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セントビンセント日記

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カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
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2019年12月の記事一覧

世界のことを知らなければ、世界を変えることはできない。シンプルにそれだけ

世界のことを知らなければ、世界を変えることはできない。シンプルにそれだけ

協力隊の活動でfacebookページやInstagramアカウントを運営するにあたって、これまでの人生で何か意図を持ってそういったメディアを運用したことがなかったぼくは、この一年ぼくなりに色々勉強した。

いまイケてるメディアをとりあえず眺めて、どんな表現が流行ってるのか、どこが人気の理由なのかを探ろうとした。だいたい読んでないけど、今年は結構な数のメルマガを登録した。だいたい読んでないけど。大事

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あんたらはカリブの気候を勘違いしてるのさ

あんたらはカリブの気候を勘違いしてるのさ

ホリデーシーズンだからなのか、ほぼ毎日大きなクルーズ船が港に停泊している。

たまたま週末に彼らクルーズ船ツーリストのマイクロバスのご一行とバッティングしたことがあって、彼らの定番エクスカーションルートは把握できた。こんなところまで来るんだという驚きと、これじゃ満足感はないしお金も落としてはくれないから、改善の余地も我々視覚障害者協会の参入の余地も大いにあるなと思っていた。

ある日の昼下がり、セ

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布教船の中を案内してもらった話

布教船の中を案内してもらった話

以前、普通のお客さんといした訪れたLOGOS HOPEの船に、乗船している日本人ボランティアの方にお誘いいただき、船内ツアーをしてもらった。

65ヵ国くらいから約400人の人が船に乗っているらしい。

契約は短いもので3週間からで1年か2年の人が多いのだとか。ぼくは誰でも希望すれば乗船できる(ボランティアになれる)開かれたものだと思っていたのだけど、クリスチャンしか乗れないようだ。

それも彼ら

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高いサービス料に対してこれは何にお金を払ってるのかを考える

高いサービス料に対してこれは何にお金を払ってるのかを考える

最近カリブ価格を正当化する理由を考えている。見出し画像はとある週末の朝食。コーヒー、カットパパイヤ、シナモンフレンチトーストwithベーコンで1,200円ほど。安くはないけれど驚く価格ではない。日本ならば。

以前、本気のリゾートアイランドMustiqueに行ってからサービスの価格って何を基準に決めてるのかというのを結構考えている。

ぼくはメーカー出身だから、メーカーの値付けしか知らない。

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地図にないトレイルを探して

地図にないトレイルを探して

「どうする? 俺そこ行ったことないから道わかんないよ」

ものすごく懐かしい会話な気がした。最初、何を言ってるのかわからなかった。当然のようにGoogleマップ見たらわかるやんと思ってしまった。

行ったことないところでも、事前に最寄り駅を調べて、近くまでいったらまたGoogleマップを開いて細かな道順を確認するなんてことに慣れ過ぎてそれが当たり前になっていた。

そう、ここはカリブ。途上国。メイ

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カリブの小国がオリンピックに力を入れるワケ

カリブの小国がオリンピックに力を入れるワケ

ぼくの書類上の直接のカウンターパートというかボスは視覚障害者協会の副理事。

彼は非常勤で、本職はオリンピック協会の理事。

人口10万人の小国なんだから、選手層はどうやったって薄くなるのに、競技を絞るではなくバレーにラグビーにバスケにサッカー、陸上に水泳に…とたぶん一通りの競技の選手がレベルはともかくいる。

今年の3月頃、オリンピック協会のオフィスでWi-Fi難民をしていたころ、南アフリカから

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人生初のクリスマスケンタッキーをカリブで

人生初のクリスマスケンタッキーをカリブで

クリスマスが今年もやってくる~♪ から始まるメロディのCMを日本で何度となく見てきたし聴いてきたけれど、クリスマスにケンタッキーを食べたことはなかった。というか、ケンタッキー自体、日本で食べたこと2回くらいしかない。しかもハンバーガーかラップ的なやつだけ。

「クリスマスにケンタッキーなんて、ふふふ」みたいに欧米人に小バカにされているから、同じようにええかっこしようとしてるわけではなくて。

そも

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フットボールはドレスアップしていくものなのよ。誰も試合は観てないわ

