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初心者向け 症例別知識

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働く人の悩み多きふくらはぎは放っておけない

ふくらはぎの悩みは患者さんから多く相談されるもののひとつですが、意外と明確に答えにくいところがあります。

骨や関節の話で済まない生理的なしくみの理解が必要になるところでもあるからです。

普段、動かない生活をしている現代人にとってはふくらはぎの悩みってなかなか解消しにくいものだと思います。

その理由から対処法を考えてみようと思います。

ふくらはぎの悩み

ふくらはぎの悩みは割と多くて
*むく

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痛みと姿勢の関係性

痛みと姿勢の関係性

多くのセラピストが痛みの改善のために姿勢指導を行っていると思います。
しかし、ただ姿勢を良くする事が痛みの改善に繋がっているわけではありません。

患者さんは痛みの原因を知りたがります。そして、それを姿勢の悪さという日常習慣に帰結している方が殆どです。

痛みの改善を目的にすると
①姿勢の分類
②痛みの発生リスク
③機能評価
④改善指導
という流れが必要になります。

そして、そこには改善に向かう

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頚部側屈および回旋の簡易評価

頚部側屈および回旋の簡易評価

頚部の側屈および回旋における症状に対して簡易的に評価し、可能性を疑い、対処すべき選択肢を導きます。

その上で必要な知識、考えを解説したいと思います。

まず、側屈および回旋の運動はセットで考えていきます。

なぜなら脊柱は側屈に対しては回旋が同時に起こる構造があり、これをカップリングモーションと言います。

この構造的特徴も踏まえて側屈および回旋の運動には3つの特徴を理解する必要があります。

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頚部伸展の代償動作 簡易評価

頚部伸展の代償動作 簡易評価

今回は頚部伸展時の代償動作について解説したいと思います。

上位交差症候群

まず、頚部の機能低下で代表的な上位交差症候群というものがあります。

不良姿勢による筋の不均衡が起こす機能障害のひとつです。

このような猫背姿勢が持続的になることで筋機能の亢進・抑制が起こります。

上位交差症候群はチェコのJandaにより提唱されました。(1988)

姿勢により持続的な緊張により短縮するグループと伸

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頚部痛に関する胸鎖乳突筋の代償動作の評価

頚部痛に関する胸鎖乳突筋の代償動作の評価

頚部痛の介入において胸鎖乳突筋は簡易的な目安になると考えられます。

その理由は深層屈筋の代償として屈伸運動に関わると考えられるからです。

頚部痛患者の中でも屈伸時の痛みは頚部深層筋の促通不良や頭板状筋の伸張性収縮不良が影響するとも言われています。

これにより屈筋群の筋力低下を招き、下向き姿勢や前頭姿勢で頭部の支持が安定しないために痛みを助長しやすくなります。

胸鎖乳突筋は胸骨ー鎖骨と側頭部

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慢性腰痛の構造的説明モデルから本質的モデルに変える問診

慢性腰痛の構造的モデルは様々な弊害がありますが、今なお整体院、接骨院などで主流の説明になっています。

その理由としては教育コストやセラピストの判断が必要になるため、多店舗経営や無資格者をセラピストで雇って経営しようとすると統一化が図りにくいからだと思います。

だからといってこのまま構造的説明モデルを使い続けていくと、患者さんにとって有益な経営体質にはなっていきません。

そこで、構造的説明モデ

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足のアーチどこまで理解してますか?

足のアーチどこまで理解してますか?

こんにちは

今回は足について深堀したいと思います。

最近はインソールや機能性ソックス、スニーカーも高機能なものが沢山出ています。

その中で足のアーチについてフォーカスしている企業さんが多いなぁという印象です。

でも、足のアーチってどうだったらいいのか?

という基準には正直答えられていないなぁと思います。

高いとどうなのか?低いとどうなんだ?

いいとか悪いとかじゃなく、どう使うかなのか

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腰痛患者への歩行指導をどう行うか?

