クサマハル

知らないところで、届いてしまえばいい

クサマハル

知らないところで、届いてしまえばいい

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投影

うたを必要としなくなった。 それはイヤホンが手元にないから、『別にいいか』なのかと思っていた。

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クサマハル
6か月前
2

最近のわたし

好きな脚本家の映画公開日、 好きなアーティストのアルバムリリース、 気になってた展示会の期間。 当たり前に把握していて、 「絶対逃さない」どころか 「待ち遠しい」も…

クサマハル
7か月前
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ラクトアイス

そいつは2022年夏、私を狂わせた。 昨年、というよりほんの数ヶ月前までは、 「細いのを見るとそそる」と熱弁する友人を横目に 言われてみれば、まあ。という具合で。 あ…

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ガムシロップ

男に促されるまま、カフェというより 今どき少し珍しい純喫茶と呼ばれる店に入った。 7,8席ほどのカウンターの奥に テーブル席が3,4つほどある大きくはない店内。 カウン…

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ハチミツ

「俺は一生オスだろうから、夢芽もずっとメスでいてよ」 私にとってはプロポーズよりも嬉しい言葉だった。 なのに旦那は、 私を抱かなくなった。 結婚してすぐ、私たち夫…

3

ひるね

死なれたら困る、たぶん大切な人っていますか? 私にとってそれはあなたで。 依存とは少し違うのだけれど、 あなたから“返ってくるもの”がなくなった未来は想像したくな…

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私のすきなもの

「ああ、俺今日の東京の湿度嫌いだわ」 そう不機嫌になる彼の横顔のラインは、 田代から見ればこれ以上ないくらい完璧で 彼女をいつも幸せな気持ちにした。 一般的に言え…

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彼氏彼女をつくる。

カタログからお互いを選び合って、 意図しないカンケイを築く。 そんな日常を歩いて。 歩いてあるいてアルイテ、 不意に我に帰る。 どんなに顔が整って見えても 届く文字…

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3

優しさとはなんだろう

ひとは“優しい”という表現を ポジティブなものと疑わない。 私にとって“優しい”とされている人々は、 波打ち際に出来た人工の水溜りを掻き出すような 何してるんだろ…

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6

格好良さは、夜中に別れて

昨日、眠る前。 そう、確か日付がかわってから 映画を観たから2時半くらい。 人間が1番、無力さと寂しさとに 向き合わなくてはいけない頃。 僕は、君を落とせそうな、 た…

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どのくらい愛したの

その問いに ある人は、『2年』と答え、 ある人は、『死ぬほど』と答える。 “愛”のものさしがそれぞれと知る。 時間や期間があれば、注いだ量(主観)であったり。 必死…

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あの時

あの時、かけ違えていなかったら、 かけ違えていたら。 私は別の人の恋人だったかもしれない。 私は確かに貴方をつくった、 音楽や食事に興味を持っていた。 とても知りた…

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koino owariniha wakegaatte

『おーい、空、出し物回らないのか。』同じクラスのサッカー部のやつだ。 まだベランダで転がっていたかった。今日はバツが悪い。最高に。 賑やかな校舎の中で余った資材…

1

これは秘密なんだけど、

ふらふらしていると 『付き合うと何が違うの』って君が聞く。 そんなもの絶対教えてあげないけど、 私のなかでは明確に、違うものだ。 “ただの口約束” “薄っぺらの独…

1

コーヒー

毎日、それを飲む。 いつの間にか依存のラインを少し越え、日常になっていた。 きっと誰かにとっての煙草やスマホゲームと同じ距離感のようだと想う。 理由はないが、飲む…

2

持論を語るキミが好き

『ギブアンドテイク』 って言うじゃないですか。 貰いたかったら与えなさい、と。 嘘だよね。 ひとって慣れちゃうもの。 与えられることにもなんにでも。 それが当たり…

