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空洞を抱きしめて、未来へ(人生で初めて一人暮らしになった記録)

空洞を抱きしめて、未来へ(人生で初めて一人暮らしになった記録)

2020年8月2日、午前7時前の成田空港、国際線出発ターミナル。
この日、ここで目にした光景を、私はこれからもきっと忘れないだろう。日本の玄関と呼ばれ、普段なら昼夜問わず、大きなスーツケースを転がし行き交う大勢の人で賑わっているはずのこの場所に、私たち家族以外にはほぼ誰もいなかった。

余裕をもって出発しておいて、空港で朝食をとろう、なんて言っていた。たとえ自分がどこに行くわけではなくとも、これか

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愛する娘のでこっぱち

愛する娘のでこっぱち

わたしの娘は、頭が大きい。

大きくて、かわいい。

笑顔でそう言えるようになったのは最近の話だ。



娘は、生まれたときから大きめだった。

むしろ生まれる前から産科医に「頭が大きめだから難産になるよ」と言われていた。

生まれてからも看護師さんや助産師さんに会うたび、「ご両親とも小柄なのにすごく大きいねえ」「指長いねえ」「親戚に外国の方でもいるの」などと、たくさん言われた。

正直なところ

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あなたを見つめた3日間

あなたを見つめた3日間

その電話がかかってきた時、僕は本当にどうしようもない奴だという事実が、避けようもなくやってきた。二日酔いで鉛のように重い体をなんとか動かし、スーパーへ入ろうとした頃のことだったと思う。いつも通り気の抜けた声で電話に応じると、母さんが震えた声で言った。

「陽ちゃん、お父さんがね、倒れたの。心肺停止なの。」



電話の向こうで母さんは救急隊員に呼ばれ、通話がきれた。その後も何度か電話がかかってき

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デザインの筋トレ〜文章力を鍛え上げる分析写経のススメ

デザインの筋トレ〜文章力を鍛え上げる分析写経のススメ

先日ついに視覚化が難しかった味覚を観察スケッチする方法に辿り着いたわけですが、今日は“ 文章力ってどうやって鍛えるの? ”という質問に、言葉の筋トレ方法をお教えします。

味覚の観察では上記のnoteで書いたように五線譜で時間軸を捉えることで、五味+香りと食感のハーモニーを観察・分解・分析・記録する方法を示しました。

では、これと同じようなことが文章表現でもできれば、あの感動する名文も心を打つエ

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「速く・上手く」原稿を書くために必要なこと。

「速く・上手く」原稿を書くために必要なこと。

先輩編集者の「5つの教え」 文章を書くことを仕事にしている人にとって、大切なスキルのひとつが「速く書く」ことだ。じっくり時間をかけて大作を書き上げる仕事にも、もちろん意義はあるが、僕も含む「組織ライター」にとって、そういう仕事は稀である。というか、ほとんどない。なぜならば、大抵の書き仕事の場合、僕ら自身のクリエイティビティなど求められていないからだ。

 当たり前だが、創作性よりも、締め切りや納期

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親の心、子知らず

親の心、子知らず

難しいなあと思うことが多くなった。

娘とのことだ。
高校生の娘は、難しいお年頃。理想と現実の間で葛藤があるようで、たまにものすごく機嫌の悪い時がある。というか、最近は年中機嫌が悪い。

高校に入ったばかりのころは「学校も部活もたのしい!!」と意気揚々としていたのに、最近はすっかり「やる気なし子」
宿題もいや、塾もいや、勉強もいや、部活もいや。
最近では「こんな学校に来るんじゃなかった」とまで言う

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家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

私が住んでいる東京という大都会に、母と弟が来た。
ひろ実と良太が来たとも言う。

母からのリークによると、新幹線の中で、弟は何度も「奈美ちゃんは?奈美ちゃんは?」と、母に聞いていたそうだ。

なるほど、なるほど。
それはそれは猛烈な歓迎を受けるに違いないと、相応の準備をしていたら。

弟に真顔で「よう」と言われた。
ちょっとちょっと。話が違うじゃないか。

弟心は、秋の空ほど移り変わる。

さて、

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【活字で食べるごはん】台湾ひとり旅編

【活字で食べるごはん】台湾ひとり旅編

台湾に行ってきた。

3年ぶり、10回目くらい。11回目かもしれない。17歳の時に留学をして、そこから友達を連れていったり、夫を連れていったり、子ども達を連れて行ったりと、折に触れて台湾には遊びには行っている。

ただ、ひとり旅はいつ以来だろう。
うーん、と考えても、最後がいつか思い出せない。おそらく、大学在学中が最後だろうか。でも当時は向こうで友人に会っていたから、厳密には全然ひとりじゃなかった

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そうか、君は二歳児だったのか【エッセイ】

そうか、君は二歳児だったのか【エッセイ】

私は、このnoteではよくエッセイを書いている。随筆だ。日々の暮らしの中で心に思い浮かんだことをみんなに見える形として残している。その中でも子育てに関することはよく書いていて、これは不特定多数に向けて書くというよりはいつか私の愛する子ども達に読んでほしいという思いを込めて書き残している。

未来へ届く手紙だと思っていた。
10年ないし20年先に子ども達が、父である私のnoteを見つけ出したならそれ

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今月のイチオシnoteクリエーター(2018年11月)

今月のイチオシnoteクリエーター(2018年11月)

月末恒例、勝手にオススメのnoteクリエーターを表彰して褒め称えて1000円サポートするコーナー!

自腹企画も5回目です、われながら身も心も太っ腹だなホント。

歴代受賞者はこーんな感じ。
7月 ライター/編集者の田中裕子さん
8月 ライター/キュレーターの角尾 舞さん
9月 《教養のエチュード》編集長*もの書きの嶋津亮太さん
10月 フードマーケターのsahoさん

いよいよ来月で年内ラストに

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中学のとき教室内にアイコラ会社ができた話

鬼束ちひろさんが好きだった。

アーティストとしてもだけど、もう女として好きだった。

会えもしないし、よく知らない。

それでも僕は鬼束ちひろさんが大好きだった。

中学一年生。そんなガキだった。

芸能界にはたくさんの美女がいた。

友人たちは後藤真希や大塚愛、深田恭子に加藤あい、松浦亜弥などに夢中だった。その中で『鬼束さんフリーク』はマイノリティと言えた。

「なぜあえて鬼束ちひろなのか?」

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あのね、ちょっとしたご相談に答えてみるよ

あのね、ちょっとしたご相談に答えてみるよ

朝、noteを開いたらハネサエさんがこんなnoteを更新していた。

あるよね
あるある
noteを書き続けられない問題。

これは、書くことへの熱量が冷めてしまう問題でもある。

私自身、noteをおやすみしていた時期があるけど
それでも再開して、ゆるゆると続けてきた。

ナースあさみと言えばnoteの…
と、言っていただくこともある。

大変うれしい。

でも、実をいうと
書くこと、そして続け

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大人の夏休み・自由研究「Scratch」で算数ゲームを作ってみた話

大人の夏休み・自由研究「Scratch」で算数ゲームを作ってみた話

以前、noteでお子さんの宿題をScratchで作成された元エンジニアのお父さんの記事を目にしたことがあった。

このnoteを読んでからずーっと気になっていたので、この夏チャレンジしてみることにした。

Scratchとは?
・MITメディアラボが開発したプログラミング言語学習環境である。
(by:Wikipedia)

▶▶私の理解
・世界中の子どもたちがプログラミングを学ぶために利用できるも

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