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2021年1月の記事一覧
掌編小説②「雨」「話す」「机」
雨が降っている日に、建物の中にいるのが好きだ。
雨のように、広範囲にわたる何か大きなものから、守られているような気分になるし、曇天で薄暗くなった外とは対照的な屋内の雰囲気の明るさに、胸がどことなくワクワクする。
それはたぶん、小さい頃の記憶が思い出されるからかもしれない。
父が、いらなくなった大きめのダンボールを持って帰ってくることがたまにあった。小学一年生の子供が二人入れるくらいの大き
雨が降っている日に、建物の中にいるのが好きだ。
雨のように、広範囲にわたる何か大きなものから、守られているような気分になるし、曇天で薄暗くなった外とは対照的な屋内の雰囲気の明るさに、胸がどことなくワクワクする。
それはたぶん、小さい頃の記憶が思い出されるからかもしれない。
父が、いらなくなった大きめのダンボールを持って帰ってくることがたまにあった。小学一年生の子供が二人入れるくらいの大き