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#忘れられない恋物語

「恋」をテーマにした小説、マンガ、映画、ドラマや、みなさん自身の「忘れられない恋」の体験談、オリジナルの創作作品などをお待ちしています!

人気の記事一覧

27.分岐点は君がため①

“人に迷惑をかけない”  それは恋愛においても、彼女に対しても変わらない。  むしろ、大切な人ほどその想いは強くなる。   小学生の頃、迷惑をかけてしまったことで女子たちに虐げられた思い出がある。[10.何が迷惑になるかわからないから 参照]  それ以前から女子と喋ることが苦手な部類だったが、ますます苦手になった。それが風化したのち、いじられキャラとして定着し、いじったり、いじられることによって女子とも絡めるようになり仲良くなった。仲良くなったといっても、基本的にはいじった

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【詩】海の欠片

海に心を浮かべたら 波がどこまでも揺らめいて 行き着く先は願う先 あの夏の海岸で 二人で付けた足跡に 静かに打ち寄せられたなら そっと想いを辿りつつ まだ疼く残り火を 小さな海の欠片に変える 今度こそ 時の波間に置いて行く あのきらめきの中に 置いて行く 見送る心に沁みるのは 海の水か 涙の水か 詩集が出ました

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28.分岐点は君がため②

 元カノ・Kちゃんとのお話。     [前話:27.分岐点は君がため① ]  Kちゃんとの出会いは23歳のとき、とあるチャットアプリだった。Kちゃんは同い年で看護士。住まいは同じ近畿だが、お互いの最寄り駅までは1時間ほどの距離だった。連絡を取り合っているうちに意気投合し、毎日連絡を取り合う仲になった。  Kちゃんと出会った頃、俺はリラクゼーションサロンで正社員として勤務していたが、辞めることを決意していた。入職当初から辞めたいという気持ちはあったがズルズルと2年弱、会社の

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29.分岐点は君がため③

 元カノ・Kちゃんとのお話。     [前話:28.分岐点は君がため②]  Kちゃんと付き合うことになった俺は、とりあえず近畿で転職活動することに決めた。しかし、まったく進んでいなかった。“人に迷惑をかけない”そんな俺に、そもそも目標や夢なんてない。特にやりたいこともない。  人の役に立つことがしたいという気持ちは漠然とあった。人の役に立つとは、どういうことなんだろう。人の手助けを必要としているのは、どんな人たちだろう。病人・ケガ人、障害者、高齢者、子ども、被災者……考え出

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【note創作大賞2024恋愛小説部門】君は僕のアンドロメダ③

次の日、ノックの音で目を覚ました。 机の上にある時計は10:00と表示していた。 目をこすって起き上がる。 ドアの向こう側には心配そうな西村さんの顔が見えた。 「姫宮さん体調はどうですか?」 「えっと…大丈夫です」 「頭の痛みも平気ですか?」 頭を縦に振りコクっと頷く。 西村さんは安堵した表情でよかったと呟いた。 西村さんがカーテンを開けて部屋にきらきらと光が差し込む。 窓の外は夜の闇なんてなかったかのように青く透き通っていた。 「では私は朝食とってきま

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いなくなったきみへ | #創作大賞感想

 rinさんの「いなくなったきみへ」は、今年の創作大賞に応募されている作品を読んでいる中で出会いました。  「いなくなったきみへ」は、恋愛小説です。  恋愛小説というものは、誰にも書ける小説でありながら、誰にも書けない小説でもあります。  自らの経験を虚実織り交ぜながら書き連ねれば、一応書くことはできます。しかし、物語として恋愛小説を1から書いていくことは難しいことです。  どうしても、最後に結ばれたとか別れたとか、新たな人を見つけたという平板なオチになりがち。  「

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【note創作大賞2024恋愛小説部門】君は僕のアンドロメダ④

翌日も理学療法に行かなかった。 また体に力が入りにくくなったと朝の診察で伝えると午後に検査室へ行く運びになった。 いつも通り身支度を整え看護師さんに検査室まで付き添ってもらう。 移動する時にりずちゃんとすれ違った。 ばちっと目が合って私の心臓にある砂時計が砂を落とすのをやめた。 りずちゃんも私の顔を見つめて歩くスピードが少し落ちる。 りずちゃんの口が言葉をだそうと動き始めるのが見えた。 2人の「また明日」の約束を破って理学療法を休んでしまったことの後ろめたさが襲

