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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを…
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#世界

夢なんか見たくない(詩)

夢なんか見たくない(詩)

朝、私は疲れています。寝たのだから疲れが取れていなければいけないはずなのに、私は眠ったときよりも朝のほうが疲れているのです。

理由はわかっています。
私は毎日、夢の中で戦っているからなのです。相手は会社の上司だったり、部下だったり、あるいは家族だったり、まったく赤の他人のときもあります。

夢の中の戦いに勝っていれば、起きたときも高揚していて疲れを感じないと思います。逆に戦いに負けていれば、死ん

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おまえの歌(詩)

おまえの歌(詩)

視界150度の世界で
おまえはすべてを見通せると言う
視界150度の世界で
おまえはなんでも知っていると自慢する
視界150度の世界は皆同じなのに
おまえは他人を見下している
そんなおまえをまわりの人たちは嘲笑っているけど
おまえはそれにまったく気づいていない
そんな傲慢な態度を取ること自体
世の中を知らなすぎるおまえを
俺は嘲笑うことはしない
おまえ自身が気づかなければ
おまえは変われないのだか

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旅日記 安房小湊(エッセイ)

旅日記 安房小湊(エッセイ)

何もない漁師町。何もない海の世界。
東京に住んでいると情報という名の麻薬で中毒になりそうになる。そんなときに訪れたい町。

朝、日の出前に海岸へ行く。波の音、風の音、鳥の声。風の音楽に合わせて、波が白く踊る。やがて、オレンジに染まる空から太陽が昇る。空気が急に暖かくなる。誰もいない世界に私一人。私だけの時間。私だけの場所。
このまま座っていたら、波にさらわれそうな世界。水平線の先にある知らない場所

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目覚めの歌(詩)

目覚めの歌(詩)

夢のない世界に僕は眠っている。
生も死もない世界に僕は寛いでいる。
自意識だけが僕の頭の中で蠢いているけれど、僕はそれに気づかない。
何もない無の世界は安らかで、清らかで、淋しくない孤独に満ち満ちている。
これが永遠というものなのか。そう思ったときに、一気に雑音と汚濁と悲しい孤独が体を襲ってきた。
生と死の世界で僕は目覚めた。
でも、夢のない世界は何も変わらなかった。

開放(詩)

開放(詩)

若者たちよ
自由に縛られるな
不自由を消化しろ
そうすれば
自由と不自由の真ん中の世界を
見つけることができるから

なぜ世の中は悪くなるのか(詩)

なぜ世の中は悪くなるのか(詩)

キレイなものとキタナイものが混ざるとキタナクなる
好きな食べ物と嫌いな食べ物を混ぜると嫌いな食べ物になる
信頼と不信が混ざると不信になる
安心と心配が混ざると心配になる
戦争と平和が混ざると戦争になる

つまりは
良いものと悪いものが混ざると悪いものになる
多様性の中に悪い種が混ざると多様性も悪くなる
世の中が悪くなるのも仕方ない

夜の扉(詩)

夜の扉(詩)

子どもたちが帰り支度を始める頃、鳩の群れが豆をつっつく、そのまわりを枯れ葉が流れ、公園の噴水が止まる。

影が空色になった頃、おばさんたちはおしゃべりの声を小さくし、カラスは薄の穂が揺れるように歌をハモる。

空が燃えるのをやめた頃、町中から猫はいなくなり、懐かしさを叫びながら豆腐屋が笛を吹く、まわりの静かさがその音を消し去る。

家の鍵は掛けられ、町は荒れ地となり、川は氾濫を起こし、草花は宇宙へ

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めまい(詩)

めまい(詩)

ベッドから上半身を起こすと
ふらふらして
立ち上がることもできず
僕はベッドに倒れ込む
天井が揺れているような
空に浮いているような
体が突然なくなったような
目を瞑ると真っ黒な世界が蠢く
その浮遊感を再び味わいたくなって
僕はまたベッドから起き上がる

ミラコロワール(詩)

ミラコロワール(詩)

ミラコロワール 奇跡の世界
そこではあなたの夢がすべて叶えられます

あなたは夢を生み出して
それをすべて叶えていきます
あなたはその達成感に酔いしれて
次々に新しい夢を胸に描きます
夢はどんどん大きくなって
あなたの欲望も
それにつれて大きくなります
それは麻薬の世界
あなたはもうこの世界でしか生きていけなくなります

そしてある日
ミラコロワールは限界を超えて破裂します
あなたはもう廃人同然で

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宝物(詩)

宝物(詩)

砂時計の中でしか満たされない時間のように
窮屈なこの世界で
君は健気に生きている

ガチャガチャの中のカプセルに収まった商品のように
身動きできないこの世界で
君は必死に生きている

絆という名の校舎に詰め込まれたように
息苦しいこの世界で
君は苦しみながら生きている

それは君がまだ大人になりきれていないから
でも君には世間に溢れているような大人になってほしくない
君の辛さの元にある子ども心を捨

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妄想の世界(詩)

妄想の世界(詩)

人は誰でも妄想の世界を持っている
辛くなったとき
悲しくなったとき
孤独になったとき
人は妄想の世界へ逃げ込む
妄想の世界で癒やしを求める

妄想の世界を夢と呼ぶ人がいる
しかし現実の世界の夢と
妄想の世界の夢には違いがある
妄想の世界の夢は叶わぬ夢に終わる
それがわかっていないと
現実の世界と妄想の世界の区別がなくなってしまう

妄想の世界を持っているのに気づかない人がいる
そんな人は癒やしを現

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クソみたいな世の中で(詩)

クソみたいな世の中で(詩)

<クソばかり出てきますが、クソは比喩です。何の比喩かは読んだ方が想像してみてください>

クソみたいな世の中で
クソにまみれながら
クソの再生産を繰り返す

クソの定義付けを怠って
クソの有効活用ばかり考えて
クソは貯蔵庫に溢れかえる

クソのために汗をかき
クソのために涙を流し
クソのために絶望する

クソのような世の中ならばクソになれ
それが唯一の解決策だと人々を教育し、洗脳し
世の中のクソは

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大人の世界をぶち壊せ(詩)

大人の世界をぶち壊せ(詩)

人は夢や希望があるから生きているのか
夢や希望がなければ生きていけないのか

今の若者たちは夢や希望を持っていないと大人たちは言う
それでいて、若者たちの夢や希望を打ち壊していく良い大学に入れ、良い会社に入れ、良いロボットになることを親は望む

夢や希望ってどうやって生まれるのか
それはやっぱり行動から生まれてくるのだろうか
野球をやっていればプロ野球選手を夢見るし
サッカーをやっていればJリーガ

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孤独者のひとりごと(詩)

孤独者のひとりごと(詩)

僕のことに構わないでくれ
今の僕は誰の言葉にも反発してしまうから

僕を一人にさせてくれ
僕は僕の貝殻の中で眠りたいから

僕の名前を呼ばないでくれ
僕が僕を嫌いになってしまうから

僕の話を聞かないでくれ
それはただの寝言と何も変わらないから

僕の孤独を壊さないでくれ
僕は孤独の世界でしか生きられないから