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エッセイらしきものばかり

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何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
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2023年7月の記事一覧

腕時計を苦手にさせた腕時計

腕時計を苦手にさせた腕時計

 たまにごつい腕時計している方がいらっしゃいます。とにかく文字盤がでかくて、現在の時刻だけでなく別の何かも確認出来たり、小さな歯車がカチャカチャと動いていたリ、何やらいろいろ調節できるネジが周囲についていたりと、とにかくごついやつです。している方は大体が男性で、きっと高価なんだなあと思います。羨ましいかと申しますと、ちょっと羨ましい。でも、購入には至りません。高いというのも理由のひとつではあります

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せっかく呪いに対して前向きになったのに

せっかく呪いに対して前向きになったのに

 人間、なかなか理屈だけで動けないんです。論理的におかしくたって、感情的にそうなんじゃないかと思ってしまうんです。

 例えば、通勤途中で体調が悪くなった時です。もう目の前が徐々に黄色くなり、吊革を握る手の力が徐々になくなってゆく。冷房ガンガンの車内にもかかわらず、全身汗ぐっしょりです。車内でぶっ倒れては堪らんとばかりに駅へ降りまして、椅子で休むこと5分。幸いにも調子が戻ったのでそのまま職場へ行き

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骨で敵を追い払う方法

 テレビゲームが世に生まれてだいぶ経っています。今年はファミコンが誕生して40周年とか、マジでよく分からないことになっています。何ですか40年って。ここまでくると、いま生きている人間の半分はゲームで遊んだ経験があるんじゃないでしょうか。

 テレビゲームがメジャーになって何十年も経っておりますと、もう本当に膨大な種類のゲームが開発されてきたはずです。不朽の名作と呼ばれるレベルのものから、クソゲーと

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マンションにそびえる天然のあばら家

マンションにそびえる天然のあばら家

 変な日本語Tシャツを海外の方が着ているならば、「ああ意味を知らずに着ているんだろうな」と思う余地があるんですけれども、明らかに日本人が変な日本語Tシャツを着ている場合はどうなんでしょう。すれ違う人を失笑させたいのか、遠くからスマホで撮られてSNSに載せられたいのか。いずれにしろ、Tシャツによる周囲の反応を期待しての所業だと思われます。言い換えれば意図的な行為であり、不幸な偶然が積み重なって「耳毛

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当事者同士だからこそ通じる心

当事者同士だからこそ通じる心

 病気になった時、その気持ちが最もよく分かるのは、同じ病気の人だと思うんです。もちろん、中には人の気持ちがものすごく分かるエスパーみたいな人もいらっしゃいますけれども、基本は当事者同士のほうが理解は容易だと思います。当事者同士であればエスパーでなくても具体的な症状とか不便な点とかが一発で分かる。何なら同じ病気というだけで、初対面でも隠れキリシタン同士が出会ったかのように、互いに多くのことを理解し、

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ポテトの王、国民を喰らう

ポテトの王、国民を喰らう

 ジャガイモが好きなんです。炊飯器に米と一緒に入れて炊いて食うなんて日常茶飯事です。その話を聞いた友人は私を「ポテ王」とか「ジャガイモを食べる人」とか言うんです。

 「ポテ王」はもちろん「ポテトの王」のことです。なぜリア王っぽく略しているのかは分かりません。仮に私がポテ王だったとすると、国民であるポテトを文字通り食い物にしている、とんでもない王様になるわけなんですが、当然ながらそれも考慮に入れて

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犬の部下でも気にしない

犬の部下でも気にしない

 20年くらい前に「犬を飼い主の前に歩かせてはいけない」という主張があると知りました。その理由は、犬が「自分は飼い主より偉い」と勘違いするから、みたいな感じでした。

 犬は社会的な動物だから周囲のものに順位をつけ、見た目や行動などで自分より上か下かを判断している。散歩の時、自分より後ろを歩いているものは自分より下だと判断しがちである。だから、飼い主は散歩の際、犬より前に出るべきだという結論のよう

