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書く陶芸家コッチョリーノ(地球のかけら)。90年代「イタリア陶芸修行」1999年「陶芸工房Cocciorino設立」2013年「ライター職をすて陶芸一本化」2013年より「旅する土鍋」スタート。以後、日伊を往復して土鍋で郷土料理の紹介など。WEB: tamamiazuma.com

マガジン

  • まいにち土鍋

    「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。

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    日々のうつわ使いを紹介します。

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おむすびと涙 #まいにち土鍋

さて、7日の荷下ろしを終えた我らは、洗濯機をジロジロ見ながら(しつこい)、とりあえず急ぎの荷物を探したり洋服を引っ掛けたり、カーテンのサイズ測ったり、ガスや水道の対応したり。引越し荷物の受け入れが完了しても動きは止められず、結局、夜の高速道路を走り東京の空っぽの家に戻る。日付け変わって深夜到着。 その日は、粗大ゴミを20個出す。深夜に工房から全室のブラインドを外す。眠ったのは明るくなったころ 8日朝、体力的に相当辛かった。 立ち上がれるかなあ?と一瞬危機を感じたけど、屈伸

    • ココットでビールを 大きなカタツムリ住居兼工房の移動 #まいにち土鍋

      もういつの話をしているのか、どの写真がいつの日に食べたものなのかわからなくなってきた。 6日の運び出しを終え、我らも荷物を追いかけて深夜の高速道路を移動した。寝不足、痛む体、ほんと良くないことわかっているけど荷物より先に着いてなくては始まらない。いまごろ我らの10トントラックも高速を走っているのだろうなと、ハイスピードで抜かして行く大型トラックを横目に。 現地到着。寝袋を用意して、泥の体は溶けてゆく。ココットコッチョリーノに注いだビールがおいしい。 📦  📦  📦 7

      • ひっこし炒飯 溶けてゆく食材とからだ #まいにち土鍋

        晴れ。日差しは熱いが、心地よい風が全開放窓から突き抜ける気持ちのよい日だった。工房兼住宅の荷物の積み込みは5時間に及んだ。うつわは地味に自分たちで運び出したし、庭のテラコッタもバンに積み込んだのに、なのに。ろくろとか、配電盤とか、工房棚とか、とにかく無骨なものだらけ。 その5時間、プロの荷物運び人たちは集中力を欠かすことなく優秀で。まるでお芝居か、はたまた曲芸でも見ているようで感動すら覚えた。柔和な挨拶を欠かさない反面、うぉー!と雄叫びを上げて運ぶ。こんなに熱く全身を仕事に

        • 餃子と鼻歌 #まいにち土鍋

          時刻が変わってきょうはトラックが来る。3人家族という換算でなく土間工房つき。家庭用電源だけでなく工場用200V電源も延き込んでいたというイレギュラーな引越し。 子が夕食時に訪ねてきた。 まだまだやることはあるけれど、土鍋で米を炊いた。家人が芸術的に焼く餃子と、本場のフカヒレスープを温めて、そこに卵を流した。食材は限られている。ひよこ豆にオリーブオイルとリンゴ酢で味をつけてレタスとサラダにした。 「引越し先にたまには顔出してよね」と声をかけても、返事はなく大きな音で音楽をか

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          さよならの庭の味 #まいにち土鍋

          引っ越しは6日。 こんなに体力消耗した日々はない。仕事ともまた違う。感傷的な想いは排除することを決めているので、わりと勇ましく動いている。きょうは顔じゅうに泥がついていて、コントでおばあさん役をする志村けんみたいになっていた。 母の誕生日。施設にいる母を祝いたくて、最初はずらしていたが、運送会社のスケジュールで母の誕生日にぴったり重なった。母はたちまち変わってゆく。もう何年経ったのだろうと思うくらいのスピードで。左顔面麻痺になってしまい、どう歩いたらよいのかもわからなくなっ

