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液状化する日々【掌編小説】
目が覚めたら謎に筋肉痛で、腕と足が痛かった。ついでに頭も痛い。これは二日酔いだ。
起き上がってベッドに座って筋肉痛の原因を考えて、すぐに思い出す。そうだ、昨日はバッティングセンターに行ったのだ。
昨夜は、マッチングアプリで知り合った男の子と飲みに行く予定だった。でも待ち合わせの駅に行ったらいなくて、
「ごめん、ちょっと遅れそうだから、ここまで来てくれる?」
って、地図が送られてきた。
建
純然たる日記【日記】
4月11日 月曜日
24時間勤務を終えて、10時過ぎに職場を出た。
快晴の晴天、昨日から続く夏日を歩く。
夏は嫌いだ。憎しみすら感じる。夏の直射日光を浴びると具合が悪くなる。原因不明だが、直接光を浴びた部分が浮腫む。手とかすぐパンパンになる。最悪だ。
しかし洗濯日和ではある。干せば乾くというのは有難い。帰宅後すぐに溜まっていた数日分の洗濯物と、着ていた服を洗濯機に突っ込む。ワイドハイタ
世の中には二種類の人間がいる【日記】
障害者福祉施設で利用者を殴って死なせた男が逮捕された、というニュースを、障害者福祉施設の利用者の部屋のテレビで見る。
この手のニュースは、福祉の仕事に関わる前から苦手だった。
酷い。あまりに理不尽だ。何故そんな奴が福祉施設で働いているのか。理解できない。被害者の痛みや苦しみと、周囲の人間の心痛を思うと涙が出る。そして理解不能な加害者に対して恐怖を感じる。
福祉施設で働くようになってからも
妄想は私を救うか【日記】
えり子さんが椅子から立ち上がるのが見えた。反射的に走り寄り、彼女の左脇に腕を差し込んで身体を支える。
密着して彼女の体重を受け止めながら、ゆっくり歩く。相手が小柄な女性といえど、大人一人の体重を完全に支えることは難しい。えり子さんのお部屋までの道のりを、グラグラしながら進む。
えり子さんは、両手で私の手を握りしめて爪をたてながら歩いている。私は常々、一度でいいから彼女の握力を測ってみたいと
普通という言葉が好きだ【日記】
爪切りを失くした。
部屋の中で物を失くす、ということが、理解できない。
どこかで落として紛失した、ということなら分かる。
しかし部屋の中で物を失くすというのは一体どういうことなのか。
探せばあるはずなのである。絶対に。固形物が消えてなくなるわけがないのだから。
しかし爪切りは見つからない。
探しても探しても見つからない。
仕方がないので新しいものを購入した。
爪を切るのは苦手だ。
普通、
日記~さらばイケメンDr~
「そういえば、僕、今月いっぱいでここ辞めるんです」
「えっ、そうなんですか」
アクリル板を挟んで、私と先生は見つめ合った。
思いがけない言葉に、私は動揺していた。動揺しながら「そういえば」ってなんだよ、「そういえば」で始める話じゃねぇだろ、と思った。
「来月からは別の先生が担当になります。もし病院を変えたければ紹介状を書くことはできますが、どうしますか?」
必死に動揺を隠しながら、考え
欲望のままに突っ走る【お知らせ/今年の抱負/趣味の話】
明けましておめでとうございます。
昨年はたいへんお世話になりました。サークルや小説・短歌講座で関わってくださった方々、私の作る短詩や小説を読んでくださった皆様に心から感謝しています。
いつも本当にありがとうございます。
2021年の創作活動にはたくさんの変化と実りがありました。
中でも11月に行われた文学フリーマーケットに参加させて頂いたことは本当に嬉しかったです。
文フリ用に書き下ろした短編
救急病院の夜 #呑みながら書きました
こんばんは。
「#呑みながら書きました」前々回ぶり(たぶん)に参加させていただきます!
今、は、赤ワインの小っちゃいボトルとをラッパ飲みしてます。アテはスルメです。うまい。
すごく書きたい、というか、誰かに聞いてほしいことがあるので書きます。ちょっと長くなるかも。
この前、ケガをして、初めて」夜間救急病院に行きました。
恐ろしいほどいろんなことが起こって、きゃぱい、になったので誰か聞いてくだ