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いわゆる「笑ってはいけない」状態

いわゆる「笑ってはいけない」状態

 友人から文学の学会を覗いてみないかと誘われたんです。私は文学に全然詳しくありませんし、友人はその学会に所属しているわけではない。なんで誘ったのか、いろいろと謎だらけです。ただ、学会に所属していない、いわゆる外部の人も参加可能とのこと。よく分かりませんが、とりあえず友人の誘いに乗ってみました。

 会場は某大学の一室でした。早速、受付に行きますと「名前と所属を書いてください」とのこと。名前はともか

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珍獣「姉の同棲相手」

珍獣「姉の同棲相手」

 兄弟姉妹がいて、互いにひとり暮らしをしていて、関係がそれなりに良好だったら、旅行ついでに泊まりに行くことがあると思うんです。少なくとも私はちょこちょこしていました。ホテル代が浮くので、もう家族内で推奨されていたくらいです。

 それはつまり、家族の中で誰かひとりが東京に住んでいると、東京観光の根城にされることを意味しています。私が大学生だった頃、姉の家がまさに根城でした。最も活用していたのは旅行

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見間違いが直らない

見間違いが直らない

 日々ボーっと過ごしているせいなのか、激しい見間違いをしてしまうんです。あとで振り返って「我ながらアホなんじゃないか」と思わずにはいられないような見間違いです。

 例えば、近所を歩いていると近くの家の屋根に、明らかに小さい人がしがみついているのを目撃したんです。身長は目測で30センチくらいでしょうか。最初は人形かと思ったんですが、どう見ても動いています。明らかに何らかの作業をしている。何だこれは

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上野公園の山盛り鳩

上野公園の山盛り鳩

 上野公園に行くといつも蘇る思い出があるんです。小さい頃、家族で東京観光した際に上野公園にも訪れたんです。上野公園には人がたくさんいましたが、それ以上に鳩がたくさんいまして、鳩の餌を売る人もまだ辛うじて残っていた時代でした

 「あの餌が欲しい」と私は母に言いました。値段は数百円程度でしたが、買ってもらえないと思いました。今まで街で散々いろんなものをねだっては断られてきたからです。だから、OKが出

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これがきたるべき未来?

これがきたるべき未来?

 専門家と一緒に昔の骨を見るという催し物に参加したんです。とある博物館が主催で、都内で発掘された数百年以上前のご遺体を実際に見ながら専門家が解説する形になっておりました。一般人の私にとっては当然ながら貴重な経験でございまして、骨の特徴から当時の生活習慣を次々と推測してゆく専門家のすごさに舌を巻いた次第です。

 催し物の間、私は隣にいたご婦人とちょこちょこ話をしていました。こう書くとそれなりに会話

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ゲームで飯を食いかけているのか

ゲームで飯を食いかけているのか

 ゲームをやってくれと友人から頼まれました。それまでゲームなんてしたことのない友人が珍しい頼み事をするもんだと思っていましたが、内容を聞いて納得しました。そのゲームは友人が昔から好きな、イギリス発の眼鏡少年が杖を振り回すあの有名なシリーズのゲームだったからです。そうです、エクスペクトがパトローナムなんです。友人としては「大好きなシリーズのゲームをやりたいが、何しろゲームは詳しくない。だから、ゲーム

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ダンゴムシ避難所

ダンゴムシ避難所

 アパートの1階に住んでいたことがあるんです。窓を開ければいわゆるテラスがありまして、洗濯物を干す場所にしていたんですが、足元は砂利が敷きつめられています。外なので、その辺の石をひっくり返すと知ってる虫から知らない虫まで結構見かけました。

 アパートは小高い丘の上にあるため、大雨で水没する心配はなかったんですが、それでも警報級の雨が降るとテラスはみるみる水が溜まってゆき、並の靴ではすぐにずぶ濡れ

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