          さよならの庭の味 #まいにち土鍋

          くずれたカボチャ #まいにち土鍋

          広かった。多かった。 工房も住処も兼ねた家にはつくりつけの収納スペースが多かった。工房という空間には、イレギュラーであるほど特殊な物が多かった。なにより大変なのはゴミ捨てだ。もう燃えないもの、すぐダメになるものは欲しくない。 わたしたちは、いまくずれたカボチャのようにボロボロになって、引っ越し最後の追い込みをかけている。本当にこの家を去ることが実感できない。夜は、必死に仕事残りを片付ける。明日、この家を去るのは夢だった!と言うのではないかと家族と心のなかの会話をしている。

          くずれたカボチャ #まいにち土鍋

          セルフサンドイッチ #まいにち土鍋

          家を離れた我が子がお昼に立ち寄るというので、なにも食材がないけれど、なにか一緒に食べたいなあと思って。相変わらず、もうれつな片付けでぼろぼろだけれど、タマゴはあるぞ、タマゴなら割れるぞ。 水からタマゴを入れて13-15分くらい茹でる。 火を消したら湯をこぼし卵をゆらして鍋に当てて少し殻をわる。冷水を流してタマゴを冷やす。(殻の内側の薄皮が剥きやすい) 黄身と白身にわける。白身をみじんぎり、黄身はボウルの中でほぐす。ここからがコッチョリーノのオリジナル。ヨーグルトを入れて、

          セルフサンドイッチ #まいにち土鍋

          そうそう窯の解体日にお赤飯を炊いた #まいにち土鍋

          過日、窯を解体した日の朝、お赤飯を炊いた。もち米とうるち米を半々にして。炊き上がったら、たくさんのおむすびをにぎって振る舞った。 もちろんあれからまいにち炊飯は土鍋+IH炭かまど®︎を使用している。お米の種類によって、水加減や火加減は変わるけれど、いまのところ我が家が落ち着いているのは以下の通り。お赤飯のときも同じ水加減、同じ分数で炊いてみた。ちょっとべちょっとしたかな?くらいで許容範囲。 ※炊飯前、米研ぎして浸水30〜60分。 ※一度水を捨てて新たに以下の分量で炊飯開始

          そうそう窯の解体日にお赤飯を炊いた #まいにち土鍋

          エビのトマト煮込みと庭のパセリ きっといいことあるなと思うから料理する #まいにち土鍋

          冷凍庫のさよなら 窯のさよならにつづき、庭のさよならも、ただならぬ悲壮感があるのだが、昨日も書いたが「感傷的になるまい」と心に誓ったからこそ、どう心をもちあげていこうかまいにち考えている。 そうそう、冷凍庫のさよならも、けっこうグッとくる。こちらは消費期限にも関わってくるので、スパッとそこで断ち切るのが常識だ。このエビは、わたしの独立を強く支えてくれた上司であり人生の先輩が毎年贈ってくれた海鮮物。彼女は去夏「さよなら」も言えないまま旅立ったが、そのあとも贈り物はそのご家族

          エビのトマト煮込みと庭のパセリ きっといいことあるなと思うから料理する #まいにち土鍋

          窯のさよなら。 #まいにち土鍋

          その姿は残すなよな 窯の記録最初のページ。 台風で一日延期され、まさしく私の誕生日に窯は設置された。 コッチョリーノ移転にむけて、今を「さよなら」しないといけないことがたくさんある。これを決めた1年くらい前から、感傷的になることは捨ててゆくよう心に誓ったはずだったが、きょうはさすがに、ギュッと手を結んだ。解体中の写真は撮れなかった。「切り刻まれたその姿は残すなよな」と、窯の声が聞こえたのだ。 作業は8:30から始まった。硬い鎧をはがす前に、どうやら内側のレンガを、地響き

          窯のさよなら。 #まいにち土鍋

          豚肉ズッキーニ土鍋丼 #まいにち土鍋

          あぶないあぶない。 体力のエンプティランプが点灯している。 そんなときは、お肉を食す。 野菜中心な我が家だが、ちょっと力つけるよ!な時は鶏肉、よーしターボかけるよ!という時は豚肉をもりもり食べる。 素揚げしたズッキーニと生姜とニンニクで焼いた豚肉を、ごはんが見えなくなるまでたっぷり乗せる。みんなでつつく土鍋コッチョリーノ丼どうぞ。 8月29日(月) 盛る「土鍋コッチョリーノ3合炊き浅タイプ)