腰痛患者への歩行指導をどう行うか?

歩くことは健康に良い

そう信じられています。

腰痛は活動量が少ない人の方がなりやすい。

そんな話も耳にします。

歩くことは腰痛の改善にどの程度効果的なのか?

今回はこのところを掘り下げてみたいと思います。

腰痛の歩行エクササイズの効果早速ですが慢性腰痛にはこの運動が効果があるというものが明確ではありません。

そこで2019年 Jee Hyun Suhらが行ったランダム化比較試験があり

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変形性関節症って治療できますか?

変形性関節症って治療できますか?

こんにちは、丸山です。

筋緊張について

筋疲労について

書いてみたんですけど、整体屋やリラクゼーション店は筋肉の硬さを疲労の蓄積、血行不良、筋膜の癒着、体の歪みによって起こると説明していることが多いのですが、何をもって評価しているのか?その基準は主観的で曖昧なことが多いようですね。

うちの院でも、今では客観的な精査を心がけるようになりましたが、以前は同じように主観的な説明に終始していました

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肩コリの硬いやつって、実際何なん?

肩コリの硬いやつって、実際何なん?

こんにちは、丸山です。

整体など徒手療法をやっているとちょっとカッコつけて言いたくなる。

コリというより筋緊張って言った方が何だか出来る奴に見える気がするから。

医学のこととかあんまり分かっていないけど、それっぽい言葉を使って説明すると、それっぽく見えて説得力が増すような気がしてね。

触れてみて硬いところがあると「僧帽筋の緊張が~」

なんてよく使いがちです。

ただやっぱり言葉って、正し

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それって本当に首からくる頭痛ですか?

それって本当に首からくる頭痛ですか?

こんにちは

今日は意外と多いけど、あまり理解できていない

頭痛について書いてみたいと思います。

頭痛を患者さんが訴えても、首を揉むくらいしか理解できていない。

そういう人はこの記事を読んで一緒に理解を深めていきませんか?

僕は他にこんな記事を書いています。良かったら読んでもらえると嬉しいです。

整体なんかやってると、頭痛は「首の問題」なんて一言で言いますけど、いやいやいや、なかなか厄介

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肩関節前部の痛みを見分けよう!

肩関節前部の痛みを見分けよう!

こんにちは

今回は肩の痛みを細かく鑑別する上で前側部分に絞って考察してみようと思います。

こんな記事を書いているので良かったら併せて読んでみてください。

肩の痛みで患者が訴えるのは前側、肩峰付近、後側が主な場所です。

肩の関節構造は複雑なので徒手療法で介入するセラピストを見ているとほとんどが当てずっぽうになりやすい傾向があるようです。

エコーなどで観察できればまだいいのですが、そこまで揃

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仙腸関節痛を攻略せよ

仙腸関節痛を攻略せよ

こんにちは

今回はセラピストの多くが一度は悩んだことがある仙腸関節についてです。

仙腸関節の評価って難しいですよね?

動く!っていう人もいるし

動かない!っていう人もいます。

そもそも動くか、動かないかって痛みにどう影響するのか?というのも悩みどころです。

ということで、今回は仙腸関節痛について考えていこうと思います。

ちなみにこんな記事を書いていますので参考までに

仙腸関節の解剖

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身体の痛みに血圧なんて関係ない!そんな風に思っていませんか?

身体の痛みに血圧なんて関係ない!そんな風に思っていませんか?

腰痛や肩こりに代表される筋骨格痛

今や構造上の不都合や異常が痛みの原因という解釈は古きものになっています。

痛みは解剖学的な問題であることの方が少なく、もっと生理的な問題と解釈するべきだと思います。

整体や接骨院ではこのような痛みを生理的に捉えようとする試みをほとんどしてこなかったと思います。

"マッサージすると血流が良くなることで痛みが和らぐ"

そういう技術的な側面と結果をつなぎ合わせ

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