
16

海の日にハワイを想う

今日は海の日。 海からの恩恵に感謝する日。 私の海の思い出はイルカと暮らす生活がしたくて、学生の頃にハワイ島へ1ヶ月一人旅をしたこと。 現地の人に連れて行ってもら…

紡ちひろ
7日前
35

創作大賞まであとちょっと。

 創作大賞に向けて、毎日机に向かう日々です。  絶対間に合わせたい……、その一心でなんとか書き続けてます。    先日アップした「春、ふたりのソナタ」の4話に出てく…

紡ちひろ
7日前
26

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #4

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。 《1話はこちら》 《前回のお話》  小春日和のうららかな朝、江ノ電の由比浜駅から紺色のセーラー服の女学生たちがわらわらと…

紡ちひろ
8日前
17

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #3

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。 《1話はこちら》 《前回のお話》  江ノ電が稲村ヶ崎駅を越える頃、車窓から江ノ島が大きく見えてくる。  席に座って揺られ…

紡ちひろ
2週間前
19

「春、ふたりのソナタ」2話目アップしました。よろしくお願いします🌸
週に1本アップしていく!じゃないと間に合わない!頑張ります!

紡ちひろ
1か月前
18

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #2

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。 《前回のお話》 「あー惜しい! もっかいやろ」  千景がスマホを構えると、私とやまちゃんと姫子は音に合わせて自分の指を逆…

紡ちひろ
1か月前
26

快適に文字を書くために新しいキーボードを買った話

 私はmacbookユーザーなんですが、去年あたりに「偏頭痛の原因は首なのでは?!」と天啓のように気づいて、そこからモニターの目線の高さを上げるためにパソコンスタンド…

紡ちひろ
1か月前
67

酒本 歩先生の「プロットの書き方」が凄い

 これはもう酒本歩先生への感謝の気持ちで書いているのですが、先日の文学フリマで酒本先生とお会いした時に「プロットは【シーン表】で作ろう」という冊子を購入しまして…

紡ちひろ
1か月前
54

note創作大賞用の作品をアップしました!(遅くなりすみません🙏)
タイトルは「春、ふたりのソナタ」
鎌倉の女子校で【校内文芸コンクール】をきっかけに始まる、創作をテーマにした少女ふたりの青春と恋の物語です。
よろしくお願いします!

紡ちひろ
1か月前
17
連載小説 | 春、ふたりのソナタ #1

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #1

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。

【ソナタ】
 語源はイタリア語で「鳴り響く、演奏する」。
 ソナタ形式の一つの特徴として、互いに性格を異にする複数の楽想による主題対比の原理がある。

       ♦︎ ♦︎ ♦︎

 「自分の言いたい事を書きなさい」と先生は言った。
 2年生の春、新学期始まってすぐの国語の授業のこと。
 明確に言うと、学校の先生ではなく、小説家の先生だ。この時

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連載小説 | 春、ふたりのソナタ #7

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #7

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。

《1話はこちら》

《前回のお話》

「これ、頬に当てて」
 私は水で冷やしてきたハンカチを有希子に手渡した。
「ありがとう……」
 お礼を言う有希子の声は微かに震えていた。

 夕暮れ時の本覚寺の境内はとても静かで、ここに住み着く野良猫が一匹、近くで寝転んいるだけ。私たちは本殿の前の石段に座って、有希子が落ち着くまで私は隣で背中をさすっていた。

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創作大賞〆切まであと2日!頑張れ自分!絶対間に合わす!!
ぎりぎりまで粘ってるみなさんも頑張って!

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #6

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #6

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。

《1話はこちら》

《前回のお話》

 日曜の朝、私は鏡の前で悩んでいた。
 無難にジーンズを着て行くか、それともこないだ買ったふんわりスカートを履いていくか。両方、体に当てて、う~んと悩みこむ。

 今日は有希子と映画に行く日だ。
 先日の電話のあと、有希子からYesの連絡が来た。お母さんへの説得が成功したようだ。うちの母なんて、聞くまでもなくど

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100スキありがとうございます👏✨ちょうど見つけて嬉しくなりました😄
これを糧に最後までがんばります🌸

「春、ふたりのソナタ」を書く時にリピートしている曲たち

「春、ふたりのソナタ」を書く時にリピートしている曲たち

 タイトルそのままですが、現在、連載中の「春、ふたりのソナタ」を書いている時に聞いている曲たちをご紹介します。
そんなことより本編書けよ、と自分でも思うけど息抜きということで……!

