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クーリエジャポンの記事から考察

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2021年6月の記事一覧

リンダ・グラットン「いま企業内で“暗黙知”を得る場が消え去ろうとしている」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.89】

リンダ・グラットン「いま企業内で“暗黙知”を得る場が消え去ろうとしている」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.89】

長年にわたり、仕事や企業文化・規範を「観察して吸収」する若い人たちを支援する、さまざまな方法について、昨今は状況が様変わりしている。

たとえば数年前、ロンドンの著名弁護士のオフィスでは、角部屋で、街の景色が見渡せる大きなデスクが印象的な法律事務所だった。ただ、壁の一面に沿って小さめのデスクが3つ並び、それぞれに若い司法修習生が座っていた。

「彼らは観察しに来ているから」。観察することこそ、彼ら

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世界が驚く日本独自のランドセル文化「なんでそんなに高いんですか?」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.88】

世界が驚く日本独自のランドセル文化「なんでそんなに高いんですか?」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.88】

毎年4月になると日本では新しい学年が始まり、小学生はランドセルを背負って通学する。そんなランドセルだが、調べによると、6割の保護者は5~7万円でランドセルを購入しているようだ。

江戸時代末期、幕府がオランダから輸入したRanselがランドセルの始まりとされている。その後、次第に独特の形になり、通学用ランドセルとして全国に普及し、日本の小学生のトレードマークになった。

小学生のほとんどが使うラン

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シリコンバレーで再び「クリーンテックへの投資」が大ブームになっている【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.87】

シリコンバレーで再び「クリーンテックへの投資」が大ブームになっている【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.87】

マーティン・ロッシュアイゼンはかつて、グーグル創業者らが出資するスタートアップ企業の経営者だった。同社は化石燃料よりも安価に電力を生成できる太陽光発電を実現することで、世界にグリーン革命を起こそうとしていたのだ。

そんな彼がシリコンバレーの投資家に富をもたらす次の革命として注目したのが、グリーンエネルギーだった。

太陽光発電はやがて世界で最も安価な電力源となった。だがその立役者はシリコンバレー

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「東京五輪がそれでも開催される理由」を米紙が“数字”を使って徹底解説【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.86】

「東京五輪がそれでも開催される理由」を米紙が“数字”を使って徹底解説【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.86】

ここ1年と数ヵ月間、東京五輪をめぐって議論がなされる際には、ある種類の数字が目立っていた──増加する新型コロナウイルスの感染者数、増加するリスク要因、不充分なワクチン接種率。

こうした懸念にもかかわらず、五輪はこの夏、ほぼ確実に開催される。その最新の証拠は6月21日、日本国内の在住者は、観客数が制限された会場で観戦できると発表されたことだ。

五輪の開会式まで1ヵ月。五輪はなぜ、このような状況下

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人生の局面で決断を下すとき、あなたの心理はどう動く?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.84】

人生の局面で決断を下すとき、あなたの心理はどう動く?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.84】

決断を下すというのは、さまざまな選択肢からどのような行動を取るべきかを考えるために戦略を練ることです。

つまり、「選ぶ」だけでなく常にそこには「実行」「行動」が付随してきます。これは簡単なことではありません。なぜなら、決断を下すことにおける重要な要素の一つに「不確実性」があるからです。

そして不安は焦燥感をもたらしたり、決断を下すことを妨げる障壁になったりします。また逆に、深く考えずに行動して

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なぜ多くの人が「ジェフ・ベゾスに『モナ・リザ』を買って、食べて」欲しいのか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.82】

なぜ多くの人が「ジェフ・ベゾスに『モナ・リザ』を買って、食べて」欲しいのか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.82】

米大手ECサイト、アマゾン・ドットコムのCEOで、世界長者番付の1位として知られるジェフ・ベゾスに、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた世界的絵画『モナ・リザ』を買って、食べて欲しいという嘆願書に署名が集まっている。

オンライン署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ」のキャンペーンには、これまでに1万人以上が署名しており、立ち上げたミズーリ州在住のケイン・パウエルは「これまでモナ・リザを食べた人はいな

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読書のスピードを上げつつ、理解度を深める方法【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.81】

読書のスピードを上げつつ、理解度を深める方法【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.81】

読書のスピードを上げつつ、理解を深めるにはどのようにすればいいだろうか?