4
投影

投影

うたを必要としなくなった。
それはイヤホンが手元にないから、『別にいいか』なのかと思っていた。

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最近のわたし

最近のわたし

好きな脚本家の映画公開日、
好きなアーティストのアルバムリリース、
気になってた展示会の期間。

当たり前に把握していて、
「絶対逃さない」どころか
「待ち遠しい」ものだったのに
「いつのまにか過ぎている」になっていた。

その“変化”すら、後になって実感する。
最後に観た映画は心に残らなかったのだろうか。
この前のアルバムは埃をかぶったまま、おそらく本棚に。
去年の展示会は隣の人が飽きちゃって散

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ラクトアイス

ラクトアイス

そいつは2022年夏、私を狂わせた。

昨年、というよりほんの数ヶ月前までは、
「細いのを見るとそそる」と熱弁する友人を横目に
言われてみれば、まあ。という具合で。
ある種、宗教信仰上の違いのような、
分かり合えない好みのひとつとしか認識していなかった。

それが突然どうしたものか。
ノースリーブから顔をだすそれに
今夏の私は、異様にかき乱されている。
クリスマスにはケーキで正月には餅。
夏にはノ

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ガムシロップ

ガムシロップ

男に促されるまま、カフェというより
今どき少し珍しい純喫茶と呼ばれる店に入った。

7,8席ほどのカウンターの奥に
テーブル席が3,4つほどある大きくはない店内。
カウンターに居た客のひとりが振り返り目があった。
年は私より少し上に見える。
連れの50手前男とは大違いでお腹も出ていない。

定期的に自分の行いを恥じることがあるが
今はまさにそれで、運の無さを嘆いた。

彼が私に貼ったレッテルは、

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ハチミツ

「俺は一生オスだろうから、夢芽もずっとメスでいてよ」
私にとってはプロポーズよりも嬉しい言葉だった。

なのに旦那は、
私を抱かなくなった。

結婚してすぐ、私たち夫婦は子どもを授かった。
私は嬉しかったし、彼も喜んでいたと思う。
子供ができたこと、家族が増えることは、
幸せがプラスαでその種類が増えたのだと感じうたがわなかった。

「人が得られる幸せの総量は決まっている」
なんて誰かが言ったらし

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ひるね

ひるね

死なれたら困る、たぶん大切な人っていますか?
私にとってそれはあなたで。
依存とは少し違うのだけれど、
あなたから“返ってくるもの”がなくなった未来は想像したくない。
また“次”を見つけることはできても、
あなたに居てほしい。

昼寝の罰にしては残酷な夢を見る。
うつ伏せで左手首のあたりを
額の下敷きにしたまま、
意識が落ちていたようだ。
両側に鈍く感覚を奪うような痛みがある。

痛みとは裏腹に

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私のすきなもの

私のすきなもの

「ああ、俺今日の東京の湿度嫌いだわ」
そう不機嫌になる彼の横顔のラインは、
田代から見ればこれ以上ないくらい完璧で
彼女をいつも幸せな気持ちにした。

一般的に言えば、彼は整った顔というより
平均的な顔であり、友達に一人は居そうな顔だろう。

一方で例えば、何か秀でた特技や仕事をそなえていれば、
”イケメン〇〇“とメディアは
宣伝のために持ち上げるかもしれない。

もちろん、彼の外見におぼれる層も

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彼氏彼女をつくる。

彼氏彼女をつくる。

カタログからお互いを選び合って、
意図しないカンケイを築く。

そんな日常を歩いて。
歩いてあるいてアルイテ、
不意に我に帰る。

どんなに顔が整って見えても
届く文字に何を思うことはない。
『なんだこれ』

フダンナニシテマスカシゴトハナンデスカドコスンデルノオサケノムイツマデコイビトイタノ

ハリーポッターの後半で飛び交う
「死の呪文」のように
皆、同じことばを投げてくる。

これが効率化なの

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優しさとはなんだろう

優しさとはなんだろう

ひとは“優しい”という表現を
ポジティブなものと疑わない。

私にとって“優しい”とされている人々は、
波打ち際に出来た人工の水溜りを掻き出すような
何してるんだろう?って人種だったりする。

顔を分け与える、かのヒーローでさえ、
その力(あんこ)は有限だ。
一頭、二頭のカバやウサギが
腹をぐぅっと空かせてるくらいなら
彼も自信たっぷりと安心して頭(顔?)をちぎれる。
しかし、それが二十頭もいれば

