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#読書感想文
韓国小説 『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』に救われた年末年始
流行りに乗り遅れるタイプの私は、ここ数年話題になった韓国のドラマや映画、小説、エッセイなどをたぶん、ほとんど観たり読んだりしていない。流行れば流行るほど関心が失せていくというか、「こんなに注目されてるんだから今はいっか」という気持ちになってしまうのだ。何十万部売れた、芸能人の誰々が紹介していた、というお決まりのフレーズにも残念ながらあまり心ひかれない。
それよりも、書店や図書館に出向いて、宝探し
韓国に住む日本のおばちゃんが読んでみた。 『台湾はおばちゃんで回ってる?!』
人が見知らぬ誰かに対して親近感を抱く瞬間って、相手が自分と似たような経験をしていたり、共通項や共感できることが多かったりした時じゃないかと思うんですが、みなさんはどうでしょうか? 例えば私の場合、ある女性のプロフィールにこんなキーワードが並んでいるのを見て、とても親しみを抱きました。
80年代前半生まれ、編集者、ライター、海外移住、離婚、再婚、国際結婚、ステップファミリー、男の子の母。ここま
一冊の書に歴史あり 『書籍修繕という仕事(어느 책 수선가의 기록)』
私は幼い頃から本が好きで、書店や図書館のように本がたくさんある場所も大好きです。これまでいろんな土地で暮らしてきましたが、どこに行っても私のそばにはいつも本がありました。
こう書くと、「文学少女」や「本の虫」といった印象をもたれるかもしれませんが、実際はちょっと違います。書棚に並んだ本の背表紙をただ眺めているだけの日もあるし、本を開いたとたんに眠ってしまう日も多いし、かばんの中に本を入れたま
小説『パチンコ』と私の物語②
自分の物語を語ろうとして、一体どこから始めればいいのか途方に暮れてしまったが、私が在日コリアンの歴史に深い関心を抱いた日のことから書いてみたいと思う。
2004年、北海道の大学で
それは、北海道・札幌の大学に通っていた2004年。就職活動のため大学を休みがちだった4回生の頃、当時所属していた教育史・比較教育ゼミの先生が担当する「在日韓国・朝鮮人の歴史」という講義を開いたのがきっかけだった。
小説『パチンコ』と私の物語①
韓国人男性との結婚を機に韓国へ移り住むことになった私は、こちらの国で「結婚移民者」と呼ばれるようになった。それまで「移民」と聞けば、過去に日本からブラジルやハワイに移り住んだ人たちのことを思い浮かべていたが、そんな私が実際に移民者となったのだ。
ソウルの語学堂へ留学経験があったため、生活に必要な韓国語はすでに身につけていた。それでも、移住後「生まれ育った国とは勝手が違うのだ」「日本では一人で