「別れみち」ー詩ー

歩き続けていると
これまで
多くの　別れ道に
出会ってきた

母さんの　薄い胸が
ゆっくりと　動きを
止めた　病院の窓際ベッド。
まだ　行かないでと
ガサガサの手を　固く
握りしめていたが
天国への　道へと
歩いて　いってしまった
お見舞いの　サフランの紫の花が
さよならの言葉を
花びらに　載せていた

夕暮れの　成田空港ロビー
ロンドンへの　機上人となる
君の目を　じっと見つめながら
手荷物を　渡す

「気を付けてな
たまには　連絡しろよ」
「うん　わかった
ロンドンに　遊びにきてよ」
嚙み合わない　言葉が
チェッインカウンターの上で
転がり続ける
何度も　振り返りながら
出国していく
君の　ベージュのコートを
今でも　渋谷の　人混みの中に
探してしまう
風が教えてくれた
スコットランドの
エディバラで
人の妻として　
暮らしていると….　
空港ロビーで　感じた風は
別れ道の　風だったのだ

最後まで　読んでいただきありがとうございます。
これからも　お心をなごますような詩を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
いただければ　子犬のようになつきます🐱🐱🐱🐱

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