          豚肉ズッキーニ土鍋丼 #まいにち土鍋

          土鍋ラーメンチャーシューはいらない サボテンとの別れに想う #まいにち土鍋

          中華三昧 北京風香塩をつくる。 土鍋に専用の汁を入れ、麺が茹で上がるのを待つ間に、トッピングになる食材を探る。タマネギ細めのくし切り、ニンジンは短冊切りにして炒める。コーンも炒めて隠し味に醤油を垂らす。あくまでも香塩の風味を消さないように。 「チャーシューもナルトもいらない」(矢野明子風に)って言ってたわよねって思ったけれど、「ネギは山盛りいれてね」ということで、冷蔵庫からネギを取り出してザクザク刻んだ。 土鍋でラーメンすると冷めにくい。 仕事関係の片付けと梱包が8割く

          土鍋ラーメンチャーシューはいらない サボテンとの別れに想う #まいにち土鍋

          モロヘイヤとオクラのキムチ和え #まいにち土鍋

          #まいにち土鍋は、前の日のことを書いて投稿しているのだが、さすがにオーバーキャパシティでやることなすことシワシワである。 そうであっても、食べる。とにかく食べる。 モロヘイヤは茎から葉を取る。オクラは板ずりして、ヘタの硬い部分を鉛筆を削るようにとる。そのあいだに鍋に湯を沸かし、沸騰したらオクラを入れ、2分後にモロヘイヤを入れて1分したら、ざるにあける。オクラは輪切り、モロヘイヤはギュッと絞って細かく切る。どちらも包丁を入れるとさらに粘り気が出て元気になる。だから、人間もこ

          モロヘイヤとオクラのキムチ和え #まいにち土鍋

          冷凍スープはミニミニ土鍋にぴったりサイズ #まいにち土鍋

          家の階段を昇降し、重い荷物をうんしょと運び、おまけにきょうは「さようならの庭の木」のひとつである思い出深い桑の木の根っこを掘り出した。(漢方薬のために本来は冬に掘るのだが間に合わないので夏の根っこで試してみる) どのくらい「てんてこの舞」が上手になったかというと、記憶なく瞬間的に床に仰向けで眠ってしまうほど。 荷造りでも断捨離でもない。 生活いっさいがっさいの革命を起こしている感じなのだ。 何リットルの汗をかいたろう。 陶芸仕事をするなかで、いつものことだったから人より

          冷凍スープはミニミニ土鍋にぴったりサイズ #まいにち土鍋

          東京生まれの土鍋コッチョリーノ最後のご納品 #まいにち土鍋

          2019年12月、土鍋コッチョリーノワークショップを行った。小さな土鍋から「旅する土鍋」の特大サイズまでを使って蒸し料理をつくりながら、土鍋の魅力について語り合い、土鍋の疑問や料理の仕方の意見交換をするという会だった。 それは世の中を大嵐にまきこんだ直前のことだった。 当時、嵐のことなんか私たち何も知らないなか、マサチューセッツから一時帰国された佐藤政人氏も参加してくださった。わわわわ、遠くからありがとうございます!と、鳥肌が立つほど感激したことを覚えている。参加者のなか

          東京生まれの土鍋コッチョリーノ最後のご納品 #まいにち土鍋

          まぐろテールの生姜焼き テールに生きる #まいにち土鍋

          どんどん冷凍庫のものを食べていく週間。 あまりに美味しいので、横須賀の魚市場で買ったマグロのテール(輪切り)を冷凍したまま食べずにいた。 いいマグロかな?としっぽの輪切りをみて、市場の人は判断する。 1日かけて解凍して、キッチンペーパーで水を吸う。ニンニクとショウガをおろして、醤油と酒に混ぜて、輪切りを1時間ほど漬け込む。フライパンでやき、胡椒をふる。 髄にはゼラチン状のお宝がぷるんと。 食べ終わったあと、疲労困憊なカラダにエネルギーが湧き上がった。 マグロのテールの

          まぐろテールの生姜焼き テールに生きる #まいにち土鍋