1曲目 くじら「あれが恋だったのかな」

タイトルからして秀逸。
日常の空気感ある曲なのに切ない気持ちさせられる。
時間というのは当たり前に過ぎていく、それが青春の楽しい時期なら尚更。
今日ちょうどPV公開なのですね

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連載小説 | 春、ふたりのソナタ #5

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #5

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。

《1話はこちら》

《前回のお話》

 朝、春の風が吹き込む誰もいない教室で、私は新品のB5ノートを開いた。

 私は今まで最初から原稿用紙に小説を書き出そうとしてたけど、まずは物語のジャンル、テーマや登場人物、簡単なあらすじなどを考えた方が良いということを学んだ。図書館で借りてきた小説の書き方の本にそう書いてあった。他にもプロットの役割や、三幕構

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海の日にハワイを想う

海の日にハワイを想う

今日は海の日。
海からの恩恵に感謝する日。

私の海の思い出はイルカと暮らす生活がしたくて、学生の頃にハワイ島へ1ヶ月一人旅をしたこと。
現地の人に連れて行ってもらった秘密の入江。
フィンをつけて、300mほど沖へでると遊んでいる野生のイルカたちと出会える。周遊するイルカたちを追いかけずに待っていると警戒心を解いて、横並びで泳いでくれる。水中からイルカの声が聞こえるのがとても神秘的だった。あまり長

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創作大賞まであとちょっと。

創作大賞まであとちょっと。

 創作大賞に向けて、毎日机に向かう日々です。
 絶対間に合わせたい……、その一心でなんとか書き続けてます。
 
 先日アップした「春、ふたりのソナタ」の4話に出てくる鎌倉文学館と吉屋信子記念館、ロケハンしたかったけど今どっちも公開してないんですよね。泣
 それでも町の雰囲気だけでも感じたいと、思い立って鎌倉の長谷へロケハンへ。
 結果行ってよかった。文学館の空気感は門の前からでも感じたし、レトロで

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連載小説 | 春、ふたりのソナタ #4

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #4

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。

《1話はこちら》

《前回のお話》

 小春日和のうららかな朝、江ノ電の由比浜駅から紺色のセーラー服の女学生たちがわらわらと降りていく。

 私もそのセーラー服の一団に混ざって、先頭を行く先生の後に付いていく。本日は学年合同で、鎌倉文学に関するフィールドワークを行うこととなったのだ。せっかく文芸コンクールを行うのだから、これを機に地域文学に触れよう

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連載小説 | 春、ふたりのソナタ #3

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #3

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。

《1話はこちら》

《前回のお話》

 江ノ電が稲村ヶ崎駅を越える頃、車窓から江ノ島が大きく見えてくる。
 席に座って揺られる私は、春の斜光に照らされて眩しいくらいに輝く海面を見ながら、今朝のことを思い出していた。

『だから真名さんも、自分のためだけに物語を描いてみたらいいわ』

 自分のためだけに、か。
 子供の頃はそれが出来ていた気がする。た

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「春、ふたりのソナタ」2話目アップしました。よろしくお願いします🌸
週に1本アップしていく!じゃないと間に合わない!頑張ります!

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #2

連載小説 | 春、ふたりのソナタ #2

この作品は #創作大賞2024 応募作品です。

《前回のお話》

「あー惜しい! もっかいやろ」
 千景がスマホを構えると、私とやまちゃんと姫子は音に合わせて自分の指を逆さピースにして机の上を踊るように歩かせた。いま流行ってるフィンガーダンスってやつだ。指だけで踊れて手軽にできて楽しいから、うちのクラスでも結構流行っている。上手く撮れたらSNSにアップする。

 新学期になってから1週間が経ち、

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快適に文字を書くために新しいキーボードを買った話

快適に文字を書くために新しいキーボードを買った話

 私はmacbookユーザーなんですが、去年あたりに「偏頭痛の原因は首なのでは?!」と天啓のように気づいて、そこからモニターの目線の高さを上げるためにパソコンスタンドをつけたのです。そうしたところ数年毎日患っていた偏頭痛はきれいにどこかへ行きました。体の仕組みを知るって大事。

 偏頭痛はどこかへ行ったんですが、キーボードが斜めになって押しづらくなり、別のストレスができました。なので、ブルートゥー

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酒本 歩先生の「プロットの書き方」が凄い

酒本 歩先生の「プロットの書き方」が凄い

 これはもう酒本歩先生への感謝の気持ちで書いているのですが、先日の文学フリマで酒本先生とお会いした時に「プロットは【シーン表】で作ろう」という冊子を購入しまして、そこには小説家である先生が実際に使われている【シーン表】という小説執筆に役立つ技が丁寧に解説されていました。

 参加されてる方多いかとおもいますが、創作大賞に私も参加しています。去年、サーフィンがテーマの小説で参加したのですが、結果的に

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note創作大賞用の作品をアップしました!(遅くなりすみません🙏)
タイトルは「春、ふたりのソナタ」
鎌倉の女子校で【校内文芸コンクール】をきっかけに始まる、創作をテーマにした少女ふたりの青春と恋の物語です。
よろしくお願いします!