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高いサービス料に対してこれは何にお金を払ってるのかを考える

最近カリブ価格を正当化する理由を考えている。見出し画像はとある週末の朝食。コーヒー、カットパパイヤ、シナモンフレンチトーストwithベーコンで1,200円ほど。安くはないけれど驚く価格ではない。日本ならば。

以前、本気のリゾートアイランドMustiqueに行ってからサービスの価格って何を基準に決めてるのかというのを結構考えている。

ぼくはメーカー出身だから、メーカーの値付けしか知らない。

メーカーなら、モノを作って売るわけで、モノを作るためには材料がいる。その材料と仕入れる費用と材料の加工費、それから梱包費、送料などを原価として、商品価格に対して30%の利益を得られるように見積もりを作る。

(もっとも現実はもっと込み入ってて、見積もりが高いと言われて返ってきたり、競合品の価格との兼ね合いなんかもあるから、すんなり30%とならない。10%くらいのときもある。逆に市場で競争力があれば50%以上利益率を確保できるときもある)

ぼくはそれに慣れきっているから、それが基準になっているようなところがある。学生時代バイトしてた韓国料理屋もざっくり3割は利益がでるように設定してると言っていたし。

だから、Mustiqueで1週間の宿泊費が100万円だ、1,000万だと言われて何をいってるのか全然理解できなかった。

その金で土地と建物この国で買えるんじゃないかと思ってしまった。何が悲しくてそんな金を…と庶民のぼくは思ってしまう。

ぼくの知らない論理があるんだろうと思う。

先日ダイビングのライセンスを取りにセントビンセント本島の隣の同じくリゾートのベクエ(Bequia)で1泊したときのこと。

3人で泊まったホテルの部屋は以下の通り。

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ナマモノの萎れた花。

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写真では見えにくいけれど、左奥にシングルベッド、右奥にクイーンサイズのベッド。手前の閉まらないドアの向こうにトイレとシャワーがある。

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シンプルで広くはない。

さて、このお部屋1泊いくらでしょう?朝食含め食事はついていない。

ヒント:リゾートだけれど中心からは離れている立地。中心地の良さげなリゾートホテルは1泊7万円。

たぶんこれが石垣島とか宮古島的なところだったら、民宿レベルだから1部屋1泊4,000円くらいなんじゃないかと思う。

さて正解は、1泊およそ18,000円。

サービスと価格があってない。ぼくたちはいったい何に金を払っているんだと思う。ほんとに。

その価格を正当化できる理由が見つからない、ほんとに。

この価格設定でやっていけてるということは需給バランスが取れてるということなのか、このホテルは海の家兼レストランもやってるからそっちのビジネスがメインなのか、そしてこの島は島で宿泊する人より所有するヨットやボートで寝泊まりする人たちが多くて、彼らは食事のときだけ上陸するからレストランはやっていけてるのか、宿泊施設の供給が少ない(たぶん欧米人向けの高価格帯以外は需要が少ない)から強気の価格設定でもOKなのか。

サービスを受け取っている受け手側に、つまりぼくに納得感がない。一切ない。

ますますわからない。

他に選択肢がないから仕方なく払ってる。良い気分ではない。

ぼくのこの感覚を一般的とするならば、リピーターは少ないだろうとか、空き率結構高いんだろうなとか思ってしまう。

正直、このクオリティでこの料金だったら二度と来ないぞと思っている。

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それで、普段日帰りでこのベクエ島に朝来て夕方帰るのとは異なる過ごし方をしたわけだけど ―だって宿泊してるから―、夜とか早朝ってこんな感じなんだっていう新鮮さはあった。

ベクエ島の違う一面を見れた気がした。

けど、それはそこまでの価値があるのかと言われると疑問が残る。楽しかったけど、楽しかったけど…。

一夜過ごしてみて、改めて思ったのはこのしょぼい部屋に対してのサービスとして高い料金を払っているんじゃなくて、ベクエという島に1泊滞在する、滞在できる権利に対してお金を払ってるんじゃないかと思えるようになった。

普通の人は、朝一のフェリーで来て、最終のフェリーで帰らないといけない。

けど、あなたはそんな時間を気にせず島で過ごせる。

その権利に対してお金を払ってる。

それならなんとなく納得できそうだ。

つまるところこれがブランドビジネスで、材料費から割り出した云々~とかいう原価とは別の次元の話なのだ。

なるほどな、と思った。

これがブランドビジネスかと。2020年はこれをきちんと分析したいし、挑戦したい。


(ちなみに、ベクエの宿泊費に関しては未だに納得していない)

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