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反出生主義と賢さについての私見
反出生主義は誰も新たな人間を生み出すべきではないという主義である。
人生は、幾重もの苦痛に彩られており、その多くは避けがたい。そして、人生がそもそも始まっていなければ、得がたく価値のある幸福でさえ、必要ではない。
そうしてみると、誕生とは、誕生する当人にとって深刻な害悪なのではないか?と考えられる。そこから上記の主義が持ち上がってくるのである。
知性をもつ者ならば誰もがこの結論に行き着くはずで
なぜ反出生主義は道徳的に正しいと言われるのか
反出生主義とは、快苦の非対称性や反失望主義的な見方から、「存在してしまうことは常に深刻な害悪である」ということを前提とした考え方であり、そのことを前提とした場合、出生は道徳的に悪であり、「人は新たな人間を生み出すべきではないという道徳的な義務を負う」と結論されるのである。
なぜそのようになるのかを少しでも解説できたなら、本記事の目的は達成されると思う。
正しさとは私見となってしまうが、以下を参照
反出生主義の実現不可能性についての補足
以前の記事で、反出生主義が共同体に受容されることは無いと書きましたが、この記事はその補足です。
反出生主義が実現不可能なのは国家が存在しているから
より正確には、人間の共同体の最大の単位が国家であるから。まずは、なぜ国家が存在していると不可能であるのかを説明する。
一
人間が死すべきものである以上、新たな人間が生み出されなくなった共同体は衰退し消滅する。
二
よって、出生を厭う共同体は、出生を
反出生主義は博愛主義なのか?
反出生主義とは
ざっくり言ってしまえば、人間は生まれるべきではなく、
新たな人間を生み出すべきではないという主義主張である。
基本的には、「存在することは悪い」「存在しない方がよい」
という価値判断を基底としてそのように結論される。
そう判断する理由として、
「存在する限り苦痛は避けることは困難であり、
またひとたび存在してしまったものの消滅は苦痛や恐怖を伴う。」
「存在しなければ幸福を得られる