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言葉の光ページ

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皆様の執筆された心に留めたいnote記事を集めさせて頂いております。 素晴らしい作品に感謝です。
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2023年7月の記事一覧

書けない時間も楽しむ

書けない時間も楽しむ

書く時間が好きです。思うままに文字を書きつらね、言葉ができて、何もないところから文章ができあがる楽しみ。

はじめに考えていたものとは、まったくちがう文章になっても大丈夫です。誰も怒りはしません。書いているとき、私は自由なのです。

小学校や中学校で作文を書かされるのは嫌いでした。私は子どもながらに大人たちが求めていることを察して、書きたいことではなく、書いたほうがよさそうなことを、書いていたから

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脳と同様にはたらくAIは実現可能か? 名著『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』が文庫になって新発売

脳と同様にはたらくAIは実現可能か? 名著『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』が文庫になって新発売

脳と同様にはたらく機械や人工知能(AI)は、実現可能なのか?
最新型ロボットでも難しいとされる二足歩行を、人間の幼児が易々とこなす背景には、膨大な記憶に基づき将来を絶えず予測する「脳」の存在があります。その中核を担うのが、「大脳新皮質のアルゴリズム」。
スマートフォンの原型となるPDA、パームパイロットを開発し成功を収めた著者ジェフ・ホーキンスが迫る、「知能の本質」とは?
脳科学とコンピューター工

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日本は暑くなっているし、それ以上に寒くなくなっている

日本は暑くなっているし、それ以上に寒くなくなっている


「暑い」という定性情報を定量的に表現する東京は、毎日暑いですね。外出するのも億劫になる暑さ。夜もむせ返るような熱気が続いて、犬を連れて散歩にも行けない。こんなに暑いなら12月には東京も50度超えているんじゃないですか? それはない? そうですか。

熱帯夜が続くので、夜もクーラーは付けっ放し。大阪で暮らす実家にも「夜こそ気を付けなあかんで」と伝えています。おかんは「昔はこんなに暑く無かった」「電

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明けない夜だってあるから

明けない夜だってあるから

 食べる夜のためでした。彼女はキッチンバサミを持っていないほうの手で、エレベーターの十四階のボタンを押します。彼女が住む医師住宅の最上階でした。扉が開くと、七月下旬のなまぬるい夜風が肌にまとわりつきます。彼女は屋上へ続く非常階段の錠を開けました。屋上には低い柵しかなく、彼女は夜空に包まれます。細く鋭い月がハサミを青く照らしました。彼女は思います。明けない夜だってある。
 明けない夜はないとか、止ま

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【ちピロさん応援記事】虐待サバイバーのあなた

【ちピロさん応援記事】虐待サバイバーのあなた

自らを『虐待サバイバー』と言う著者。
この物語はきっと自身の体験も映し出されているのだろう。
ここにはPTSDを抱えた人の傍らにいる男性の立場から書かれた形式で、PTSD当事者だけではなく、その周りの人々の姿やその想いが描かれていた。
そこに著者の祈りを感じた。
これからも自身の視点で様々な物語やエッセイなどの発信をしていただきたい。

芭蕉布触り放題! 全着物民は「おきなわ工芸の杜」に行くべし!!

芭蕉布触り放題! 全着物民は「おきなわ工芸の杜」に行くべし!!

豊かな布文化を育んだ琉球王国着物好きを魅了してやまない沖縄県。県内各地で多彩な伝統織物が制作されています。
琉球王国時代には、交易を行なっていたアジアから織りと染めのさまざまな技法が伝来。更に日本の本州からも木綿の種などの素材や、紬の技法といった技術が伝わってきました。アジア大陸と日本の織り・染めの手法がチャンプルーされた結果、豊かな布文化が育まれたのです。

また八重山諸島で独自の布文化が発展し

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finalvent読書会 なぜ、「ジョゼ」と「虎」と「魚たち」なのか。

小説のタイトルは、深い意味を持っていたり、持っていなかったりすることがある。夏目漱石の『こゝろ』は、明治時代から大正時代への変化のなかで明治の人の時代的な心情の多様性をその『心』として描こうとし、その一部分に殉死的な遺書をその内情(その心)として、遺書の短編を書き出したが、その前段を含めた中長編として現在の『こゝろ』ができがった。その意味で、『こゝろ』はこの作品の固有のタイトルとも言い難い面がある

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【小説】ゲイ、異世界転生してゲイバーを開く(3/3)

