シン映画日記『ガール・ピクチャー』
シネマカリテにてフィンランド映画『ガール・ピクチャー』を見てきた。
フィンランドの女子高生3人の三者三様を見せる青春映画だけど、
女子フィギュアスケートのアスリートの悩み、百合恋愛、セックス旺盛な女子の微妙なタイミングの悪さ、家族の不破などあらゆる形でフィンランドの新しいガーリームービーを見せた。
トリプルアクセルが上手く行かずにスランプに陥るエマは友人の誕生日パーティーにスムージースタンドでバイトをするミンミとロッコを誘うことに。ミンミとロンコは気が進まないままパーティーに参加し、ロンコはパーティーでスムージースタンドの客で気になっていた男と付き合い、ミンミは部屋で一緒になったエマと付き合うように。
ハイティーンのパーティーやクラブでのボーイミーツガール恋愛。
序盤のミンミとロンコの仲良し二人組にフィギュアスケートのアスリートのエマがくっつく青春群像はフィンランドの『アメリカン・グラフィティ』、いや『フィンランド・グラフィティ』。
ミンミとロンコの二人がてっきり『ブックスマート』の二人組のようなイケてない二人組かと思いきや、ちょっと違った。
基本的にやる気なしで、気に食わないことがあると粗暴にもなるミンミと
野郎顔負けの下品なエロさに興味本位ながら性欲旺盛だけど、神がかり的にタイミングが悪いロンコ。
というか、下手な男子も思わずドン引きするロンコのエロトークと超大胆なセックスアピールと積極的な仕掛けは、
これまでのボーイミーツガールの青春恋愛映画の型を破っていて、見ていて爽快。
これに化学反応というか呼応する形で展開するミンミとエマの百合恋愛も大胆かつ積極的。
これまでのプラトニックな高校生アオハル恋愛ものからすれば斬新だが、
そのベースに再婚した母親との不破や
これまで人生を捧げてきたフィギュアスケートでのつまづきなど、恋愛以外の要素で心理的ダメージを負った所からの攻めの大胆肉食恋愛ときている。
それぞれ腹いせにやる行為がバイオレンス(女の子なりの)だったりセックスだったりするので見ていて面白く、
終盤の着地点も悪くなく、スッキリする。
フィンランドのアカデミー賞フィンランド代表になるのも納得な新しいガーリームービー、青春群像劇は世界に響く。
そこそこ期待をしていたが
予想を遥かに超えるガーリームービーの傑作だった。
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