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うつわマガジン2016 下半期

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#陶芸

最後に笑う者が最もよく笑う(毎日在廊週間)

最後に笑う者が最もよく笑う(毎日在廊週間)

とうとう明日は搬入。
われものを搬出入する仕事は、疲労絶頂のところで「これでもか!」と最後のメンタル勝負を問われる感じだろうか。ここで手を抜いたり乱雑な気持ちになると、ここまで来た作品が破壊される。いろいろな意味で。

さあ、今夜もかかってこい!
友だちになって最後に一緒に笑おうじゃないか!

写真は「陶箱の器」。
野菜たっぷりの生春巻きを箱に詰めれば花畑に。食べ進めれば誰かに会える。このコ、ネコ

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ミニミニ土鍋クッキング

ミニミニ土鍋クッキング

定番の小さな土鍋。

つくりはじめて6年くらいになるだろうか。子どものころ、目から星が出たのではないかと思うほど憧れたママレンジへの想望から生まれた作品。友だちの家で焼かせてもらったミニミニホットケーキ。あのサイズ感が忘れられなかった。

作品とは、そんな想いから生まれている。

「なにに使うの?」とお客様に聞かれて、あれやこれやと使い方のご説明をたくさんしてきた。まずは我が家の使い方を説明するけ

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昭和ロマンの香り残る銀座にいかがですか

昭和ロマンの香り残る銀座にいかがですか

本日は個展のおしらせ。詳細は文末に紹介させていただくので機会が合えばぜひぜひ!!会期が迫るまで、ときどき制作秘話や、使い方のヒントなどを紹介していこうとも考えているけれど、気分と体力しだい。あしからず。

イタリアより帰国して1ヶ月。可能な限り、外界をシャットアウトして猛烈に制作に励んでいる。どうしたって現在進行する仕事の関係、青春の学校保護者会や担当の仕事やら(最も貴重な今週末も)、人間を健やか

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「薬味」という小さな知恵

「薬味」という小さな知恵

美しく注目される料理ばかり乗せる器に留まりたくないんだ。コッチョリーノの器は脇役をひきたてる縁の下の力持ちでもありたいと常にぼやきます。

ところで板の器に乗せた「薬味」。食欲増進、素材のニオイを抑制、殺菌作用、彩りなど大活躍である「薬味」は「お」をつけたいくらい好物で尊敬しています。

薬味の知恵料理をおいしくいただく工夫として「薬味」を添えるという知恵があります。もちろん諸外国にもスパイスやハ

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朝のかおり

朝のかおり

今朝はブリオッシュとナッツのあまく芳ばしい香り。このお皿のままオーブンでほんのり温め直すことができます。

器はなにを運びますか?
残り香というすてきなオプションがつきます。
器はそれをとてもうれしく思っています。

おなかがいっぱいになった後も、どうぞああごちそうさまと洗う前においしかったですと残り香をくんくんしてみるのも好きです。

先週は初来日のイタリア友人が4人。仕事は夜にまわし、

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黄桃とモッツァレッラ!

黄桃とモッツァレッラ!

来客があり、飲もう!ということになったので、さて何をつくろうか。暑いし、作り手がちょっとバテ気味だったので、今夜はおなかにやさしい夏野菜づくしのおつまみにしようと相成りました。

コッチョリーノの女将(アトリエのなかのひと!)はレシピを見るのが、覚えるのが不得意なので、飲みながら感覚でチャッチャとつくるだけ。そして「キミだ!」と突然ぼくら器たちが指名されカウンターに並べられるわけです。そして、あい

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職人道具と職人おやつのシンクロニシティ

職人道具と職人おやつのシンクロニシティ

アトリエのなかのひとは、迫る納期に焦っていて『心ここに非ず』だったりするわけです。

カラー試作皿(新色と技法の組み合わせをいろいろ試す)が窯から出たのでさっそく使ってみよう!とおやつのバームクーヘンを黒い皿に乗せてみました。

泥、土埃、絵具で全身ドロドロなので、おやつやお昼を食べるにも、滝汗ながれる工房でパクッと食べることが多く食べやすいものがいい。きょうのおやつは既にカッティングされたバ

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パッションフルーツって!

パッションフルーツって!

…時計草の果実!

徳之島のパッションフルーツを出身者の友人にいただきました。一見アボカドチックで爆弾のような黒いそれは、姿に似つかず甘い南国の香りを部屋中に漂わせている。皮がしわくちゃになったら中身がトロトロに完熟した証。暑い職人の夏、南国の甘酸っぱさを冷たーいヨーグルトに入れて乗り越えています。

「パッション」=「情熱」をイメージするや、ノンノン、件の果実のいわれは、花姿から「受難」と着想さ

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