サイユウ

自分が思ったこと、読んだ本の感想、小説などを書くと思います。名前は本名じゃないです。

サイユウ

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  • 日記みたいなエッセイみたい

    日記みたいな感じで思った事書いてます。

  • 今までの詩

記事一覧

カルピスとCanvas

 日照時間も長くなり、最近は日差しもぐっと強くなってきた。そうなると喉が乾くのでコンビニや自販機で高いお金払って冷たい飲み物を買っては後悔している。先日もいつも…

サイユウ
11日前
1

カレーの匂い 短編

 帰るのが少し遅くなってしまった。あのくそな上司が定時前に仕事を振ったせいで結局帰るのが2時間くらい遅れた。まだ、ましな方だがそれどもイライラする。家に帰って明…

サイユウ
3週間前
3

消えてしまったTUTAYA

 僕の住んできる街からTUTAYAが消えてもう3ヶ月が経った。TUTAYAが無くなった所でCDや本といったものはインターネットで購入出来るし、電車で一駅行った所にはUTAYAよりも…

サイユウ
1か月前
4

『阿保の一幕』 短編小説

殺す。綺麗に透き通った山の空気を肺に入れた後のような、程度の低い快楽とは異なる汚れの一切ない恍惚感に包まれて私はkを殺すことにした。kは悪人なのだ。kの一番の罪…

サイユウ
4か月前
4

癖 短編小説

 九月の初旬、夏の暑さは八月から変わらず、気温も日常も変わらないことに私は少しの苛立ちを覚えていた。商店街をあてもなく歩いていると通りかかった小さな女の子は私の…

サイユウ
4か月前
4

正式

今朝、飲んだコーヒーが口に纏わりついて離れない。口の中を洗い流したい思うけど電車の中にいてはどうすることもできず僕はただ電車が停車するのを待っていた。小田急線の…

サイユウ
5か月前
1

喧騒

ベッドフォンを外す耳から日常の声 自分の空間と他人の空間が重なると みんながひとりの音を叫んでいた

サイユウ
1年前
1

西日 短編

「僕は誠実な人なんですよ、なんだったら誠実だけが取り柄です」よくそんなでたらめを言えるなと彩は感心させられた。新宿駅近くのイタリアン店でそう豪語する彼は目の前の…

サイユウ
1年前
1

なんでも

半狂乱は一人ぼっち 狂乱は何人兄弟? 私は一人っ子

サイユウ
1年前
1

同じ形のなにか 詩

11月の小田急線 輪を作る高校生  僕は一つ歳をとった 小田急線快速急行は 相変わらず新宿行き

サイユウ
1年前
2

生き物 

 よく晴れた四月に歩くと今いる僕たちは本物なんだって気づく。  舞う桜は神社を包み込み花見をする人に幸せを贈る。  独りで眺める僕は本物なんだけど、五月になったら…

サイユウ
2年前
3

未定 1 小説

 一年後に死ぬ。こんなことを言われて信じる程、馬鹿ではない。今までしっかりと真っ当な生き方をしてきた、持病があるわけでもないし。でも、目の前の男は一年後に死ぬと…

サイユウ
2年前
1

壊れた木に擦り切れた傷の跡 癒しの花粉舞ってきて 惜しみつつ冬の別れ

サイユウ
2年前
1

三月の想い 短編小説

 等間隔に並んだ電柱は人工物。百年、二百年、三百年と経てば歴史の一つになる。私の思いはきっと歴史にならない。「あぁ、悲しいなぁ」人の想いは永遠だと誰かが言ってい…

サイユウ
2年前

短歌

白姫の 息白し恋 追いかけて 恋焦がれるは 冬夕焼け雲

サイユウ
2年前
1

遠くからあなたへ 短編小説

 ニルは工場でいつもの人形を創る。天辺が丸くて腕が二個、足が二個あり胴体がある。ニル達、人類とは違う形をしている。横からオプターがやってきて「頑張ってんじゃん」…

サイユウ
2年前
カルピスとCanvas

カルピスとCanvas

 日照時間も長くなり、最近は日差しもぐっと強くなってきた。そうなると喉が乾くのでコンビニや自販機で高いお金払って冷たい飲み物を買っては後悔している。先日もいつも通り自販機の前に立ち何を買おうかと考えているとカルピスが目に留まった。「カルピス」という言葉の響きは純粋で無邪気な子供を連想させてくれるから好きだ。迷わずにカルピスを買った。しかし、買ったペットボトルの形が僕の知っている少しダサいものから新

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カレーの匂い 短編

 帰るのが少し遅くなってしまった。あのくそな上司が定時前に仕事を振ったせいで結局帰るのが2時間くらい遅れた。まだ、ましな方だがそれどもイライラする。家に帰って明日のために早く寝ないと。こんな生活を繰り返して私はなんになりたいのかな。習い事終わりの小学生の集団が前から元気にやってくる。私も昔、小学生だったのかと、前世のような遠い記憶のように感じるが十数年前の話だ。夜の住宅街を抜けると私のアパートがは