【小説】ゲイ、異世界転生してゲイバーを開く(3/3)

前回2話目

ーーーーーー

ええ、そうですね、数値も大丈夫そうですし、概ね回復したと言っていいでしょう。
よくがんばりましたね。
お酒を出すお仕事をされているのに、ちゃんとここまでお酒を飲まずにやれましたね。
きっとお客様と、あなたが雇ってる従業員さんがあなたのことが好きで、ずっと優しく気遣ってくれていたんでしょうね。そうじゃないと絶対に叶わない状況でしたよ、治療のための断酒なんて。
え?少しは

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【小説】ゲイ、異世界転生してゲイバーを開く(2/3)

【小説】ゲイ、異世界転生してゲイバーを開く(2/3)

1話目↓

 ◆

 アタシはもう一度、ここら辺を漫然と歩くことにした。

 さっきまでの「家に帰らなければならない」という焦りや不安とは違って、今は気分が良い。空腹や渇きと戦いながらも、しっかり腰を据えて、これからどうしようかと考えている。路頭に迷う一歩寸前というか、もうすでに路傍で血迷っているアタシだけれど、この気持ちはむしろ前向きだと思う。

 知らない土地で、知らない街で、知らない人に囲ま

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【小説】ゲイ、異世界転生してゲイバーを開く(1/3)

【小説】ゲイ、異世界転生してゲイバーを開く(1/3)

1話目
トンネルを抜けると異世界だった。



 最悪の気分で目が覚めた。
 ああ、またやってしまった。
 いつものアレーー死ぬほどの、深酒だ。

 押し寄せるような吐き気で眠りから覚める。気分は最悪だった。頭も胃袋もそのまま掴んでかき回されたような感じ。ありとあらゆる不調が体にあるみたい。

 少しでも気分が良くなるように寝返りを打とうとしたら、背中や腰、体の至る所から鈍痛と骨の鳴る音がした。

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私がHPVワクチンの普及と精神科の立ち上げをやりたい理由

私がHPVワクチンの普及と精神科の立ち上げをやりたい理由

来訪いただきありがとうございます!
マーガレットこどもクリニック 看護師の森山です。

今年の2月から3月にかけて、当院とみんパピ!さん、認定NPO法人フローレンス との共同で、男の子にもHPVワクチンを!という企画を実施しました。

抽選で60名の男の子にHPVワクチン1回分を無料で提供するという企画です。

当院の募集記事

認定NPO法人フローレンスの記事

なんと140名の方から応募があり

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市川沙央⇄荒井裕樹 往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」

市川沙央⇄荒井裕樹 往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」

「ハンチバック」で鮮烈なデビューを飾った市川氏と、同氏が執筆にあたり大きな影響を受けたと語る『凜として灯る』の著者・荒井氏による、社会の「健常者優位主義」をめぐる対話。

プロフィール

荒井裕樹
あらい・ゆうき●1980年生まれ。二松学舎大学文学部准教授。専門は障害者文化論、日本近現代文学。著書に『差別されてる自覚はあるか――横田弘と青い芝の会「行動綱領」』『障害者差別を問いなおす』『まとまらな

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【タイ寺院が好きすぎて】50代会社員、通信制大学で仏教美術を学ぶことにしました

【タイ寺院が好きすぎて】50代会社員、通信制大学で仏教美術を学ぶことにしました

突然の大学生になります宣言。
好きがあふれすぎて告白する女子高生みたいで、自分でもちょっと笑っちゃうんですが、今さらながら学んでみようかと。

もういい歳だから、とか、やってみたいけど周りから何て思われるか、とかで【好き】を封印してる誰かの後押しになればうれしいです。

好きだからもっと知りたいタイに何回も行き、寺院巡りをするうちに時代毎に異なる仏像の特徴や、壁画、日本の仏教美術との違いを調べるよ

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6年前にツイッターでバズった漫画を振り返る「魔王がブラック企業の社長になる話」

6年前にツイッターでバズった漫画を振り返る「魔王がブラック企業の社長になる話」

 これは、「魔王がブラック企業の社長になる話」というタイトルで2017年頃にツイッターで投稿した漫画です。

当時、すごい勢いでRT、拡散され、いわゆる大バズりを経験した作品です。WEB系ニュースサイトとかにも取り上げられたので、覚えている人もいらしゃるかもしれません。

 当時(2017年ごろ)の状況として、まだツイッターで漫画を投稿するのはアマチュアがほとんどであり、2023年現在のように商業

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