未定 1 小説

 一年後に死ぬ。こんなことを言われて信じる程、馬鹿ではない。今までしっかりと真っ当な生き方をしてきた、持病があるわけでもないし。でも、目の前の男は一年後に死ぬとはっきり言った。

 スーツを着て、堂々と目の前に立つ姿は仕事のできる銀行員のようで騙されまいと思っていても気づいたら騙されてしまう詐欺師と対面しているようだった。「これから一年間あなたの監視役として勤めます」そんなことを言って彼と僕の生活が始まった。

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