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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#訪問看護

リハビリとは生活をつくること

リハビリとは生活をつくること

わたしは直腸がん切除の手術後で退院11日目です。直腸・肛門を全摘したのでお尻からうんちが出ず、人工肛門となっております。

作業療法士として自身の身体と相談しつつ手探りで何ができるかを考え、生活を作り上げていきます。

生活

がん手術前は化学療法と放射線治療の副作用に苦しみ…、

手術後は合併症があり…、

退院後は生活不活発病で体力はガタ落ち。

体調が変わるたびに自分に

「どう?歩けるかい

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【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

「なんか調子が悪いな。」
「〇〇が痛いな。」



「今日は動くのやめとこ。」



生活縮小が積み重なる



身体機能低下



生活縮小

はたまた

「おい、これやってくれ。」と妻に頼む夫

「わたしがしますから、おばあちゃんはゆっくりしてね。」と
嫁、娘が率先して家事などを行い、家での役割がなくなる祖母



生活縮小



身体機能低下

いずれも生活不活発病の

典型的な

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【高齢者の健康】手、身体、頭を使い続けること

【高齢者の健康】手、身体、頭を使い続けること

高齢者は

手と身体と頭を使わないと衰えます

ですので

毎日いかにそれらを生活の中で使っていくか

が健康寿命を伸ばす手段です。

その中の手段として

〇〇体操、△△療法など

色々あると思います。

どうせ手、身体、頭を使うなら

効率よく効果的にという発想ですよね。

それらは普段の生活に加えて

スパイスとして

有効と感じます。

娘や息子と同居して

家事を全部やってもらうなんて

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【高齢期リハ・ケア】4つの不足が老化を速める

【高齢期リハ・ケア】4つの不足が老化を速める

食べねえ

飲まねえ

出ねえ(便が)

動かねえ

この4つの「ねえ(ない)」は

健康だろうが

何かしら障害があろうが

赤子だろうが高齢者だろうが

ひとつでも崩れると

心身に影響が出ます。

心身が崩れると生活に影響が出て

またまた心身が崩れます。

4つの「ねえ」は

生活不活発病の入口です。

若いうちならすぐに修正できますが

高齢になると

4つの「ねえ」を修正することが

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【高齢期リハビリ】利用者にとってセラピストはガチャガチャ

【高齢期リハビリ】利用者にとってセラピストはガチャガチャ

経験のあるセラピストリハビリの専門家でも

わからんものはわからん!

知らないことは知らない

できないことはできない

逆にできることは説明し

同意を得た上で進めていく。

年数が経っていくと

自分の技術と経験が

対象者とマッチするかどうかの

判断がつくようになってきます。

ある意味、白黒がつけられる

ようになります。

知らないこと、対応できないことは

勉強することが前提ですが

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【高齢期リハビリ】リハビリは点を線にしよう

【高齢期リハビリ】リハビリは点を線にしよう

1日の4%1週間の0.59%これは1日、あるいは1週間に占める

訪問リハビリ時間の割合です。

※訪問リハ1時間として

短いですね。

たとえば、この短い時間で

筋トレしたとします。

効果は…ないとは言い切れませんが

極めて少ないと予測されます。

※エビデンス的にも効果は低いといえます

歩行練習や動作練習

ストレッチなども同じことが

いえるのではないでしょうか。

セラピストが関

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【高齢期ケア・リハ】90歳変わりない生活をおくること

【高齢期ケア・リハ】90歳変わりない生活をおくること

「生活に変わりないですか?」と訪問リハビリではよくこちらの質問をします。

「変わりないですよ。」とニコッとされると

わたしは一安心します。

変わりなく生活することとは?
 特に90代の生活が安定している方が

このように答えてくださると

本当に安心します。

なぜなら

90代の方が変わりない生活ができると

いうことは

活動と休息のバランスが良く

生活不活発病になっていないという

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【高齢期ケア】老衰前のケア・リハ

【高齢期ケア】老衰前のケア・リハ

老衰「亡くなる準備をされているのかな。」

訪問リハビリをしていますと

感じることです。

どちらかの医師がテレビで仰ってましたが

亡くなる前は自ら

食べない、飲まないを

自然に行うようですね。

わたしも自分の祖母も含めて

老衰の方をみてきました。

わたしの祖母は93で亡くなりましたが

最期の一週間前くらいから

自らの意思で食べない、飲まないように

みえました。

食べない・飲

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【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

生活習慣とリハビリは非常に相性が

良いと常日頃思っておりまして。

体調が崩れる・身体が弱る理由

病気や体調にしても

身体機能、精神面にしても

生活習慣によって良い方向にも

悪い方向にもいくのは

なんとなく私達も実感としてあると

思います。

睡眠不足や脱水、低栄養であれば

その日は

頭がボーッとしますし

身体も何かだるい。

一日動かなければ

寝付きも悪くなるし

身体がな

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【高齢期ケア・リハ】自ら動きたくなる活動を生活に取り入れよう

【高齢期ケア・リハ】自ら動きたくなる活動を生活に取り入れよう

90代の女性で

ひとりで近所の友人宅へ行ったり

庭の草引きをしたり

散歩したり

結構アクティブな方でがいらっしゃいました。

ある日

自分から動くことも

家族とお話することも

ぱったり途絶えました。

脳梗塞でした。

運動障害はないのですが

自発的に動いたり

周りに興味を示さなくなったのです。

どんなケア・リハが必要でしょうか?

ケアマネさんやご家族から

計算・音読など認

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【高齢期リハビリ】身体に触れるリハビリをしなくても高齢者は健康にむかう

【高齢期リハビリ】身体に触れるリハビリをしなくても高齢者は健康にむかう

高齢者のリハビリに携わって丸15年経ちました。

ここ数年は

身体評価とリスク管理、コミュニケーション以外で

ご利用者に触れることが少なくなりました。

身体に触れなくても

要支援、要介護の方は良くなっていくんだな

と最近よく思います。

作業療法士は
心身を自身や家族で管理できるよう促すこと

生活を工夫してご利用者と作り上げていくこと

できている生活を励ましていくこと

疾患や老化の

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【高齢期リハビリ】寝たきりの入り口

【高齢期リハビリ】寝たきりの入り口

寝たきりは些細なことから始まります。

たくさん今までご利用者をみてきました中で今回もそんなお話をしていきますね。

こちらが前回のものです。よろしければ読んでみてくださいね。

寝たきり

はじまりは些細なことなんです。

高齢で何かしらの病気や体調不良が

起こった後に起こりやすいんです。

寝たきり入り口の方の特徴そんな寝たきりの入り口におられる方の

特徴は

寝間着のまま過ごす

です。

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【高齢期ケア】回想法の効果

【高齢期ケア】回想法の効果

今回は回想法についてお話しますね。

わたしも臨床で行うことが多く、抑うつ状態の緩和、精神安定に非常に有効と実感しています。

ほぼ寝たきり、閉じこもりの方が生活に積極的になり元気になられた方もおられました。

実践からの回想法解釈わたしは作業療法士なので「生活のモチベーション」と絡めて解釈しました。

生活モチベーションを維持するパターン人生を振り返ったとき、「私はよく頑張ってきた」と思える方は

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