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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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#祈り

孤独ではない

孤独ではない

前回の100分de名著「古今和歌集」での、当該の和歌について、もう少し考えてみようかと思う。
 
月見ればちぢに物こそかなしけれわが身ひとつの秋にはあらねど (大江千里)
 
秋は私にだけやってくるわけではないけれど、自分だけに秋が来たような気がする。「物こそかなしけれ」の強調は、そこをこそ詠嘆の要とすべきところであるはずだ。それは正道である。
 
だが、司会者がこれを、自分だけではない、という方

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響け!ユーフォニアム

響け!ユーフォニアム

インターネットが使える時代というのは、なんともありがたいものである。かつてテレビ放送を見逃したら、もう二度と見られないというのが当たり前だった時代があった。それが録画できるようになり、たいへん便利になったが、録画しそこなうと、もう終わりであった。その後、見たい映画やアニメが、レンタルビデオで見られるようになったことは画期的だった。しかしいまや、インターネットが当たり前になった。外に借りに行ったり返

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遠い地震の報道に

遠い地震の報道に

トルコとシリアを中心とした大地震の被害は、空前の規模に上りつつある。各国から派遣された救助隊の努力が、誰かの救いになることを願うばかりである。
 
少数の例ではあるのだろうが、限界の時間を超えて救出された人の話も伝わってきていた。小さな子どもやその親が生き延びていたという知らせは、私たちが希望をもつべきであることを、改めて教えてくれる。
 
有り体かもしれないが、いわゆる「サマリア人の譬」が心に届

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沖縄

沖縄

差別は、自分はしていない、と言える者はいないだろう。「つもり」ならまだ分からないでもないが、きっぱり言い切ると、その人はもはや信頼の置けない人間だということを天下に示すことになるだろう。
 
私も、絶対にそんなことはしていない、などと言うつもりはない。ただ、こと沖縄については、そのようなことは決して言わないだろう、と思えることがある。実際に聞いた言葉である。
 
「沖縄には、米軍施設の7割が押しつ

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挨拶

挨拶

(6月から、聖書協会共同訳を標準にします)
 
   ささやかな平和
 
 マンション生活の特徴の一つに、やたらご近所さんと顔を合わせるというのがある。
 たしかに深い交わりは少ないかもしれないが、いつも見る顔と頻繁に会い、あげくは狭いエレベーターで二人きりになるということもしばしばである。
「こんにちは」「しつれいします」
 その場だけのつきあいではあるが、あいさつは欠かせない。子どもの中には、

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正義と芸術

正義と芸術

ロシア軍によるウクライナへの侵攻は深刻だ。傍らから眺めるようで申し訳ないが、ここからは祈るしかない。
 
だが、それに関して、「私たち」にとり、意識すべきことがある。それは、ひとつの意見や考えだけが正義のように見えてくるという危険である。緊迫した事態は、白か黒かの選択を自らしがちであり、また、他人にもそれを強いることになる。反対意見を言えない情況をつくりだす可能性が高い。いわゆる同調圧力と呼ぶべき

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祈ります

祈ります

大阪での新規感染者の増加が著しかったが、その数字が各地方へ飛んでいる模様です(大阪に住む方々が安心できるようになることを願っています、いえ、どこででも)。人の動きがある限り、新型コロナウイルスの感染拡大は、簡単にはなくならないように見えます。
 
大阪では、亡くなる方が多いことで心が痛みます。苦しかったことでしょう。また、その家族な身内の方々の苦悩と悲しみも、想像を絶するものがありましょう。高齢の

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