プリクラは私にとって、〆で食べる雑炊のようだ。 メインのお鍋を楽しみながら、頭の中では当たりまえに雑炊を待ち望んでいる。 そんな感じで、友人と遊んだら「プリ撮ろ…
小さい頃から、やたらと書かされた題材。 この歳になってチャレンジしてみようと思う。 幼稚園の頃、短冊で書いた夢は「犬になりたい」だった。 なぜなら、動物の中で一…
二十歳になって三週間を迎える私は、いろいろなお酒を飲んでいる。 それは、女子層に向けた可愛らしい酎ハイであり 居酒屋で出てくる薄口のビールであり 熟練した手業で…
ミニスカートを履いたおっさんが、六畳一間で大の字で寝転んでいた。桃色のレーススカートからは、おびただしいすね毛の生足が現れている。 おっさんは疲弊していた。…
彼女が私の頬を踏むとき、鼻腔には甘いクッキーの香りが拡がる。ふみ、ふみ、と心地よく刻まれるステップが、至上の目覚めへと誘う。 あなた、もう朝ですよ、はやくカ…
今までの自分と決別するキッカケとして 今からこのノートを書こうと思う。 現在18歳の高校3年生である私は、つい最近自分の人生から逃げ続けていた事に気づいた。 いや、…
さらやまきんにくん
2024年2月19日 13:05
プリクラは私にとって、〆で食べる雑炊のようだ。メインのお鍋を楽しみながら、頭の中では当たりまえに雑炊を待ち望んでいる。そんな感じで、友人と遊んだら「プリ撮ろうよ」と、どこからともなく声があがる。 これがプリクラを撮る基本シチュエーションである。さらに他のパターンもある。たとえば、初めて遊びにいった子と初プリ。今日は特別な日だからと、いつもよりおめかししてパシャリ。このように、いつも
2024年2月18日 08:19
小さい頃から、やたらと書かされた題材。この歳になってチャレンジしてみようと思う。幼稚園の頃、短冊で書いた夢は「犬になりたい」だった。なぜなら、動物の中で一番かわいい存在だったし、あの姿で駆け回ってみたいと思ったから。笹に吊るされた願いが燃やされて天に昇っていくとき、翌朝犬に変身できている自分を想像した。1ミリはたぶんなれないんだろうなと思っていた。小学生の頃、作文で書いた夢は「
2023年5月29日 15:20
二十歳になって三週間を迎える私は、いろいろなお酒を飲んでいる。それは、女子層に向けた可愛らしい酎ハイであり居酒屋で出てくる薄口のビールであり熟練した手業でお刺身を切るおじさんの割烹屋の日本酒であり度数高めの甘いマスカットの焼酎である。誕生日を迎えて数日後に友人宅で開かれた飲み会では「まだ数週間だよね?慣れすぎじゃない?」とも言われた。 私は、二十歳になった瞬間から堰を切ったよう
2023年5月13日 17:22
ミニスカートを履いたおっさんが、六畳一間で大の字で寝転んでいた。桃色のレーススカートからは、おびただしいすね毛の生足が現れている。 おっさんは疲弊していた。美中年お披露目公演まで一ヶ月を切ったにも関わらず、デビュー曲のダンスが覚えられないからだ。だが、肝は据わっているはずだ。かつては、西で一番の組長と恐れられていたじゃないか。こんなこと、人を殺すよりも簡単だ、と思い直し午後からのレッスンへと
2023年5月13日 16:45
彼女が私の頬を踏むとき、鼻腔には甘いクッキーの香りが拡がる。ふみ、ふみ、と心地よく刻まれるステップが、至上の目覚めへと誘う。 あなた、もう朝ですよ、はやくカリカリちょうだいよ、と唸り声をあげ、得意げな表情で見下ろしてくる女王。奴隷と化した私は、今日も女王を腕に抱き、キッチンへと向かう。 これが、私と飼い猫との毎朝のルーティン。 ある朝、彼女は甘い香りと共に、朝の日差しの中へと消えてしまっ
2021年10月1日 17:56
今までの自分と決別するキッカケとして今からこのノートを書こうと思う。現在18歳の高校3年生である私は、つい最近自分の人生から逃げ続けていた事に気づいた。いや、本当はもっと前からその事実に気づいていたのかもしれない。私はその気持ちからも逃げていたのだ。それに気づいたキッカケは、私の苦手科目の英語にあった。英語というのは中学の時から苦手意識があった。ただ闇雲に英単語を覚え、授業で文