Jiiさん

1991年生まれ。 『迷惑をかけない』それを意識しすぎるあまり自分が分からなくなること…

Jiiさん

1991年生まれ。 『迷惑をかけない』それを意識しすぎるあまり自分が分からなくなることがある。「もっと自分を出したい」って思っても、迷惑かけないように、不快にさせないように、顔色伺い同調しながら関わる、結局自分を出せない。どうしたらもっと自分を出せるだろう……そうだ!エッセイだ!

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【俺のプロローグ 〜迷惑をかけない〜 】

【俺のプロローグ 〜迷惑をかけない〜 】 “人に迷惑をかけない”  それが俺の生き方。 「夢」や「目標」そんなものはない。ないというより分からないというほうが正しい。分からない“人に迷惑をかけない”そうやって生きているから。 “人に迷惑をかけない”  人の顔色、感情の変化、人間関係などあらゆることにアンテナを張る。  人の発言の意図や裏側を考える。  時と場合、環境や立場が変わると俺は変わる。その場での自分の立ち位置、自分がどう振る舞うべきか、自分の役割は何かを考え自分を

    • 【俺はそんなヤツじゃない②】

      “人に迷惑をかけない”  そうやって生きている俺は、自分のことなど気にしない。迷惑かけなればそれでいい。  そんな俺は、職場の人たちや俺のことをよく知らない人たちからは、真面目、大人しい、優しそう、ちゃんとしてる、そういった印象を持たれることが多い。  だが俺は、みんなが思っているようなヤツじゃない。  俺は人並みに清潔感もあるし、昔から比較的健康に育った。ただ、ある一箇所だけ体の部位で弱いところがある………  『歯』だ。  保育園の頃、虫歯が何本もできた。俺は幼少

      • 【笑われるを知る】

         5歳のとき、保育園のお遊戯会で劇をした。  演目は『泣いた赤鬼』という童話。 『人間と仲良くなりたいと思う赤鬼。しかし、怖がられてしまうため仲良くなれず、悲しむ赤鬼。友達の青鬼が「ぼくが人間の村を襲って暴れるから、そこへ赤鬼が登場し、青鬼をこらしめる。そうすれば人間たちが優しい鬼だと分かってくれる」と提案。青鬼はそれを強引に実行し、青鬼をこらしめた赤鬼は人間と仲良くなる。そして村人に嫌われた青鬼はひとり、村を離れて旅に出る』  というお話。  めっちゃいい話。泣けるなぁ。

        • 【初めての本気土下座】

           大阪と実家のある四国を行き来するとき、俺は電車を使うことが多い。大阪〜岡山は新幹線に乗り、岡山で電車を乗り換える。  25歳のとき。実家に帰省していた俺は、大阪へ戻るため、いつも通り電車で岡山まで向かった。22時〜23時の終電に近い新幹線に乗る予定で地元の駅を出たが、雨の影響で電車が遅延してしまい岡山に着く頃には、最終の新幹線には間に合わないことが確定。岡山で一泊しないといけなくなった。 「どうしようかぁ……」と悩んでいると、幼なじみが岡山で一人暮らししていることを思い出し

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        【俺のプロローグ 〜迷惑をかけない〜 】

          【何が迷惑になるか分からないから】

           うちの小学校では毎年、学習発表会という行事があって、それは学芸会みたいなもので各学年ごとに舞台上で劇をしたり、ダンスをしたり、調べ学習のことを発表したりする。発表会の当日には、保護者や町の教育委員の人も観覧に来るような年に一度の行事。  小学3年のとき『さんねん峠』という童話の劇をした。俺は主役のおじいさん役になった。  本番3日前に総練習があって、開会から閉会までの流れを通し、全校生徒と教員たちの前で実際に劇を披露した。  ――そのとき俺は、セリフのミス、動きのミスを犯し

          【何が迷惑になるか分からないから】

          【普通名詞の関係】

           父の仕事は船乗りで仕事に出ると3〜4ヶ月程、家には帰ってこない。その間、家の事や子どもたちの世話は母が担う。我々に母が怒ることもあったけど、明るく優しい母だったから怖くはないし、母からだけの叱咤には慣れてくる。反発して言い返すことも多々あった。  俺には5つ上の兄がいる。  俺が小学校低学年のとき、中学生だった兄は反抗期へと突入した。  兄は自分の思い通りにいかないことがとにかく気に食わず、それを感情のままにぶつけてくるし、己の利己的な要求を突きつける度に、あるいは母が叱

