「礼とは何か」(桃崎有一郎)の作者が、礼について研究するきっかけになった本が「春秋左氏伝」であったと知り読んでみた。
礼の知識の宝庫であるという。
「春秋」とは、中国の晩周時代の魯国の年代記である。
孔子の手を経って成ったものとされている。
左氏伝はあまりにも簡潔に書かれている「春秋」の注釈書である。
ときは下剋上の世であり、魯国の年代記であるが、
10か国が登場し、そこには覇を競った様が記されている。
その一節で、気になった箇所を拾い上げると次の通り。
総理大臣の支持率が20%台まで下がっている。
リーダーが支持を得るかどうかは古今を問わない。
礼はいざしらず、信を得るのは政策の連呼ではない。
信の手本を示さねばならないのに、
政治家がその資格を問われている昨今である。
左伝は、忘れそうな人間としての基本を教えてくれる気がした。