これは秘密なんだけど、

ふらふらしていると
『付き合うと何が違うの』って君が聞く。

そんなもの絶対教えてあげないけど、
私のなかでは明確に、違うものだ。

“ただの口約束”
“薄っぺらの独占契約”
“葬式で多くの誰かじゃなくなる”

明確に。
君だけが欲しくて、他はいらない。
君で濁ることを受け入れる。

この好きって気持ちが愛に変わった時、
まだ間に合ったらいいな。
魅力的でみんなに好かれている君は、
そんな呑気に待ってくれないかもしれない。

これは秘密なんだけど、
抱き合ったまま眠れてしまったことも
その事に後悔しなかった朝をくれたことも
君が特別だと私のなかの何かが言う。


嫌というほど向き合うから。
あの朝をもう一度見せてもらえないかな。
この秘密が届いてしまえばいい。
知らないところでひっそりと。

勢いに任せて生きられなかった、
私の意気地のなさを連れて。

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