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消えてしまったTUTAYA

消えてしまったTUTAYA

 僕の住んできる街からTUTAYAが消えてもう3ヶ月が経った。TUTAYAが無くなった所でCDや本といったものはインターネットで購入出来るし、電車で一駅行った所にはUTAYAよりも大きな本屋さんが二件もある。その内の一軒は一般的な本屋さんでは置いていないような出版社の本を置いてやはりTUTAYAが無くても困らない。別に生活に支障をきたすような損失ではない。なのにTUTAYAが無くなってから僕の生活

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『阿保の一幕』 短編小説

殺す。綺麗に透き通った山の空気を肺に入れた後のような、程度の低い快楽とは異なる汚れの一切ない恍惚感に包まれて私はkを殺すことにした。kは悪人なのだ。kの一番の罪は自身の罪を自覚していないことだ。これは最も恐ろしいことであり、最も幸福なことでもある。私はkに対して怨念や悪意を持って殺すのではない。ある意味で私はkを殺すとによってkを救うのだ。人を殺すことは悪、つまり罪だと多くの人は考えるのだろうが私

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癖 短編小説

 九月の初旬、夏の暑さは八月から変わらず、気温も日常も変わらないことに私は少しの苛立ちを覚えていた。商店街をあてもなく歩いていると通りかかった小さな女の子は私の腕を指しながら
「お姉さんの腕白いね」とお母さんに告げ口した。私は咄嗟にその子のお母さんを見てしまったので目があった。困惑した表情をするお母さんを見て、視線を女の子に移すと純粋な目がそこにはあった。何か言わないといけないといけないが相手は小

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正式

今朝、飲んだコーヒーが口に纏わりついて離れない。口の中を洗い流したい思うけど電車の中にいてはどうすることもできず僕はただ電車が停車するのを待っていた。小田急線のアナウンスは海老名に着くことを伝えている。一旦、降りて水でも買おうかと腰を上げようとしたたら横に座っていたおじさんが僕に向かって喋りかけてきた。
 「人との付き合い方がわからないんだ。」おじさんが何か語り始めていた。見ず知らずの人間に急に話

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喧騒

ベッドフォンを外す耳から日常の声

自分の空間と他人の空間が重なると

みんながひとりの音を叫んでいた

西日 短編

「僕は誠実な人なんですよ、なんだったら誠実だけが取り柄です」よくそんなでたらめを言えるなと彩は感心させられた。新宿駅近くのイタリアン店でそう豪語する彼は目の前のピザを綺麗な手で口に運ぶ。彼の年齢は二十六歳、ミディアムボムにセンターワケ年齢よりも下の世代で流行っている髪型を当たり前にしている。それに対して私は少しでも大人ぽっくしたくて、我慢してショートカットにしている。本当はウルフカットにしてみたい

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なんでも

半狂乱は一人ぼっち

狂乱は何人兄弟?

私は一人っ子

同じ形のなにか 詩

11月の小田急線 輪を作る高校生 
僕は一つ歳をとった 小田急線快速急行は
相変わらず新宿行き

生き物 

 よく晴れた四月に歩くと今いる僕たちは本物なんだって気づく。
 舞う桜は神社を包み込み花見をする人に幸せを贈る。
 独りで眺める僕は本物なんだけど、五月になったら僕たちは本物じゃない。

 この桜の花びらの中にどれくらい本物の桜があるのだろう。

 一つもないかもしれない。

 それなのに、綺麗だと思う。

 僕たちは本物とか綺麗っていうのを追いかけ過ぎたんだと後悔して、忘れてニセモノとして、ひた

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未定 1 小説

 一年後に死ぬ。こんなことを言われて信じる程、馬鹿ではない。今までしっかりと真っ当な生き方をしてきた、持病があるわけでもないし。でも、目の前の男は一年後に死ぬとはっきり言った。

 スーツを着て、堂々と目の前に立つ姿は仕事のできる銀行員のようで騙されまいと思っていても気づいたら騙されてしまう詐欺師と対面しているようだった。「これから一年間あなたの監視役として勤めます」そんなことを言って彼と僕の生活

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壊れた木に擦り切れた傷の跡

癒しの花粉舞ってきて

惜しみつつ冬の別れ

三月の想い 短編小説

 等間隔に並んだ電柱は人工物。百年、二百年、三百年と経てば歴史の一つになる。私の思いはきっと歴史にならない。「あぁ、悲しいなぁ」人の想いは永遠だと誰かが言っているのを嘘だと最近思ってる。私が彼に最後の連絡をして、一週間が経とうとしている。彼から連絡は一向に来る気配はない。この想いは歴史にならず消えていく。歴史は残酷だ。三月の夜の空、一人想った。

短歌

白姫の 息白し恋 追いかけて

恋焦がれるは 冬夕焼け雲

遠くからあなたへ 短編小説

 ニルは工場でいつもの人形を創る。天辺が丸くて腕が二個、足が二個あり胴体がある。ニル達、人類とは違う形をしている。横からオプターがやってきて「頑張ってんじゃん」とニルを茶化す。ニルは「三個上手くいかなかった」と暗い顔で言う。オプターは気にすんなと彼を励まし、「十個創って一個上手くいけば上出来だ」とニルと自分にも暗示をかけるように言った。ニルは失敗した三個の人形をもう一度みた。そうすると、「運動神経

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