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フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(創元推理文庫)
11の短篇が収録されているが、いわゆる「ミステリ=謎」を扱っておらず個人的には「犯罪小説集」と感じた。謎解き要素があるのは「サマータイム」くらいだろうか。作者は「なぜ夫は妻を、姉は弟を殺さなければならなかったのか」という経緯にこそ注目している。
シーラッハはドイツの作家で実際に弁護士であり、報告書のような淡々とした文章がむしろ陰惨さを際立たせる。リアリティに富んでいるため当然のように残酷描写や
『超短編!どんでん返しSpecial』
小学館文庫編集部 編『超短編!どんでん返しSpecial』(小学館文庫)読了。ミステリ、ホラー、SF、時代小説など、ジャンルの垣根を超えた現代作家さんたちが執筆されており、文字数制限とアクロバティックな決着なんていうダブル制限のなか皆さんそれぞれの技法で果敢にチャレンジしている!と感心した。自分的に「これはすごい」と唸ったのは澤村伊智さん「井村健吾の話」結城真一郎さん、「昼下がり、行きつけのカフェ
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