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格好良さは、夜中に別れて

格好良さは、夜中に別れて

昨日、眠る前。
そう、確か日付がかわってから
映画を観たから2時半くらい。
人間が1番、無力さと寂しさとに
向き合わなくてはいけない頃。

僕は、君を落とせそうな、
たいそうロマンチックな言葉たちと出会った。
耳元で囁くよりも
正々堂々、正面から放つことで
最大火力を叩き出しそうなやつだ。

なのに今朝。
間抜けな僕の手には、
そのかけらひとつ、握られてやしない。
あれがあれば作家や詩人を名乗って

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どのくらい愛したの

その問いに

ある人は、『2年』と答え、
ある人は、『死ぬほど』と答える。

“愛”のものさしがそれぞれと知る。
時間や期間があれば、注いだ量(主観)であったり。
必死さ、のような切実な感情かもしれない。

それが愛だと知ることができたなら
触れられたならそれだけで。

これまでの関係で愛になったのはひとりだけだったように想う。
その他は所謂、恋の域を出ていない。
愛ゆえに傷つける事を恐れ、恐れ距

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あの時

あの時、かけ違えていなかったら、
かけ違えていたら。

私は別の人の恋人だったかもしれない。
私は確かに貴方をつくった、
音楽や食事に興味を持っていた。
とても知りたかったのは嘘じゃないの。
貴方はあなたで、
とても嬉しそうにそれを送ってくれて。

どうしてだろう。
そこで貴方に“面倒臭い”を見てしまったの。
私が我儘なのかもね。
一緒に観た映画がつまらなかったなんてどうでも良かったのに。

あれ

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koino owariniha wakegaatte

koino owariniha wakegaatte

『おーい、空、出し物回らないのか。』同じクラスのサッカー部のやつだ。

まだベランダで転がっていたかった。今日はバツが悪い。最高に。
賑やかな校舎の中で余った資材が積まれたここだけが五月蝿くない気がする。

付き合って一年になる彼女と口を訊かなくなって十日になる。最後に聞いたのは、今年は文化祭に出れるから一緒にいよう。だったはず。

『今日さ、結局女バド大会なんだってな。ドンマイじゃん。』

サッ

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これは秘密なんだけど、

ふらふらしていると
『付き合うと何が違うの』って君が聞く。

そんなもの絶対教えてあげないけど、
私のなかでは明確に、違うものだ。

“ただの口約束”
“薄っぺらの独占契約”
“葬式で多くの誰かじゃなくなる”

明確に。
君だけが欲しくて、他はいらない。
君で濁ることを受け入れる。

この好きって気持ちが愛に変わった時、
まだ間に合ったらいいな。
魅力的でみんなに好かれている君は、
そんな呑気に待

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コーヒー

コーヒー

毎日、それを飲む。
いつの間にか依存のラインを少し越え、日常になっていた。
きっと誰かにとっての煙草やスマホゲームと同じ距離感のようだと想う。

理由はないが、飲む。
美味しいか?なんて最近はあまり考えなくなっている。
たしか最初は何種類か試したが
今では決まってジョージアの500mlペットボトル。
なんとなく飲みやすい。それだけ。

ある日ふと思った。
これは余裕を欲しているのだろうと。

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持論を語るキミが好き

『ギブアンドテイク』

って言うじゃないですか。
貰いたかったら与えなさい、と。

嘘だよね。
ひとって慣れちゃうもの。
与えられることにもなんにでも。

それが当たり前になって、
『返さないと』なんて思考が抜け落ちて。
矢印ひとつの関係に収めてしまうなんて
そんな寂しいことないのにね。

抽象的な話をしながら
おそらく具体的な誰かを思い浮かべているキミ。
おそらくの誰かに嫉妬する私。

考えす

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