立花 実果

エッセイ(日記風、日々の考え)やショートショート小説、たまにイラストを週2〜3で投稿し…

立花 実果

エッセイ(日記風、日々の考え)やショートショート小説、たまにイラストを週2〜3で投稿しています。Kindle本を出版することが目標。

マガジン

  • 読書記録📖

    📕時にネタバレ御免🙏の、無責任に楽しんで書いた読書記録を集めました。ちらっとのぞいてもらえたら嬉しいです🐱

記事一覧

【創作】テイク・イット・イージー

なんで俺が付き合う女の子って、どんどん表情を曇らせていくんだろ。始めはふわふわ柔らかくて、花開くみたいな笑顔だったのに。猫かぶってただけ? 半年も付き合う頃には…

立花 実果
8時間前
6

読書記録⑯『自転しながら公転する』山本文緒著

まだスマホもなかった時代。図書館で文庫本を数冊ずつ借りて、持ち歩いて読むのが娯楽だった頃。私がよく借りていたのは吉本ばななさんや江國香織さん、そして山本文緒さん…

13

ストレス過多な朝と、密やかなる怒り発散法。

朝、目が覚めたらコップ一杯のミネラルウォーターを飲み、コーヒーを豆から挽く。お気に入りのチルミュージックをBGMに、全粒粉の食パンをトースターに入れて‥‥なんて優…

12

残暑お見舞いイラスト🍧

残暑お見舞い申し上げます🍉 残りの夏を楽しみつつ、 お身体大切にお過ごしください🐱

13

全く興味のなかった野球観戦が、癖になった理由。

夏に入ってから、何度か野球の試合を見に行くようになった。といっても、中学生の部活の試合だ。きっかけは三年生の引退試合。それまでほとんど観戦をしてこなかったけれど…

18

読書記録⑮『残りの人生で、今日がいちばん若い日』盛田隆二著

読書記録も今回で15回目。その日に読むページ数を決め、印象に残ったページや行には付箋を貼っていく。読み終えたら復習がてら、紙に人物関係図や話の流れを軽くまとめる。…

立花 実果
11日前
10

幸せについてちょっと本気出して考えてみた

昔、流行った曲の歌詞の一節。「幸せについて本気出して考えてみたら‥‥」。確かポルノグラフィティというバンドが歌っていた曲だ。別にハマっていたわけじゃない。むしろ…

立花 実果
2週間前
29

読書記録⑭『あなたは、誰かの大切な人』原田マハ著

作家、原田マハさんの存在は以前から気になってはいた。何度か彼女の本を手にとってパラパラとめくってみたり、単行本の帯に並ぶ推薦文だか紹介文を目でなぞったこともあっ…

立花 実果
2週間前
13

大袈裟だってば。

数日前から、目にするたびに気分が少し重たくなる光景があった。家の敷地内に停めているお気に入りの自転車。その前輪のすぐ傍らに、Gの死体がひっくり返っていたのだ。こ…

立花 実果
2週間前
10

東京の夜、友達と会う。妄想とリアルと過去を味わいながら。

大学時代の友達が、出張で東京に来ることになった。空いた時間に会おうとなって、昨日東京駅で待ち合わせ。夕方から夜にかけて一緒に過ごした。夜に外で待ち合わせて人とご…

立花 実果
3週間前
8

目の前で起こることはひとまず、自分事として捉えてみる。

昨日、ちょっとやらかしてしまった。 息子を起こす時間を勘違いして、部活の開始時刻に間に合わなかったのだ。その日はいつもと違って少し早い集合時間だったのに、朝、は…

立花 実果
3週間前
7

人生の棚卸しをして、未来の自分の眼差しを感じてみる。

今日は軽く人生の棚卸しをしてみようと思う。 このところ、というか前々からずっと、ぐるぐる考えているばかりでまとまらないこと。もちろんノートにボールペンで書き出し…

立花 実果
3週間前
10

“映画の感想”ではなく、映画を観に行った平凡な一日のお話。

昨日『インサイド・ヘッド2』を観に行ってきた。 午後も3時を過ぎた頃、唐突に行くことを決めたため、計画も準備もあったもんじゃない。 きっかけはnoteの記事で、やけに『…

立花 実果
3週間前
11

なんにもない一日の、ありがたみを思い知った日。

昨日、救急車を呼んでしまった。 書こうかどうしようか迷ったけど、“喉元すぎればなんとやら”で、切実に思ったことや感じたことを忘れてしまいそうだと思い、残しておく…

立花 実果
1か月前
12

【創作】陽だまり旋風

姉のひなたが四歳の息子、太陽の手を引いて実家に出戻ってきた。太陽は姉が二十一の時に、超安産で産んだ子だ。 「かんな、久しぶり〜!姉ちゃん出戻ってきちゃったよ、て…