情報社会に生きている私たちにとって、知識は力だけでなく、利益をもたらしてくれる。金銭的な側面だけでない。より早く学べば、より多く稼ぐことができるのは当然だが、私が言いたいのはあなたの人生の別の側面だ。

人間関係から健康、キャリアにいたるまで、あなたにとって大事なものすべてに関して、読書量を増やすことで、大きなインパクトを

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日本の“駄菓子”にフランスから注文が殺到─コロナ禍で始めたビジネスが大成功したワケ【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.80】

日本の“駄菓子”にフランスから注文が殺到─コロナ禍で始めたビジネスが大成功したワケ【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.80】

日本の駄菓子やスナック菓子を売る「東京スナックボックス」というサービスが、フランスで予想外の成功を収めている。サービスを立ち上げたのは、在日5年目のフランス人バティスト・ドゥラノワ(24)。東京の大学に留学するために来日し、現在はフルタイムの仕事をしながら、副業として駄菓子販売ビジネスをおこなっている。

サービスを始めたきっかけは、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大だった。5月に予定してい

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結婚観も独特! インド映画が頑なに守る恋愛ドラマのとある法則【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.78】

結婚観も独特! インド映画が頑なに守る恋愛ドラマのとある法則【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.78】

インド映画はしばしば、「あらゆる娯楽要素が詰め込まれている」と評されるが、その数ある娯楽要素のなかでも絶対に欠かせないのがロマンスである。どんな映画にも少なくとも1人はヒロインが起用され、ヒロインが起用される以上、ヒーローと恋に落ちるのは自然の成り行きだ。

現実世界のインドでは、まだまだ恋愛結婚は一般的ではなく、親の決めた相手と結婚するアレンジド・マリッジが主流である。どういう相手との結婚がアレ

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あなたの友達は陰口を叩くクズ! ティックトック上での公開「被害者探し」が呼んだ奇跡【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.77】

あなたの友達は陰口を叩くクズ! ティックトック上での公開「被害者探し」が呼んだ奇跡【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.77】

レストランや公園で、たまたま近くに居合わせたグループが、人目を憚らず誰かの悪口を言っているという境遇に出くわしたことはないだろうか。

ついつい聞き耳を立ててしまうような話もあれば、耳を塞ぎたくなる話もあるかもしれない。だが、どちらであれ、たいていの人は、聞いて聞かぬふりをしてやり過ごすのではないだろうか。

ある日、ドリューという名の男性は、悪口で盛り上がる見知らぬ女性グループに公園で遭遇した。

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「仕事の半分は米国政府」パランティアがホワイトハウスに近づくワケ【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.76】

「仕事の半分は米国政府」パランティアがホワイトハウスに近づくワケ【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.76】

パランティアが自分たちの技術を米軍に売り込むようになったのは2000年代後半だった。

米国の陸軍の部隊には、すでに別の戦場情報のプラットフォームが導入されていたが、それは戦場で部隊を守る役目をあまり果たしていなかった。そこでパランティアはイラクやアフガニスタンに駐留する大隊に直接、ソフトウェアを提供し始めた。2011年末の時点で、米軍の約30隊がパランティアを使っていたという。

2012年、米

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実はBMIはインチキ? 世界的な肥満指標が広まった理由とその弊害【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.75】

実はBMIはインチキ? 世界的な肥満指標が広まった理由とその弊害【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.75】

健康管理において、BMIほど大きな影響を与える指標はない。病院の診察室だけでなく、オンラインの計算機やスマート体重計、スポーツジムにおいても、BMIに遭遇する。

計算方法は簡単だ。体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割る。その結果、BMI値が18.5未満の「低体重」、18.5〜24.9の「普通体重」、25.0〜29.9の「過体重」、30以上の「肥満」という4つのカテゴリーに分類される。

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人は何歳が一番幸せ? 最新研究で驚きの結果が明らかに【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.74】

人は何歳が一番幸せ? 最新研究で驚きの結果が明らかに【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.74】

ある年齢のまま一生暮らせるとしたら、何歳がいいだろう?

西洋文化では若さが賛美されてきた。そう考えると、最近の調査で明らかになった「留まっていたい年齢」が9歳や23歳ではなく「36歳」だったのは驚きの事実かもしれない。

30〜45歳までを「成熟期」と名づけ、データを集めながら、この年代の人たち100人以上にインタビューをし、さらに600人以上からデータを集めた。

最初は、成熟期の大人たちが充

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中国政府に求愛するアップルは、政府の検閲に協力し、自らアプリも検閲・削除している【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.73】

中国政府に求愛するアップルは、政府の検閲に協力し、自らアプリも検閲・削除している【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.73】

アップルの最高経営責任者であるティム・クックは、データは安全に管理されていると述べている。しかし、貴陽と内モンゴル自治区のデータセンターでは、アップルは中国政府にその管理を大きく譲り渡している。

本紙「ニューヨーク・タイムズ」は、アップルの内部文書を閲覧し、17人の同社の現役あるいは元社員と4人のセキュリティ専門家へインタビューを重ね、そして5月前半にアメリカで行われた不当解雇に関する裁判で提出

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