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新型知財戦略

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#知財戦略

モダリティ多様化時代の医薬品知財戦略~抗体医薬、ペプチド医薬、核酸医薬、再生医療、デジタルヘルス製品…次々現れる治療・予防モダリティーシフト・拡大の中で医薬・ヘルスケア分野の知財戦略はどうあるべきかを考える~

COVID-19がなかなか終息を見せないが、この1,2年でワクチンが普及し、新規治療薬が日常に出回るようになった。医薬・医療技術産業分野ではこのところ、治療・予防モダリティシフト・多様化の時代を迎え、医薬品の開発のやり方が変わったことが実証されたともいえます。21世紀に入り、低分子一辺倒の時代から、抗体医薬、ペプチド医薬、核酸医薬、再生医療と次々異なる形態の治療・予防手段が現れ、それに伴い知財戦略

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medisoサポーター

https://mediso.mhlw.go.jp/

このほど、MEDISOのサポーターになることになりました。

COVID-19の中での面接試験・審査を受け「合格」(?)しました。

どうも再生医療や遺伝子治療を扱える人材が少ないようです。しきりに聞かれました。デジタルヘルスも普通に取り扱っていますよというと、いろいろ聞かれました。どうも、従来型医薬品・医療機器ビジネスのサポーターが多かっ

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保険点数の戦略も知財戦略

昨日AIPPIのPanel Sessionで感染症薬の開発におけるインセンティブ維持についての議論を行った。その中で、当方のプレゼンでは、通常の知財、特許、特許延長、データ保護(再審査)に加えて、保険収載、そして、その保険収載の仕方自体も戦略であることを紹介した。他のパネルストからの紹介で欧米カナダの資料があったが、カナダの制度が興味深かったが、お国が決めるという感じで戦略が感じられなかった。

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標準技術と特許

最近技術標準の話題を聞くことが増えてきた。

そこで出てくるのは、中国。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61905270U0A720C2MM8000/

「標準業界」でも、中国が世界戦略を進めている。

そこで振り返って特許出願を俯瞰してみると、中国の出願戦略。

ある技術に注目してランドスケープを策定・分析するよう依頼されることがあるが、中国が異常な

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体外診断薬と医薬品の知財戦略

最近もいろいろ知財戦略の相談を受ける。そんななかで、体外診断薬に関する相談があり、低分子の知財戦略と体外診断薬の知財戦略の相違点について考えさせられる局面があった。

低分子は、いわゆる基本物質特許展開戦略なので、極論すれば、1特許で十分という局面も多い。しかし、体外診断薬は、分類は歴史的経緯もあって医薬品分類だが、構造的には医療機器であり、知財戦略も複合戦略をとらざるを得ない。実際、同じ知財専門

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秘密特許

最先端の技術を毎日取り扱っていると、安全保障上重要な技術に遭遇することがある。グローバルな業務をしていると、アメリカや中国など、安全保障に敏感な国もあるし、無頓着な国、日本という対照的な違いに遭遇する。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000190582.html

最近上記のような報道がされて盛り上がっている。

昭和23年

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戦略と戦術

知財案件のサポートをしていると、話が食い違うことがよくある。戦略の話をしているのに、戦術の細かい議論を持ちかけられることなどだ。

あくまでも一つの視点ではあるがWikipediaでは「戦略とは、一般的に特定の目的を達成するために長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術、科学である」、「戦術とは、作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術であ

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On sale bar

アメリカというのはつくづく面白い国だと思う。

特許が認められる要件に新規性(novelty、anticipation)という基準がある。この中にOn sale barというものがある。訳しにくいが販売行為による新規性喪失というもの。

アメリカは2013年に先発明主義から先発表優先先願主義に移行していて、実質的には他の国の先願主義(最初に出願した人が特許をとる)に移行したことになっている。原則と

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リスクマネジメントと知財

本日は、リスクマネジメントに関して学ぶ機会があった。知財の講義ではなかったが、いろいろ気づきがあったので書いてみたい。

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用語の定義~知財デュー・ディリジェンス(知財DD)

このところ、用語の定義の相違に悩まされることが頻発している。一例が「知財DD」。

特許庁も、

https://www.jpo.go.jp/news/shinchaku/event/seminer/text/document/h30_jitsumusya_txt/27_pp.pdf

で詳細に説明している。そこでは、DDを「出資や提携、買収を検討する際に行う、相手方会社のリスク評価及び価値評価の

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Utility Patent とDesign Patent(特許と意匠)

本日は、特許と意匠の両方で保護する客体について議論があった。特許で十分と考える会社。意匠こそ重要と理解してくれるアカデミア。議論の結果意匠の重要性が理解された。知的財産に対するコスト意識はやはり格差があるとも感じた一日。

知財図鑑、はじまる。

知財図鑑、はじまる。

はじめまして、知財図鑑です。
わたしたちは、非研究者のために生まれた知財データベースです。

世界を進化させる知財をクリエイターの目線で再解釈し、活用の可能性を起案していきます。

なぜいま「知財図鑑」なのか。まずは、わたしたちの活動のビジョンを記します。

知財をもっとオープンに。

知財は、先人たちが積み上げてきた
誰もが手に取れる叡智の山だ。

新たな挑戦へ踏み出す時
先人の知恵と出逢えれば

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