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【女子高生エッセイ】『花火と共に弾けてく🌻⚡️』

夜空に綺麗に花が咲いた。 この一瞬のために職人たちはどれだけ時間を費やしてきたのか。 感動して涙がこぼれた。 隣に座る友人は動画を回していた。 「ハートの花火、超かわいくない?」 花火の儚い破裂音とは程遠いきゃぴきゃぴした声が右耳を通過した。 私にとって彼女の声はノイズでしかなかった。 「ね~聞いてる?」 「え、あぁ、うん」 「やっぱ花火映えるぅ!」 私は彼女の言葉を無視して頬に伝った涙のあたたかさを感じていた。 フィナーレになった頃、彼女はまた私の右耳

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【詩】あの笑顔

開けた扉が窓からの 風を受けて揺れている 爽やかが舞っている 巻き戻るような午後の時間 行きつく先は 今も心揺さぶるあの笑顔 時が無限にあった頃 いつまでも そばにあると思っていた 時には限りがあるのだと 知って大人になるのなら 失くした笑顔が 私の大人の境界線 ふと風に乗り 幼かった後悔に 少し揺れた今日の午後

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とんだエスカルゴ

今から20年近く前、秋が深まったころ。 ある日の夕方、私は洋風居酒屋にいた。 友人が企画した3対3の合コンに欠員が出たため、召集されたのだ。 普段は積極的に合コンに参加しない私だが、友人が後日ケーキをおごってくれるというので、参加することにした。 洋風居酒屋は、男性たちのセレクト。 料理はアラカルトだったので、男性陣が気を利かせて注文してくれた。 初対面ながらもお酒の力で徐々に打ち解け、会話も弾みだしたころ。 「お待たせしました」 テーブルに運ばれてきたのは、エスカ

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【詩】まだ今の中

初夏の日差しと春の風 行ったり来たりを繰り返し 季節が少しずつ歩んでいく 思い出すには近すぎて まだ今の中 振り返るには早過ぎて まだ今の中 心には居るのに もう居ない あいまいさが涙で潤み そこに見えそうな 寂しさの中 きっと 行ったり来たりを繰り返し 心も少しずつ歩むはず 思い出すには 忘れることが必要だから あなたは今どこにいますか

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【詩】駅

特別が普通になっていく 切なさがやさしくなっていく 痛みまでが苦笑い 増えていくのは懐かしさだけ とうとう思い出になっていく 過ぎた時間の長さではなく 生きた時間の長さでしか 変わらない とうとう思い出になっていく 降りる当てを失くした駅も 早く過ぎてと祈った日々も 今は昔 そっと降り立ち振り返る 私の生きた時間を確かめるため

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【note創作大賞2024恋愛小説部門】君は僕のアンドロメダ②

【第1章】『2つの星座』 [第1節]星に救われた女の子 小さな頃は、夜が怖かった。 ママが手を握ってくれても震えて眠れないことがあった。 絵本の世界にはキラキラ輝く"おほしさま"がいるのに、私はおほしさまを見たことがなかった。 「ママ、おほしさま見たいよ。」 「そうだね、この辺じゃ見えないからね」 この街は明るすぎて、本当はお空にたくさんいるおほしさまが隠れてしまっているらしい。 「ママ、おほしさまがいるところまで行ってみたいよ」 そう言うと、ママは困った顔

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「泡に 思い出の花が咲く」詩―炭酸刺繡 盛夏編企画応募

思い切って あなたを誘った 隅田川花火大会  人の波に まぎれないように そっと 手を繋ぐ ボクの胸は 打ち上げ花火の フィナーレのように 激しく ときめく 炭酸の泡は 舞い上がり 空で 花火として咲く 泡の一粒 一粒に あなたの トパーズ色の面影が 映って はじけ 光る 打ち上げ花火は 泡を集め 暗い空に 金糸の幻を 縫い上げて 刹那色に身を焼く 花火が うちあがるたびに 「あーぁ」とあなたの ため息が 広がる 煌めきの 泡粒は あなたの 唇と長い髪を ボンヤリと