立花 実果
1か月前
3

読書記録⑬『愛なき世界』三浦しをん著

この本は前々から少し気になっていた。著者の三浦しをんさんの書く世界観がすごく素敵だから。『舟を編む』『格闘する者に◯』『まほろ駅前多田便利軒』‥‥他にも何冊か読…

立花 実果
1か月前
14
【創作】テイク・イット・イージー

【創作】テイク・イット・イージー

なんで俺が付き合う女の子って、どんどん表情を曇らせていくんだろ。始めはふわふわ柔らかくて、花開くみたいな笑顔だったのに。猫かぶってただけ? 半年も付き合う頃には強張った表情で皮肉っぽく笑って、トゲのある言葉ばかり吐くようになる。苛立ちが全身から滲み出るようになる。そんでいつも俺が振られる。

「なんか疲れちゃった。もう別れたい」

今さっき愛華に言われた言葉。俺が振られてるのに、なんでそっちが傷つ

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読書記録⑯『自転しながら公転する』山本文緒著

読書記録⑯『自転しながら公転する』山本文緒著

まだスマホもなかった時代。図書館で文庫本を数冊ずつ借りて、持ち歩いて読むのが娯楽だった頃。私がよく借りていたのは吉本ばななさんや江國香織さん、そして山本文緒さんなどの女性作家の著書ばかりだった。例によって、全く内容を覚えていないけれど、甘いだけじゃない大人の女性の恋や仕事や人生そのものの味を教えてもらった。読んだ後はいつも余韻でふわふわした心地になった。

今回読んだ『自転しながら公転する』の著者

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ストレス過多な朝と、密やかなる怒り発散法。

ストレス過多な朝と、密やかなる怒り発散法。

朝、目が覚めたらコップ一杯のミネラルウォーターを飲み、コーヒーを豆から挽く。お気に入りのチルミュージックをBGMに、全粒粉の食パンをトースターに入れて‥‥なんて優雅なモーニングルーティンとは無縁である。
まず低血圧で、朝は苦手だ。スヌーズを二度、三度とかけてようやく観念して身体を起こす。ふらふらと洗面所へ行き、最初に洗濯機をまわす。ゴウンゴウンという重低音が響く。台所に立ち、半分しか開いていない目

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残暑お見舞いイラスト🍧

残暑お見舞いイラスト🍧

残暑お見舞い申し上げます🍉
残りの夏を楽しみつつ、
お身体大切にお過ごしください🐱

全く興味のなかった野球観戦が、癖になった理由。

全く興味のなかった野球観戦が、癖になった理由。

夏に入ってから、何度か野球の試合を見に行くようになった。といっても、中学生の部活の試合だ。きっかけは三年生の引退試合。それまでほとんど観戦をしてこなかったけれど、最後くらい応援しに行こうと思った。少年野球時代の見知った顔ぶれも何人かいる。でもみんな、すっかり体つきも顔つきも大人びていた。二年生、三年生はさすがに貫禄が違う。投げる球もバットの当たりも迫力があって、少年野球とは全く違った。掛け合う声も

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読書記録⑮『残りの人生で、今日がいちばん若い日』盛田隆二著

読書記録⑮『残りの人生で、今日がいちばん若い日』盛田隆二著

読書記録も今回で15回目。その日に読むページ数を決め、印象に残ったページや行には付箋を貼っていく。読み終えたら復習がてら、紙に人物関係図や話の流れを軽くまとめる。少しずつ書きやすくするための工夫もできるようになってきた。
でも毎回書く前は不安になる。これは読書記録に限らないけど、文章を書くとき、本当に最後まで書き切ることができるのだろうか、と。そして「また時間がかかるんだろうなぁ」と気が重くなる。

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幸せについてちょっと本気出して考えてみた

幸せについてちょっと本気出して考えてみた

昔、流行った曲の歌詞の一節。「幸せについて本気出して考えてみたら‥‥」。確かポルノグラフィティというバンドが歌っていた曲だ。別にハマっていたわけじゃない。むしろ、ちょっと声質が苦手とすら思っていた。でもこのフレーズだけは妙に頭に残って、ふとした瞬間に勝手にメロディーと共に流れてくる。

「幸せ」なんて壮大なテーマだと思うしポルノグラフィティのように「本気出して考えてみた」なんて断言できない。だから

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読書記録⑭『あなたは、誰かの大切な人』原田マハ著

読書記録⑭『あなたは、誰かの大切な人』原田マハ著

作家、原田マハさんの存在は以前から気になってはいた。何度か彼女の本を手にとってパラパラとめくってみたり、単行本の帯に並ぶ推薦文だか紹介文を目でなぞったこともあったと思う。そこから“アートの世界に精通している”“海外について書かれることが多い”著者という認識が出来上がっていた。そこでなんとなく敬遠し、本を読む気になれずにいた。

敬遠していた理由を言語化してみると、“芸術の世界をあまり理解できない”

