ももぐらんぱ

臨床工学技士→病院の医療・サービスの質を改善を推進する部署へ|TQM(総合的品質管理)…

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臨床工学技士→病院の医療・サービスの質を改善を推進する部署へ|TQM(総合的品質管理)、QC(クオリティコントロール)、組織開発などのスキルを取り入れて、医療・サービスの質を向上しています。|看護師の妻、心優しい娘、ヤンチャな息子、猫3匹

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記事一覧

学会を楽しむ3つのコツ

第4回関東甲信越臨床工学会が、盛況のうち幕を閉じました。 準備された大会長はじめ、多くのスタッフの皆様お疲れ様でした。 学会に参加するたび、リアルでの学会って面…

ももぐらんぱ
20時間前
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「第4回関東甲信越臨床工学会 in TOKYO パネルディスカッション」のおまけの話

明日から開催される関東甲信越臨床工学会が東京で開催されます。 臨床工学技士として医療安全に専従されている松田先生に企画していただいた「病院管理部門に属する働き方…

1

贈与しまくろう。返礼はちゃんとしよう。

贈与の返礼についての論文が話題になっていました。 ようするに何か与えられたならば、適切にお返しができれば対等な関係が構築できるが、できない場合は従属的な関係にな…

医療における「仕事の範囲」は「野球の守備範囲」であるべき

病院で医療の質を改善するにあたり、他業界のことも勉強せねばなりません。 車の生産で世界に誇るトヨタ自動車のことを知らないで、質管理について語ることはできないと思…

2

「医療の質を改善すること」のコスパタイパがわかるのはだいぶ先かもしれない

臨床工学技士として臨床で働くことに一区切りをつけて、医療の質を改善する部署に異動してから、はや2年が経過しようとしています。 2年経過して気づいたことのひとつを、…

ももぐらんぱ
2週間前

医療の質改善のための目標の達成の仕方

前回のnoteでは、医療の質のためにより具体的な目標を立てました。 今回のnoteでは、目標をどう達成するかについて考えていきたいと思います。 ここで重要になってくるの…

ももぐらんぱ
3週間前
2

無関心ゆえの優しさほど甘く、残酷で危険ものはない

あなたは、優しい上司や先輩、厳しい上司や先輩、どちらが良いですか? 「今、ここ」での感情やストレスを考えると、優しい上司や先輩のほうがいいんですが、本当に将来を…

ももぐらんぱ
4週間前

流動性がないと組織が淀むから専門職はスペジェネ両方であるべき

「医療専門職のスペジェネ論争」には、個人的なキャリアという意味では自分の中である一定の答えが出ていますが、今回はそれを組織論的にも捉えてみたいと思います。 組織…

ももぐらんぱ
1か月前
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「想い」と「想いを実現する能力」両方ある人は稀

医療の現場では、医療者の「想い」で動いていると言っても過言ではありません。 今の時代にはそぐわないのかもしれませんが、自身を犠牲にして、身を粉にしてきた諸先輩方…

ももぐらんぱ
1か月前
1

タスクシフトシェアの実現には高度なマネジメント能力が必要

医師の働き方改革に伴う法令改正によって、いくつかの医療専門職の行うことができる行為の範囲が広がりました。 一連の流れは「タスクシフト・シェア」と呼ばれており、自…

ももぐらんぱ
1か月前
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医療の質改善のための目標の立て方

前回のnoteでは、問題点に優先順位をつけて、解決すべき問題点をひとつに絞りました。 さて、いよいよ改善を実行するにあたり、重要となってくるのが目標の設定です。 目…

ももぐらんぱ
1か月前
1

心理的安全性と職業倫理(モラル)は医療安全の両輪

安斎勇樹さんのVoicyが、本当に学びが深くて、ここ最近ずっと拝聴しています。 「#4 ”心理的安全性の誤解”の誤解」で話された内容が非常に学びが深かったのでシェアしま…

ももぐらんぱ
1か月前
1

医療の質のために解決すべき、問題点の優先順位の付け方

ここまでで、医療の質とは何か、目的の言語化の方法、そして目的と現状のギャップの見つけ方について確認してきました。 このnoteは、優先順位の付け方についてまとめます…

ももぐらんぱ
1か月前
2

時間はかかろうともみんなで取り組むことに意義がある

医療業界にいると、情熱と能力のある方による取り組みで、劇的に患者さんが改善したり、組織としてすばらしい取り組みができたりする事例を時々拝見します。 やはり、早く…

ももぐらんぱ
1か月前
2

医療の質改善のための「目的と現状のギャップ」の探し方

ここまでのnoteでは、医療の質とは部署の目的を達成している状態であること、その目的の探し方を言語化してきました。 今回のnoteは、部署の目的を達成するために必要な具…