          【普通名詞の関係】

          【もしも俺が魚だったら】

           俺は時々、突然何かに興味を持ったりする。そのことについて、調べるか、調べないかは気分次第。  そんな感じで、あるとき興味を持ったことの1つ、  ジュゴン。  みんなジュゴン分かるかな? ジュゴンって聞いてどんな姿か思い描けてる?  ジュゴンって人魚のモデルっていわれてるんやけど、もしそうだとしたら人魚の体型って、なんか思ってたよりもあれだね。  気になる人は、ジュゴン調べてみて。ほらほら。  俺が初めてジュゴンのこと調べたときは、ジュゴンが見れる水族館は世界に4つぐら

          【もしも俺が魚だったら】

          【砕け散った好奇心】

           うちの町では、5歳でそれぞれの保育園を卒園した後、町に1つだけの幼稚園に全員が入園するシステムになっていた。  幼稚園のときのお遊戯会で全組合同での合奏があった。  全員で50人ほどの園児が1つになり音を奏でる。なかなか大掛かりだ。だからこそ、期待と好奇心が湧き立つ。  様々な楽器が目の前に広がる。なかには初めて見る楽器がいくつもあり、そんな楽器の数々に、幼い好奇心がキラキラ光った。 「これは木琴といいます」「これはシンバルといいます」「これはタンバリンといいます」先生が

          【砕け散った好奇心】

          毎週、1つか2つずつエッセイ載せていきます。 できれば下から、古いものから順番に読んでほしいです。

          毎週、1つか2つずつエッセイ載せていきます。 できれば下から、古いものから順番に読んでほしいです。

          【今の自分は好きですか?】

           俺は専門学校・S校に入学してからずっと皆勤だった。  19、20歳の血気盛んな時期であるがゆえに学校をサボる人も多かった。昼休みにゲーセンのパチンコが当たり「俺このままおるわ」と、そのまま打ち続け学校をサボるやつまでいた。ゲーセンのパチンコで……。  そんな中で皆勤者は希少人種だった。皆勤であるからには、このまま卒業まで皆勤を目指すと俺は決めていた。それは“大人しくて真面目な人”としてふさわしい功績だ。  ところがどっこい  2年目の10月。  1限目の授業は午前9時1

          【今の自分は好きですか?】

          【上阪での失敗】

           高校を卒業して、大阪にある専門学校に進学した。  高校生だった当時、元々は就職希望だったが、学校にある求人票を見てもやりたいと思うものがなかった。そもそもなりたい自分も、やりたい仕事も分からなかった。“人に迷惑をかけたくない”そうやって過ごしてきたから。  むしろ、高校生の段階でやりたいことが見つかっている人の方が珍しいんじゃないかなって思う。  毎年、大手の自動車製造会社4社から、うちの学校に各1名ずつの募集があって野球部からそこへ就職する人も多かった。俺もそのレール

          【上阪での失敗】

          【部活の話 〜俺はキャプテン向いてない〜 】

           俺は高校生のとき、野球部のキャプテンだった。  “人に迷惑をかけない”そうやって生きている俺。  そんなヤツがキャプテンなんて向いてない。  中学のとき、ある試合で俺はセンターを守っていた。  「カキーン!」センターにボールが転がってくる。自分の元へ転がってくるボールを迎え入れるように、俺は優しくグローブを差し出した。  ――ないっ!!  グローブに入っているはずのボールが消えた……。  俺はトンネルと化し、ボールは俺というトンネルを「ちょっと通りますよー」と言わんとばか

          【部活の話 〜俺はキャプテン向いてない〜 】

          【俺はそんなヤツじゃない①】

          “人に迷惑をかけない”  そうやって生きている俺は、自分のことなど気にしない。迷惑かけなればそれでいい。  そんな俺は、職場の人たちや俺のことをよく知らない人たちからは、真面目、大人しい、優しそう、ちゃんとしてる、そういった印象を持たれることが多い。  身長173センチ、体重65キロ。昔から顔が小さい、スタイルがいいなどとよく言われ、今でも実年齢よりは若く見られることがほとんど。そんな俺は全然モテなかったワケでもない。付き合った人数は片手以上、両手未満。  だが俺は、みん

          【俺はそんなヤツじゃない①】

          【迷惑をかけないは迷惑をかけた】

           俺が生まれたとき、じいちゃんはすでにこの世にいなかった。1人は病気で、1人は落石事故で亡くなったらしい。  父方のばあちゃんは5歳のときに、母方のばあちゃんは8歳のときに亡くなった。  じいちゃんとの思い出はもちろん全くないし、ばあちゃんとの思い出もほとんどない。記憶の中のばあちゃんの顔や声も朧げだ。  父方のばあちゃんは、同じ敷地内の我が家のすぐ隣に住んでいた。  俺はわりとおばあちゃん子だったと思う。畑仕事をするばあちゃんによくついて回ったり、ばあちゃんと一緒に銭湯に

          【迷惑をかけないは迷惑をかけた】