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大袈裟だってば。

大袈裟だってば。

数日前から、目にするたびに気分が少し重たくなる光景があった。家の敷地内に停めているお気に入りの自転車。その前輪のすぐ傍らに、Gの死体がひっくり返っていたのだ。これは私にとっては由々しき事態。自転車を使うたびにげんなりする。
早く対処しようと思いつつ、家に逃げ込んでしまえば忘れられるので放置していた。

でも今日、はっとした。嫌なことを見て見ぬふり。臭いものに蓋をする、事なかれ主義の後回しの姿勢。そ

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東京の夜、友達と会う。妄想とリアルと過去を味わいながら。

東京の夜、友達と会う。妄想とリアルと過去を味わいながら。

大学時代の友達が、出張で東京に来ることになった。空いた時間に会おうとなって、昨日東京駅で待ち合わせ。夕方から夜にかけて一緒に過ごした。夜に外で待ち合わせて人とご飯を食べたりするなんて、ものすごく久しぶりだった。
若い頃、その友達とはバイト上がりにそのまま飲みに行ったり、カラオケに行って朝までオールで遊んだりした。でも大人になってからは、年に一度くらいのペースで、子供たちも混じえて昼間にレジャー施設

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目の前で起こることはひとまず、自分事として捉えてみる。

目の前で起こることはひとまず、自分事として捉えてみる。

昨日、ちょっとやらかしてしまった。
息子を起こす時間を勘違いして、部活の開始時刻に間に合わなかったのだ。その日はいつもと違って少し早い集合時間だったのに、朝、はっと思い出した時がまさにその集合時刻。今朝は息子のスマホのアラームが、また無駄に早い時間から鳴ってるなぁと思っていたら‥‥。ちなみにそのアラームで息子が自分で起きてきた試しはない。スヌーズが延々続くことが常態化しているため、特に変だとは気づ

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人生の棚卸しをして、未来の自分の眼差しを感じてみる。

人生の棚卸しをして、未来の自分の眼差しを感じてみる。

今日は軽く人生の棚卸しをしてみようと思う。
このところ、というか前々からずっと、ぐるぐる考えているばかりでまとまらないこと。もちろんノートにボールペンで書き出して、何度も可視化も試みてる。でも一向に前に進めている気配がない。
目標はここ十年くらいずっと同じ。
フリーランスで自活すること。十年以上も燻ぶっているくらいだから、私のポンコツぶりは相当だとおわかりいただけると思う。

離婚して実家に子供

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“映画の感想”ではなく、映画を観に行った平凡な一日のお話。

“映画の感想”ではなく、映画を観に行った平凡な一日のお話。

昨日『インサイド・ヘッド2』を観に行ってきた。
午後も3時を過ぎた頃、唐突に行くことを決めたため、計画も準備もあったもんじゃない。
きっかけはnoteの記事で、やけに『ルックバック』を観てきた人の感想を目にしたこと。へぇ、そんなに面白いんだ、とちょっとした好奇心でネット検索。近くの映画館で上映しているか一応調べてみる。あれ? 公開してなさそう。もう終わってしまったのか、とちょっと残念に思っていたら

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なんにもない一日の、ありがたみを思い知った日。

なんにもない一日の、ありがたみを思い知った日。

昨日、救急車を呼んでしまった。
書こうかどうしようか迷ったけど、“喉元すぎればなんとやら”で、切実に思ったことや感じたことを忘れてしまいそうだと思い、残しておくことにした。

死ぬかと思った。
症状は熱中症と過呼吸。正体を知れば、全然死に至るような重症じゃないと理解できる。
でも渦中にいた時は、だんだん意識が狭まっていくし、手足が痺れて呼吸が苦しくなっていくしでパニックに陥った。
「しゃべれなく

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【創作】陽だまり旋風

【創作】陽だまり旋風

姉のひなたが四歳の息子、太陽の手を引いて実家に出戻ってきた。太陽は姉が二十一の時に、超安産で産んだ子だ。
「かんな、久しぶり〜!姉ちゃん出戻ってきちゃったよ、てへ。しばらくお世話になるね〜」
玄関先であっけらかんと明るくそう言った姉の横で、太陽は黙ってちょこんと頭を下げる。
「みゃあん」
チリリと鈴を鳴らし、我が家のアイドル“あんこ”が姉たちを出迎える。
「あんー!ただいまぁ」
姉がボストンバッグ

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読書記録⑬『愛なき世界』三浦しをん著

読書記録⑬『愛なき世界』三浦しをん著

この本は前々から少し気になっていた。著者の三浦しをんさんの書く世界観がすごく素敵だから。『舟を編む』『格闘する者に◯』『まほろ駅前多田便利軒』‥‥他にも何冊か読んだ。『舟を編む』は映画にもなった名著だから、知っている人も多いと思う。この著者の作品を読んでいつも思うことは「取材と下調べ、相当したんだろうなぁ」ということ。

小説家は壮大な嘘つきにならなければいけない。自分の知らないことでも、知ってい

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