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『りぼん』に載りそうな1ページ。

あれは、中学2年生のころ。 初めて好きな人ができた。 彼は同級生で、少しオタク気質だけど、背が高く顔がかっこいい人。 仲のいい男友達の親友だった。 とはいえ、当時の私はまともに恋愛するのも初めてだから、彼がこちらを向いただけでキャーキャー騒ぐぐらいしかできない。 男友達を介して話す機会を作ってもらっても、緊張して全く喋れなかった。 毎日、違うクラスの彼を友達と見に行っては、目が合うと騒いでという日々が、本当に楽しかった。 私は、不器用で素直になれない、恋に恋する女子中学

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愛された女性の人生の象徴 | 江國香織「冷静と情熱のあいだ」

 「冷静と情熱のあいだ」のヒロインあおいには、身につまされる悲哀がある。彼女が、底知れない痛みを抱えながら、最愛ではないが申し分のない恋人の庇護下で美しく静かに暮らす様子には、心をとらえられる。  作中、ジュエリーについての記述のなかに「愛された女性の人生の象徴」という言葉があり、かつてそれにひどく憧れた。  そしていま、ジュエリーは愛する人の存在を確かめるために身に着けると決めている。贈られたものでも、自分で買ったものでも。ジュエリーは肌に隙間なく身に着けられるから、愛を

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【note創作大賞2024恋愛小説部門】君は僕のアンドロメダ⑤

[第2節] 僕は出来損ないだった。 物心がついた時にはすでにできた兄と比べられて育った。 成功しか知らない親と優秀な兄。 僕は平凡すぎた。 他の子より秀でたものなんて持ち合わせていなかった。 僕は優秀な一家には必要のない存在だった。 「あなたなんて産まなきゃよかった。」 母親に何度頬をぶたれただろう。 父も兄も母を止めることなく見守るだけだった。 僕が家族に自分から口を開くことは許されなかった。 大好きな母にごめんなさいを言うこともできなかった。 僕の心

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本能的にクズが好きみたい

「あ、この人気になるかも。好きかも」 そう思う段階が私は早い。 ちょうど、今好きな人と出会って1ヶ月くらいが経った。 でも、人の本性出るのは1ヶ月以降だと勝手に思っているので、それまでは告白も付き合うこともなく様子を見るようにしている。 "人の本性が出るのは1ヶ月以降" って自論すぎるけど、結構これに救われてる。 なぜなら、その好きな人には1週間前まで彼女いたということが昨日発覚したから。 もう、言いたいことありすぎて、ため息しかでない。 前述の通り、私は惚れやすい

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短編 | はつこい

「智宏さん、なにしてるの?」 「あぁ、小学生の頃の日記が出てきてね。」 「あら、懐かしいわね。もしかして、私もあなたの日記の中に登場してるのかしら」 「いや、千賀子のことはどうかなぁ。書いてあるかなぁ。」  私は今、古い日記帳を読んでいる。増えてしまった本の整理をしているとき、小学生の頃、毎日書いていた日記帳をたまたま見つけたのだ。  昭和59年11月✕日。小学2年生のときの日付だ。この日は、私にとって、大きな転機になった日のはずだ。しかし、その日の日記に限って、日

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隣が彼じゃないなら退屈な日々

丈の長いスカートを履いて歩くと裾が足に当たって心地良い。まるで自分が風を纏っているような、そんな気持ちになって足取りが軽くなる。見上げると空が青くて、なのに突然雨が降り出したりする。夏の雨は冷たくない。雨に打たれているのに笑っている人の顔が思い浮かぶ、そんな雨。 散歩の帰り道の途中で歩くのがしんどくなった私を、彼がおんぶしてくれた。「恥ずかしいから大丈夫、腕をかしてくれたら歩けるから」と言ったら「お姫様抱っこして歩くわけじゃないんだから言うこと聞いて」と言われて、頷くしかな

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