記事一覧
「場所の記憶」エマニュエル・トッド:江戸時代の村の記憶
エマニュエル・トッドの「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」で場所の記憶という興味深い概念を述べている。
家族システムの相違によって、各国の特徴を説明するエマニュエル・トッドであるが、実は直系家族はもはや、ドイツであれ日本であれ、現代の居住地のほとんどの部分を構成する都市空間には存在しない。
また、モスクワも、北京も、一人の父親と既婚の息子たちが同居して一世帯を営んでいる例は多くない。
とこ
日本人と江戸の村掟:現代に続く深層心理
江戸時代の村は、高度な自治と民主的傾向を持つという。
それが本当なら、江戸幕府を中心とする封建的な世界で独特な存在である。
そもそも村の起源はどこにあるのだろうか。
ここで重要なことは、年貢の徴収・納入を村で請け負う(村請)であろう。
ここから年貢の連帯責任制が出てくるが、これによって多様な側面で助け合う契機ともなり、結束が強まり、共同体としての村が生まれてくる。
さらに民主的傾向があるとはど
ブロックチェーン(1):ケニアの農業保険
ブロックチェーン。
暗号資産(仮想通貨)の取引に使うイメージが強いが、いま経済活動の新たなインフラとして急速に進化しているという。
その先進地がアフリカだという。
つぎの日経新聞(2024年3月7日)の記事だ。
なぜアフリカの農家が損害保険に入れるのか。
ブロックチェーンが信頼をつくり出すからだ、という。
もう一度、いちから勉強だ。
それが信頼にどう結びつくのか。
分散型信頼ネットワークをつく
『民主主義の人類史』:なぜ中国は西洋と異なる道を進んだのか
『民主主義の人類史』デイヴィット・スタサヴェージ著。
民主主義はどこから始まり、どのように維持されて、将来どうなるか-アメリカのデモクラシーの成功などをみながら、
これからどこに向かうのか理解するためデモクラシーの世界のディープ・ヒストリーに目を向けるとして、この本は執筆されている。
この本で興味を引かれたのは、中国の歴史だ。
なぜ、西洋の民主主義と違った歴史を歩んできたのかだ。
それは官僚機構
春秋左氏伝:開戦に先立つもの
「礼とは何か」(桃崎有一郎)の作者が、礼について研究するきっかけになった本が「春秋左氏伝」であったと知り読んでみた。
礼の知識の宝庫であるという。
「春秋」とは、中国の晩周時代の魯国の年代記である。
孔子の手を経って成ったものとされている。
左氏伝はあまりにも簡潔に書かれている「春秋」の注釈書である。
ときは下剋上の世であり、魯国の年代記であるが、
10か国が登場し、そこには覇を競った様が記され