ももぐらんぱ
2か月前
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「システムに落とし込まないと人は動かない」からこそ、「システムを考えられる人」になろう

金沢さんのツイートには、いつも共感します。特に今回引用したツイートは、結果責任が求められるマネージャーの心構えを示してくださっていると思います。 医療業界では、…

ももぐらんぱ
2か月前
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学会を楽しむ3つのコツ

学会を楽しむ3つのコツ

第4回関東甲信越臨床工学会が、盛況のうち幕を閉じました。

準備された大会長はじめ、多くのスタッフの皆様お疲れ様でした。

学会に参加するたび、リアルでの学会って面白いし楽しいと感じるようになってきます。この理由については以前noteに書いたのですが…

こうやって、学会を楽しむにもコツが必要なんだろうと思います。

今回、ほぼはじめて学会に行く後輩がいたのですが、学会の楽しみ方を覚えておくと、次

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「第4回関東甲信越臨床工学会 in TOKYO パネルディスカッション」のおまけの話

「第4回関東甲信越臨床工学会 in TOKYO パネルディスカッション」のおまけの話

明日から開催される関東甲信越臨床工学会が東京で開催されます。

臨床工学技士として医療安全に専従されている松田先生に企画していただいた「病院管理部門に属する働き方改革 ~技士長は中間管理職にすぎない~」パネルディスカッションに演者として登壇しますので、宣伝記事です!

と言っても、パネルディスカッションで話すことを書いてしまってはつまらないので、語りきれない、おまけの部分を書いてみます。

医療専

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贈与しまくろう。返礼はちゃんとしよう。

贈与しまくろう。返礼はちゃんとしよう。

贈与の返礼についての論文が話題になっていました。

ようするに何か与えられたならば、適切にお返しができれば対等な関係が構築できるが、できない場合は従属的な関係になる、ということがこれまでの歴史的にも現在においても社会の成り立ちを説明できる、とした論文だと思います。

昔からお金を贈与しあう習慣が日本人にはあります。例えば、結婚した時や家を建てたり、子どもが産まれたりした時のお祝い事。あとは親族が亡

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医療における「仕事の範囲」は「野球の守備範囲」であるべき

医療における「仕事の範囲」は「野球の守備範囲」であるべき

病院で医療の質を改善するにあたり、他業界のことも勉強せねばなりません。

車の生産で世界に誇るトヨタ自動車のことを知らないで、質管理について語ることはできないと思い、大野耐一元トヨタ自動車副社長著「トヨタ生産方式」を読んでいます。

その中で、印象的だった文脈があったので、ご紹介したいと思います。

それは、医療業界の縦割りにメスを入れ、タスクシフトシェアを進めるうえで重要な考え方です。

「第二

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「医療の質を改善すること」のコスパタイパがわかるのはだいぶ先かもしれない

「医療の質を改善すること」のコスパタイパがわかるのはだいぶ先かもしれない

臨床工学技士として臨床で働くことに一区切りをつけて、医療の質を改善する部署に異動してから、はや2年が経過しようとしています。

2年経過して気づいたことのひとつを、今日はシェアしたいと思います。

それは、「医療の質を改善すること」は、コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスが悪く見えるということです。

コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスという概念が流行しています。なるべく少ないコスト

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医療の質改善のための目標の達成の仕方

医療の質改善のための目標の達成の仕方

前回のnoteでは、医療の質のためにより具体的な目標を立てました。

今回のnoteでは、目標をどう達成するかについて考えていきたいと思います。

ここで重要になってくるのは、目標達成までの手順をより細かく設定するという点です。

1つの手順は、できれば1日~3日くらいで達成できるような粒度にしておきたいです。

なぜなら、ひとつの手順が一か月もかかるものだと、絶対に人間は忘れるからです。

その

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無関心ゆえの優しさほど甘く、残酷で危険ものはない

無関心ゆえの優しさほど甘く、残酷で危険ものはない

あなたは、優しい上司や先輩、厳しい上司や先輩、どちらが良いですか?

「今、ここ」での感情やストレスを考えると、優しい上司や先輩のほうがいいんですが、本当に将来を考えると厳しい上司や先輩のほうが良いと思っています。

無関心ゆえの優しさほど甘く、残酷で危険なものはないです。

自分が全く仕事で通用しているレベルに到達していないにも関わらず、無関心な優しさで誰も手を止めて注意をしてくれず、本当の自分

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流動性がないと組織が淀むから専門職はスペジェネ両方であるべき

