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【DAY.44】新潟発着!2ヶ月で、公務員がバイクで全国周る旅日記

この記事、連載は...
民間から中途で新潟県庁に入った公務員が、4年で退職するその前に、有休消化で全国をバイクで回る、という、ノープランな企画です。予約なし、フィーリングファースト。

7:00、北海道 斜里町の温泉宿、「湯元館」にて起床。

外は雨...。
走る気を著しく削がれる...。

が、出発しないわけにもいかないので、朝から温泉に浸かり、最大限まで身体を温める。

9:00、とりあえず出発。

雨は小降りだが、バイクで走ると急に大粒になるように思える。

そして、風がとにかく冷たい。
気温は6℃と出ているが、もっと寒いように感じる。
オホーツク海の冷たさはハンパじゃない。

天気が悪いと写真も映えない。

小一時間ほど走り、あまりの手足の冷えに、たまらず網走の道の駅で休憩。

無料のしじみ汁が嬉しい。
生き返った感じ。

そこから少し北上したところに、網走監獄博物館がある。

網走に来たら見ておきたいし、監獄食堂にも興味がある。

日曜だったので、ツアー客がわりといた。
バイクもちらほら。

中を適当に歩いていると、知覧の特攻隊博物館で見た、三角によく似た建物が。

ここは囚人たちが

囚人服を着て気分を味わってみる。

こちらは現在の刑務所の部屋を再現したもの。
テレビがあるのに驚いた。

先ほどのは個室、こちらは大部屋。

隣のいびきとか、もめたりするんだろうな...。

で、こちらは昔の網走監獄の部屋。

これは絶対寒い。
トイレもかろうじて下半身が隠れるってくらいのものだ。

共同トイレはこんな。

囚人たちの楽しみ、浴場には見事な刺青が入った人たちがたくさんいて、浜松トラックステーションを思い出した。

これは懲罰房。

冬とか死ぬんじゃないの、マジで。

まだまだ色々と見どころはあり、写真もたくさん撮ったのだが、ひとまずこんなところで、

ちなみに、網走刑務所といえば、昔の任侠映画のイメージしかなかったが、実は、囚人たちは北海道の中央道路開削工事に従事していたことを初めて知った。

時は明治時代。
西南戦争が終わり、負けた旧幕府軍からは多数の国事犯が生まれ、国内の刑務所はキャパオーバー状態に。

まさに、「勝てば官軍、負ければ賊軍」である。

また、当時は開国直後、列強各国に追いつけ追い越せの時代。
新たな開拓地として、広大な北海道はうってつけだったのだろう。

加えて、南下政策を進める帝政ロシアのプレッシャーもあり、明治政府もいち早く北海道を開拓し、守りに備える必要があった。

そんな背景から、全国から北海道に囚人が集められ、北海道を横断する中央道路の開拓に従事していたのだ。

ふーむ、普段は気にも留めないことにも、現地に行くと色々と時代背景が見えてくるものだ。

入場料を払った価値は十分にあった。

というわけで、時間も11:00を回り、いよいよ監獄食堂へ。

色々メニューはあるが、監獄食Bをチョイス。
Aはサンマ、Bはホッケだ。

いや、味は普通に美味い。

ホッケは脂が乗っていて食べごたえがあるし、麦飯もヘルシーな感じで良い。

ただ、毎日麦飯ばかり食べていたら銀シャリが恋しくなる気持ちも分かる。

この網走監獄は全国の刑務所のモデルになったそうだが、もしかすると、刑務所のメシが麦飯なのも、コメがあまり獲れなかった当時の北海道の事情によるものなのかもしれない。

最後にお土産でキャップとステッカーを買って、見学終了。

すごく、近寄りがたいバイクになってしまったような気がする。

このあたりから雨は止んでよかったのだが、やはり寒さがハンパない。

ダメ元で、ホームセンターに立ち寄り、カイロはないか聞くと、まさかの、ありますよ、との答え。

いや、もう5月も半ばだぜ?
オホーツク、すごいな...。

その後に休憩した道の駅で発見した看板がこちら。

右下に、

"思い立ったらオホーツク"

と書かれている。

いや、まあ、今回の私がまさにそれで、道東には行く予定なかったけどふらっと来てみたわけだけど...。

思い立っても、寒さには本当に気をつけた方がよい、ということは言っておきたい。

それからしばらく北上すると...ついに晴れた!!

太陽が出るだけでこんなに温度が違うものか、と、太陽のパワーを改めて思い知らされた。

ヘルメットのシールドを上げ、上機嫌で走っていると、紋別の道の駅の先に、妙なものが...。

か、カニの爪!?

