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ひるね

死なれたら困る、たぶん大切な人っていますか?
私にとってそれはあなたで。
依存とは少し違うのだけれど、
あなたから“返ってくるもの”がなくなった未来は想像したくない。
また“次”を見つけることはできても、
あなたに居てほしい。

昼寝の罰にしては残酷な夢を見る。
うつ伏せで左手首のあたりを
額の下敷きにしたまま、
意識が落ちていたようだ。
両側に鈍く感覚を奪うような痛みがある。

痛みとは裏腹に
「いつの間にそこに座ったのさ」と
苦笑混じりの独り言を吐きながら
動かした身体に嫌な感覚はなかった。

考えたらほんの十数分の合間に
そんなものを見ることは可能なのだろうか。
でも確かに記憶の断片と呼べそうなかけらが
頭のなかを巡っていた。

あなたがそれを知ることはないだろうから。
なんだか悔しい。
私もどうにかあなたを
悔しがらせていないだろうか。
きっと私が知ることはないだろうから。

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