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フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(創元推理文庫)
11の短篇が収録されているが、いわゆる「ミステリ=謎」を扱っておらず個人的には「犯罪小説集」と感じた。謎解き要素があるのは「サマータイム」くらいだろうか。作者は「なぜ夫は妻を、姉は弟を殺さなければならなかったのか」という経緯にこそ注目している。
シーラッハはドイツの作家で実際に弁護士であり、報告書のような淡々とした文章がむしろ陰惨さを際立たせる。リアリティに富んでいるため当然のように残酷描写や
村枝賢一『RED』(講談社)
個人的「Netflixで完全映像化してほしい日本マンガ」圧倒的1位!
性別は男性、女性、中性、年齢は子供、大人、老人、人種は白人、黒人、チャイニーズ、ジャパニーズ、他、こんな人間たちが活躍をする群像劇なんて、実に今のネトフリっぽい!そして全篇を貫く爽快なガンアクション!北米を舞台にした日本マンガの最高峰なので、これをアメリカで映像しないなんて勿体ない!絶対に忠実に実写化してほしいものだ。ヘイトソ
細野不二彦『ギャラリーフェイク』38巻
細野不二彦『ギャラリーフェイク』38巻読了。いやまさか2024年になってもギャラリーフェイクの新刊が読めるとはありがたい!しかも題材が「コロナ」「セクハラ」「自動車事故」「ネトゲ」「老人介護」「ヤングケアラー」ってバリバリに令和なんですけど!細野先生、尖りすぎてます!しかし連載開始が1992年って…フジタ、いま何歳なんだ?アートコミックの『ゴルゴ13』みたいになってきたな…
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『超短編!どんでん返しSpecial』
小学館文庫編集部 編『超短編!どんでん返しSpecial』(小学館文庫)読了。ミステリ、ホラー、SF、時代小説など、ジャンルの垣根を超えた現代作家さんたちが執筆されており、文字数制限とアクロバティックな決着なんていうダブル制限のなか皆さんそれぞれの技法で果敢にチャレンジしている!と感心した。自分的に「これはすごい」と唸ったのは澤村伊智さん「井村健吾の話」結城真一郎さん、「昼下がり、行きつけのカフェ
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