どうも、アートフェスティバルで作った作品をそのまま残しているらしい。
うーむ、やはり、アートはよく分からん。

さて、そのまま北上を続け、16:30、目指していた興部(おこっぺ)の道の駅に到着。

ここは、廃線になった駅を道の駅としてリニューアルし、なんと電車の中に泊まることができる。
しかも無料で。

2車両あって、こちらは休憩スペース、もう一つが宿泊スペース。

宿泊棟は鍵がかかっていたが、道の駅の管理人に言えば開けてもらえるっぽい。

無料なのはすごいし、道の駅のWi-Fiも使える。
充電もできる。

が...おそらくこの時間で私1人ということは、今夜は私だけだろう。

昨日の宿も1人だったので、今夜はインプットが欲しい。
地元の方の話を聞きたい。

また、北海道に入ってからはずっと海沿いを走ってきたので、内陸も走ってみたい。

なんといっても、岩手のライダーハウスで偶然会った、同じ新潟のライダーの方に、ここから20kmほど内陸へ入った西興部にあるゲストハウスを強くおすすめされていた。

同じ旅人が勧める宿、悪いわけがない。

悩むところだが、私の旅のシンプルなルールは、「迷ったら前へ」だ。

とはいえ、ここが営業していなかったら、さすがに同じ道を戻るのは嫌だったので、一応電話をしてみる...が、出ない。

ふむ、これもご縁。
今夜はここに泊まって、電車マニアたちに羨ましがられることにするか、などと思い、街をぶらぶら。

が、道の駅から徒歩すぐの銭湯は定休日、周りの飲食店も営業するような雰囲気はない。

街自体が新しい感じで、あまり人の匂いがしてこないのだ。

どうするかなー、セイコーマートで弁当でも買って1人で食うか、とか思いつつ、最後にもう一度だけ電話をしてみることに。

これでダメならビールでも飲んで迷いを断ち切ろう、と思ったら、3コール目くらいで出た!

どうやら、この週末に、ゲストハウス主催のエゾシカハンティングイベントをやっていたようで、その片付けなどに追われていたようだ。

泊まれますか?と聞くと、ちょっと困った感じだったので、いや、ダメならここで寝るんで大丈夫です、と言いつつ、岩手で会ったライダーの名前を出して、彼から聞いたんです、と言ってみた。

すると、準備に時間がかかるから、18:30くらいのチェックインなら、とのこと。

ぶらぶらしていればすぐだろうということで、いざ西興部へ。

この、興部から西興部へ向かう道がかなり楽しめた。

牧場と山々が延々と広がる風景。
海沿いの道に慣れた目には新鮮で、これだけで前に進んでよかったと思える。

常に、新しい出会いは前にある。

で、20分ほどで西興部のゲストハウス、「GA.KOPPER」さんへ到着。

廃校をリノベーションしたという、かなり大規模なゲストハウスだ。

とりあえず、準備が整うまでチェアリングでビールを一杯。

で、整ったよ、のサインが!

こういうの、嬉しいよね。
細かい気遣い、大事。

ワイルドな感じの、北海道の男、って感じのオーナーさんに中を案内いただく。

こちらはバー。
木のぬくもりを感じる、落ち着いた雰囲気。

学校で使われていたと思われる時計をテーブルにしているのが、めっちゃいいアイディア。

廊下も木がふんだんに使われていて、歴史のある学校だったことを感じさせる。

で、泊まる部屋がこちら。

なんでも、イベントがあったのでこの日の宿泊はお断りしていたそうなのだが、あのライダーさんからの紹介なら、ぜひ泊まってもらいたいということで、急遽用意してくれたそうだ。

大事なのは、やはり人のご縁。

で、先ほどのバーで、オーナーさんと色々な話をする。

つまみは西興部産のチーズ。

これが、絶妙なクセがあって酒が進む進む。
行者ニンニクと山菜も花を添える。

で、聞いたらオーナーさんは町のキャラクター、「コッパー」さんとしても活動しているそうで、新潟にも何度も来ているとのこと。

さらに、新潟のご当地アイドル、「RYUTist」さんとも親交があり、ここ西興部にも何度も来ているそうで、共通の知り合いもけっこういた。

うーむ、北海道の小さな村で、こんな出会いがあるとは...。

話す内容は、やはり地域活性化。

ここ、西興部は人口1,100人とかなり小さいながらも、酪農などで栄え、まだ村として独立を保っている。

お金持ちの方も多いそうだが、ご多分に漏れず少子高齢化率はかなり高いようだ。

しかし、役場の職員も含め、村の人には危機感がないそうで、将来を見据えた仕掛けを打てるプレイヤーが本当に足りていないそうだ。

新潟も、同じような話をよく聞く。

危機感がないというのは、豊かさの裏返しだと思うのだが、その豊かさがいつまで持続するか、リアルに考えるのは極めて難しい。

また、自らの地域の魅力は、やはり外の人との交流によってしか気づくことができない、という話も出た。

新潟は、西興部は、どこかで、大きく舵を切ることができるだろうか。

切ることができるのは誰なのだろうか。

ひとまず、小さくとも、1人のプレイヤーであることは、いつまでも続けていきたいと改めて思った。

#今日の走行距離 227km
#総走行距離 7,977km

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