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2023年6月の記事一覧

歴史小説「Two of Us」第4章J‐8

歴史小説「Two of Us」第4章J‐8

~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第4章 Foward to〈HINOKUNI〉Country

J‐8

 桂川から保津川へそして分水嶺を越えると、現在の〈由良川〉として、日本海へ向けた一級河川となって行く。
 その分水嶺を越えた福知山盆地の手前、〈水戸野〉の峠に辿り着いた。

 本能寺の変後、細川珠子とお長が幽閉されていた山あい。その民家で、次男の興秋(興の丸)と次女の多羅が生まれ、物心つ

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歴史小説「Two of Us」第4章J‐7

歴史小説「Two of Us」第4章J‐7

~細川忠興&ガラシャ珠子夫人の生涯~
第4章 Foward to 〈HINOKUNI〉 Country

J‐7

 〈沓掛〉の辻は、あなた珠子の父明智惟任十兵衛光秀(あけちこれとうじゅうべえみつひで)が、壱萬五千の兵を率いて『敵は本能寺に在り❕』と告げ、士気を高めた場所。
 そう後世には伝えられている。

 亀山城を出立して〈老いの坂峠〉を降り立ち、右を向けば長岡勝竜寺城の洛西の先に、安芸や吉備

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歴史小説「Two of Us」第4章J‐6

歴史小説「Two of Us」第4章J‐6

~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第4章 Forward to【HINO-KUNI】country

J‐6

 夕刻になって、オクの身柄を預かっている商家を訪れる。

 養女として公家の娘の清原イトを迎えていたその大店の主人は、経緯を既に知っていて、もちろん口外なく、そして温かく迎え入れてくれた。

「〈お玉〉さんとお呼びいたします。念のため。
 今晩はこちらにお休みくださりませ。明日は、オ

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歴史小説「Two of Us」第4章J‐5

歴史小説「Two of Us」第4章J‐5

~細川忠興とガラシャ珠子夫人の生涯~
第4章 Foward To 〈HINOKUNI〉Country

J‐5

 1600年、慶長七年八月の終わり。
 大阪玉造細川屋敷の大炎上後、ガラシャ珠子はイト(清原マリア)を連れて、淀川を北上した。

 大坂城の外堀から淀川へ抜け出して、木津川で待機していた廻船問屋の渡し船に乗り換え、伏見の船宿に辿り着いた。
 着のみ気ままな出で立ちとはいえ、矢絣(やがす

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歴史小説「Two of Us」第4章J‐4

歴史小説「Two of Us」第4章J‐4

~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第4章 Forward to【HINO-KUNI】country

J‐4

 豊後水道の灘の水面が、さざ波できらきら輝いている。

 起床が早い朝、あなた珠子は、小袖の身支度もそこそこに、朝日に光る内海の杵築湾を、眺めていた。
 曇りを感じない天気の遠くかすかに、四国の半島を見つけた。

「あの海を、渡って来たのですね。。。」
 珠子は振り向かずに、問いかけ

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歴史小説「Two of Us」第2章J-7

歴史小説「Two of Us」第2章J-7

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~

第2章 明智珠子の御輿入れ~本能寺の変

J-7

 延暦寺の焼け残りの跡を、御簾几帳の間から垣間見上げる、明智珠子。
 お輿入れ御一行は、不穏な情勢の比叡山麓を、迂回する。

 さながら、後世の参勤交代のような〈お輿入れ行列〉は、戦乱の世にあっても、街道を行き来する人々の微笑ましい眼差しさえ、誘っていた。

 通りすがりの旅人さえも、足を止めて口々に噂

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「Another Story of A Few Ladies」 第2話 Vol.29

「Another Story of A Few Ladies」 第2話 Vol.29

~龍馬が愛した、明治を生きる女たち~
第2話 The Last Vital Lady

Vol.29 

”Is it never paid action❓
Or do you think as this works, in reward, can they get some money❓”

「それは、無償の活動なのですか❓
それとも、多少の報酬はお考えでしょうか❓」

At first, Ms

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