布教船の中を案内してもらった話
以前、普通のお客さんといした訪れたLOGOS HOPEの船に、乗船している日本人ボランティアの方にお誘いいただき、船内ツアーをしてもらった。
65ヵ国くらいから約400人の人が船に乗っているらしい。
契約は短いもので3週間からで1年か2年の人が多いのだとか。ぼくは誰でも希望すれば乗船できる(ボランティアになれる)開かれたものだと思っていたのだけど、クリスチャンしか乗れないようだ。
それも彼らは各国の各地の教会から派遣されている人たちらしく、毎月お金をこの船の団体に納めているとのこと。価格は国によってことなるけれど、日本の場合は約10万円とのことだった。
つまり、彼らは教区内から集められたお金でここに来ているわけだから、教会内で将来を待望されている人たちなんだろうと思う。
そして、お金を払って各国の港を周って布教活動するボランティアをしにきているということになる。外での布教イベント以外の船内の食事や掃除、本屋やカフェの店員などもボランティアの仕事だからなかなか大変だろうなと思う。
多国籍で400人もいるわけだから船内のボランティアコミュニティの交流のためにこうして、有志がサンバクラスやフットボール、パントマイムなどを教えてくれるサークル活動的なものもある。
各々仕事があるし、400人もいて短期は3週間で人は入れ替わるから、仕事が同じになるかこういうコミュニティに参加しないと知り合いは増えないのだそうだ。
この他、人が生活する上で必要なものは全部そろっているし、船には専属のドクターも歯医者さんもいて、無料で受診できるから、人によっては下船前に全部虫歯治療する人もいるのだとか。
話を聞いてると動く研修棟のような感じだった。
案内してくれた日本人も牧師さんの息子で、いろんな人がいたりいろんな価値観、常識が同居する環境で揉まれて立派な牧師さんになっていくんだろうなあと思った。
ブリッジも見せてもらった。
船の食堂で夕食もいただいた。日本米ではない白米とにんじん、ローリエなどでエスニック風に煮られた鶏肉。チョコチップケーキ。
おいしくはなかった。
400人の朝昼晩とぼくらのようなゲスト分も含めて1日1,500食ほどつくるようなので、予算の関係もあるしその港で手に入る食事にもよるだろうからどうしても質より量になってしまうのかもしれない。
「船のディナー」なんて甘い言葉にのせられたものだからすっかり期待してしまっていたけれど、現実はこんなものなんだろう。
ボランティアの人も飽きる人もいるし、合わない人もいるから自炊する人もいるのだとか。
ふつふつと、ぼくの中である疑問が浮かんできた。
これだけ人数がいて、共同生活してるわけだから船内恋愛が結構あるんじゃないかと。
頃合いを見て、さりげなく聞いてみると、ポリシーがあって1年は恋愛禁止で、滞在1年経過すれば申請して受け入れられれば認められるのだそうだ。
あくまで布教で来ているので、とのことだった。
その他、船内外で飲酒は禁止、自由時間に港のバーで飲むのも禁止。タトゥーは今ある分は問題ないけれど、新たに足すのは禁止。などルールがたくさんあるらしい。
お酒に関してはヨーロッパ系の人たちは寛容なんだけれど、アジア系の人が厳格なので禁止になっているらしい。
ますます動く研修棟っぽい。
あ、各港での入国手続きをどうやってるのか聞くの忘れていた。
たぶん入国管理局の人が来てくれるんだろうけど、それにしたってどうやってこれで全員ですというのを担保するのかわからない。
空路ならイミグレを通らないとその土地の土を踏めないけれど、出張イミグレなら出張イミグレが帰ってしまえばそんなことないから。
あと、乗船してるボランティアの国籍によってはビザでないとかもあったりするんじゃないかなあとか。
くそう、おしいことをした。
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