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新型知財戦略

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#特許

TRIPS WAIVER

Reto M. Hilty et al, Covid 19 and the Role of Intellectual Property: Position Statement of the Max Planck Institute for Innovation and Competition https://www.ip.mpg.de/en/nc/research/research-news/co

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知財マーケットは成立するか

週末、米国で主催されている勉強会に参加する機会があり、IP Exchange Marketについての議論があった。当方も21世紀に入って弁理士になりたての頃に日本版のMarket設立に参画したことがあったが、文化が違いすぎていて、時機も尚早すぎた(いまでもそうかも)ので、途中で立ち消えになった。ただ、その時に得た知識や経験を活かし当時はまだ特許事務所では(いまでもそうかも)誰も扱っていなかった知財

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知財アナリスト(コンテンツ)

このほど、知財アナリスト(コンテンツ)に登録されました。http://ip-edu.org/ipa_con?fbclid=IwAR2lm0UqBEc2YDbM0eLdRWrIcs43-GJeX1m5by_eH5PdtgjgtbBTRD9BAXg

同じ知財といっても、特許とは対極にある分野。しかし、ビジネスはそんなこと関係ないし、LLMを取得したときも、そもそも区別しない局面も多いことを再認識した

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知財制度の考察

下記セミナーにパネリストとして参画しました。

http://www.tmd.ac.jp/tlo/information/event/2020/jinzaiyosei_tokubetu.pdf

恩師からのお誘いだったのですが、抗生物質を研究していて、法務修士を修了した実務家であり、TRIPSとも関係深い活動もしているので、まさに、時機を得たテーマにしゃべることができました。

そこで気づいたのは

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medisoサポーター

https://mediso.mhlw.go.jp/

このほど、MEDISOのサポーターになることになりました。

COVID-19の中での面接試験・審査を受け「合格」(?)しました。

どうも再生医療や遺伝子治療を扱える人材が少ないようです。しきりに聞かれました。デジタルヘルスも普通に取り扱っていますよというと、いろいろ聞かれました。どうも、従来型医薬品・医療機器ビジネスのサポーターが多かっ

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体外診断薬と医薬品の知財戦略

最近もいろいろ知財戦略の相談を受ける。そんななかで、体外診断薬に関する相談があり、低分子の知財戦略と体外診断薬の知財戦略の相違点について考えさせられる局面があった。

低分子は、いわゆる基本物質特許展開戦略なので、極論すれば、1特許で十分という局面も多い。しかし、体外診断薬は、分類は歴史的経緯もあって医薬品分類だが、構造的には医療機器であり、知財戦略も複合戦略をとらざるを得ない。実際、同じ知財専門

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未来志向と顧客主義

最近、当方の技術分野(といってもあるいみ守備範囲は広いので、いろいろあるが)でも標準技術の議論をすることが頻繁にある。将来技術標準・規格化をにらんで、特許出願戦略をしようというのである。

マーケティングでは、顧客主義と未来志向という観点で議論がされることがあるが、このような話は、未来の顧客・ステークホルダをどのように規定していくかを想定するものである。

コンセプト出しから、出願戦略を練ること、

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秘密特許

最先端の技術を毎日取り扱っていると、安全保障上重要な技術に遭遇することがある。グローバルな業務をしていると、アメリカや中国など、安全保障に敏感な国もあるし、無頓着な国、日本という対照的な違いに遭遇する。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000190582.html

最近上記のような報道がされて盛り上がっている。

昭和23年

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戦略と戦術

知財案件のサポートをしていると、話が食い違うことがよくある。戦略の話をしているのに、戦術の細かい議論を持ちかけられることなどだ。

あくまでも一つの視点ではあるがWikipediaでは「戦略とは、一般的に特定の目的を達成するために長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術、科学である」、「戦術とは、作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術であ

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中国の知財戦略

中国は、特許出願でも抜きんでている。早期公開制度というものがあり、早期公開請求(中国専利法第34条、中国専利法実施細則第46条)を行えば、結果的に審査が早まるからだ。その根本理由は、中国では審査に入る前に出願が「公開」されていることが条件となっている(専利審査指南第2部分第8章(実体審査手続)に、「発明専利出願の公開及び実体審査段階に入る旨の通知書があること」とあることが理由である。

tokug

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医療機器の承認・認証審査基準と知財審査・評価

Clinical performance臨床性能

Clinical efficacy臨床的有効性

Clinical effectiveness実社会での有効性

医療機器の審査における基準。性能は実施可能要件、臨床的有効性は進歩性の要件、実社会は産業上利用可能性に類似する概念と思われる。あるいはefficacyとeffectivenessは、進歩性の両輪と考えてもよいかもしれない。

規制と知

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