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【高齢期ケア】回想法の効果

今回は回想法についてお話しますね。

わたしも臨床で行うことが多く、抑うつ状態の緩和、精神安定に非常に有効と実感しています。

ほぼ寝たきり、閉じこもりの方が生活に積極的になり元気になられた方もおられました。

実践からの回想法解釈

わたしは作業療法士なので「生活のモチベーション」と絡めて解釈しました。

生活モチベーションを維持するパターン

人生を振り返ったとき、「私はよく頑張ってきた」と思える方は「これからも頑張れるはず」と思える可能性が高いと考えます。

過去の自分→O.K.
今の自分→O.K.
これからの自分→O.K.

と、回想法をすることでさらに自分を肯定することができ、生活のモチベーションをキープできる可能性が高いです。

生活モチベーションを回復するパターン

今の自分がNot O.K.と感じていても

過去の自分がO.Kであれば

回想をすることにより

これからの自分もO.K.になる可能性があります。

今の自分→Not O.K.
過去の自分→O.K. ここを回想法にて思い出し肯定的な自分へ戻していく

すると

これからの自分→O.K

につながる可能性があります。

つまり生活のモチベーションが回復するということです。

「今がだめでも過去、苦難を乗り越えてきたから、これから頑張れるはず」

といった思考です。

回想法に適さない方

ただし、

過去の自分がNot O.K.と感じている場合、回想法は要注意です。

「若いときから何をしてもうまくいかなかった」

「いい思い出がない」

という方は

今の自分もこれからの自分も否定しやすくなります。

「昔から何もかもうまくいかない、だから、これからもうまくいかない」という考えです。

過去の自分→Not O.K.
今の自分→Not O.K.
これからの自分→Not O.K.

ですね。

回想法は非常に有効と考えられますが、使う際は対象者が過去の自分や人生をどう捉えているか注意が必要と考えられます。

参考)回想法について

1960年代にアメリカの精神科医ロバートバトラーさんが開発された手法です。過去のことを話すことで精神安定と認知機能の改善が期待される心理療法です。
※ウィキペディア「回想法」を参考

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

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