フットボールはドレスアップしていくものなのよ。誰も試合は観てないわ

レストランでディナーをした帰り、スタジアムが賑やかなことに気づいた。

クリスマスライブ的な何かをやっているのかと思ったのだけど、それにしては静かだった。

「たぶん、フットボールの試合ね」

後部座席にいた現地の友達が答えた。

驚いた。ナイトゲームという概念があったなんて。

時折、週末の昼間にこのあたりのカリブ諸国の対抗戦で代表選をやっているのは知っていたけれど、夜にもやっているなんて。それ

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自分の影響力を良いことへ使いたい

自分の影響力を良いことへ使いたい

表向き、そういう理由でいろんなことに手を出そうとしている。孤児院を訪問したのも、ぼくという異人との交流が彼らの人生でいつか何か良い変化をもたらしたら良いなと思ったからだ。

もちろん、それはウソではない。けれど、ぼくの中のマジョリティの意見ではないことも事実。

いろんな社会の仕組みや課題を見たい。

その好奇心というか情報収集欲の方が強かったりする。それは活動のためでもあるし、協力隊以後のことも

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君はカリブのクリスマス、ナイン・モーニングを知っているか

君はカリブのクリスマス、ナイン・モーニングを知っているか

その奇妙な風習について最初に話を聞いたのはセントビンセントに来て間もない頃だった。

地元の人たちと話していると、この国の主なイベントはみんなカーニバルとクリスマス前の祭りだと言っていた。そのクリスマス前の祭りというのが、「夜中に広場に集まってお祭りをやるんだよ」という漠然としたもの。当時、着いたばかりということもあり、いろいろ把握しないといけなかったり覚えないといけないことが多く、気になりはした

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船酔いって慣れなんです。酒といっしょで吐けば吐くほど強くなる

船酔いって慣れなんです。酒といっしょで吐けば吐くほど強くなる

同期隊員のKは船酔いをするタイプで、酔い止めが欠かせないことになっている。「なっている」というのは、彼が船酔いしたのは中学生のときが最初で最後でそれ以来欠かさず酔い止めを飲んでいて、飲まずに乗って酔ったことがないからだ。

ひょっとしたら克服してるのかもしれない。

Kはたまにそう言うけれど、もしものことがあるから毎回飲んでいる。

この日のダイビングもボートは波で結構揺れる。だから飲む。けれど、

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西インド諸島最古の植物園のイルミネーションとSNS効果

西インド諸島最古の植物園のイルミネーションとSNS効果

セントビンセントには西インド諸島最古の植物園がある(正確には西インド諸島の中の小アンティル諸島内の話ではないかと思っている)。去年だか一昨年だかに250周年を迎えたそうだ。

施設内には国鳥のオウムいたりする。松の木が植えられていたり、イギリス人が始めたのだろうけど、すごい地味だけどちょっとした公園になっていて気持ち良い空間になっている。

これはパンノキ。セントビンセントというか英語でブレッドフ

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世界を旅する船の本屋さん、その正体は?

世界を旅する船の本屋さん、その正体は?

週末、それなりに大きな船が港についた。いつものクルージングツアーの豪華客船が停泊するところではなく貨物船が停泊するところに。

「私たちは世界中の港を周ってるんです。あの中で本とか、アイスクリームやホットドッグを売って。ブラジルから来ました。」

町でたまたま会ったスタッフの人がそう教えてくれた。

いまいち全容が掴めなかったのだけど、小さい宗教本をくれたあたり宗教団体なんだろうなという察しはつい

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この国は思ってたよりテレビの影響力が低い

この国は思ってたよりテレビの影響力が低い

先日のテレビの映像をウェブでアップした話の続き。

これまでのカーニバルの宣伝とか通信会社の新サービスの告知方法から、この国で最も効果的に情報を行き渡らせるのは、練り歩き、テレビ、新聞の3つ。例えば練り歩きならば、それによってダウンタウンの(収入や、年齢、リテラシー関係なく)ランダムな人たちに情報が伝わる。それが新聞の記事になって、この国の主要な3つのメディア機能を持つもののうち2つを抑えることが

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