「医療専門職のスペジェネ論争」には、個人的なキャリアという意味では自分の中である一定の答えが出ていますが、今回はそれを組織論的にも捉えてみたいと思います。

組織的に捉えたとしても結論は一緒であり、「ジェネラリストでもあり、スペシャリストでもあれ」でございます。

医療の現場、とりわけ医療専門職の現場は、流動性がありません。故に組織が硬直化する傾向にあります。

皆さんご存知のように、臨床検査技師

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「想い」と「想いを実現する能力」両方ある人は稀

「想い」と「想いを実現する能力」両方ある人は稀

医療の現場では、医療者の「想い」で動いていると言っても過言ではありません。

今の時代にはそぐわないのかもしれませんが、自身を犠牲にして、身を粉にしてきた諸先輩方の努力があったからこそ、ここまで医療の技術は発展してきました。

時代は移り変わろうが、患者さんへの想い、というものが医療を動かす原動力であることには変わりありません。

医療者になりたいと思った方の動機は様々だと思いますが、地域住民のた

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タスクシフトシェアの実現には高度なマネジメント能力が必要

タスクシフトシェアの実現には高度なマネジメント能力が必要

医師の働き方改革に伴う法令改正によって、いくつかの医療専門職の行うことができる行為の範囲が広がりました。

一連の流れは「タスクシフト・シェア」と呼ばれており、自分たちの業務をだれかにシフト、シェアしたり、他職種の業務を自分たちにシフト、シェアすることで偏在している業務を平準化していこう、という流れです。

法令による業務範囲拡大に対して、実際の技術習得ができるように、告示研修が行われており、国家

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医療の質改善のための目標の立て方

医療の質改善のための目標の立て方

前回のnoteでは、問題点に優先順位をつけて、解決すべき問題点をひとつに絞りました。

さて、いよいよ改善を実行するにあたり、重要となってくるのが目標の設定です。

目標をあらかじめ設定しておくメリットは、「うやむやにならない」これに尽きます。

問題を解決すること自体が仕事ならともかく、ちゃんと言語化された明確な目標を掲げないと、日々の忙しい臨床業務に追われて、改善は埋もれていきます。

そうな

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心理的安全性と職業倫理(モラル)は医療安全の両輪

心理的安全性と職業倫理(モラル)は医療安全の両輪

安斎勇樹さんのVoicyが、本当に学びが深くて、ここ最近ずっと拝聴しています。

「#4 ”心理的安全性の誤解”の誤解」で話された内容が非常に学びが深かったのでシェアします。

「心理的安全性」は、ビジネスだけなく「医療安全」の分野でも注目されています。

心理的安全性とは、

と定義されています。

医療現場において、心理的安全性が低い組織やチームでは、自分の意見や懸念などを言いにくくなったり、

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医療の質のために解決すべき、問題点の優先順位の付け方

医療の質のために解決すべき、問題点の優先順位の付け方

ここまでで、医療の質とは何か、目的の言語化の方法、そして目的と現状のギャップの見つけ方について確認してきました。

このnoteは、優先順位の付け方についてまとめます。

あなたの前には、目的を達成しているあるべき姿になるために解決しなけれならない問題点が羅列されていることかと思います。

では、それらすべてに取り掛かるべきでしょうか。

おそらく無理だと思います。

臨床業務やマネジメント業務を

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時間はかかろうともみんなで取り組むことに意義がある

時間はかかろうともみんなで取り組むことに意義がある

医療業界にいると、情熱と能力のある方による取り組みで、劇的に患者さんが改善したり、組織としてすばらしい取り組みができたりする事例を時々拝見します。

やはり、早く取り組みを立ち上げるときや切羽詰まった状況の時は、属人的な取り組みをしなければならないことは、すでに皆さんご存知の通りです。

しかし、その最初の一歩を踏み出したメンバーの情熱はいつまで続くのでしょうか。

そのメンバーは永遠にその組織に

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医療の質改善のための「目的と現状のギャップ」の探し方

医療の質改善のための「目的と現状のギャップ」の探し方

ここまでのnoteでは、医療の質とは部署の目的を達成している状態であること、その目的の探し方を言語化してきました。

今回のnoteは、部署の目的を達成するために必要な具体的な改善すること、つまり問題点の見つけ方を言語化していきたいと思います。

ここまでで「部署の目的」「あるべき姿」は言語化できていると思いますが、それを言語化しても、自然と問題点や改善点が発見できるわけではありません。

もうひ

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「システムに落とし込まないと人は動かない」からこそ、「システムを考えられる人」になろう

「システムに落とし込まないと人は動かない」からこそ、「システムを考えられる人」になろう

金沢さんのツイートには、いつも共感します。特に今回引用したツイートは、結果責任が求められるマネージャーの心構えを示してくださっていると思います。

医療業界では、少子高齢化による人材不足と需要の拡大から、ようやくタスクシフトシェアや標準化などが重要視されてきましたが、まだまだ甘い面があると思います。

どうしても、医療業界は利他の精神で、自分を犠牲にするという文化が根強かったせいか、金沢さんがおっ

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