見出し画像

#322 「ビジネス頭の体操」 6月2日、3日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


6月2日(水) イタリアワインは世界No.1!?

イタリア大使館とイタリア貿易振興会が2007年(平成19年)に制定した「イタリアワインの日」です。
日付は第二次世界大戦終結後に行なわれた共和制移行を問う国民投票の結果を受けて、1946年(昭和21年)に国王ウンベルト2世が退位し、イタリア共和国が建国された記念すべき日であることから。この日は、イタリアでは「共和国建国記念日」として祝日です。


イタリアワイン。
まず、お酒全体の中のワインの位置付けをみてみましょう。
日本ワイナリー協会がグラフ化した国税庁課税統計によると、平成29年の果実酒のシェアは4.4%となっています。

画像1

脱線しますが、ビールってすごいシェア低下しているんですね。

さて、先程のグラフでは徐々に増えているように見えましたが、他のお酒が多すぎてよく分かりませんでしたので国税庁「国内製造ワインの概況」からワイン(果実酒)だけ取り出したグラフをみてみます。

画像2

平成20年ごろから国産、輸入とも増えていることがわかります。この間、酒類全体では消費量が低下傾向であることと比べるとワインの位置付けが上がってきていることがわかります。

また脱線しますが、国産のワインの産地、1位は山梨、とわかると思いますが、2位、3位、4位、5位となると想像つきますでしょうか?以下の通りです(出典:同)。

画像3


一方で、輸入ワインのシェアはまだ高いのですが、どこから輸入されるのでしょうか?メルシャン「ワイン参考資料」によると、2019年は僅差でチリが1位で2位がフランス、そして今日の主役、イタリアは3位、となっています。

画像4


ちなみに、スパークリングワインは、以下のようにフランスが圧倒的です。2019年に大きく増えているのは、2月に日欧EAP発効による関税即時撤廃の影響でEU各国産の輸入量が大幅に増加したことによるものです。

画像5


日本の輸入量では第3位となったイタリアワインですが、生産量では世界1位です(出典:O.I.V. 国際ブドウ・ワイン機構)。

画像6


一方、一人あたりワイン消費量が多い国は、以下の通りです(出典:メルシャン「ワイン参考資料」)。

画像7


→イタリアワイン。世界では生産量1位だが、日本の輸入量ではチリが1位。価格があるのかもしれないが、他にどのような要因が考えられるだろうか?


6月3日(木) 日本は年に○センチ動いている!?

1989年(平成元年)に建設省(現:国土交通省)、国土地理院などが制定した「測量の日」です。
1949年(昭和24年)のこの日、測量を正確、円滑に行うことを目的とし、基本測量や公共測量の定義などを定めた「測量法」が公布され、その40周年を記念したもの。

測量
調べようと国土地理院のホームページを見ると、色々と面白いデータがありました。今回はそちらをご紹介します。

まず、つくばに「地図と測量の科学館」という施設があります。こんな状況ではありますが、6月27日までの企画展が「-国土の把握に懸けた測量技師の記録-一等三角点物語」。ワクワクしますね(個人の感想です)。

画像8


さて、出かけることができない、という方のために、「測量の日特別企画 お家で学ぶ 地図と測量の世界2021」。

画像9

まず、測量のイメージを覆す、VLBIという天体からの電波を利用して測量する方法が紹介されています。数千キロメートル離れた位置で計測して誤差わずか数ミリ、の精度だそうです。

画像10


また、測量した結果は地図になりますが、現在では、データ化され、誰でも簡単に3次元で見ることができます。よく見る国土地理院の地図が、Webブラウザ上で立体でぐりぐり動かせます(以下は国土地理院のオススメだそうです)。

画像11


そして、1997年4月から各地に置かれた電子基準点が水平方向にどれだけ動いたかを半年毎に計測し、時系列に変化が分かるようにした動画があります。東日本大震災前後では東北地方の動く方向が真逆になっている等、プレートに乗った国に住んでいることが実感できるちょっとショッキングな動画です。


他にも、第二次大戦前から現在までの年代別の航空写真が見れたり、簡単に地形断面図が作れたりと色々とできますのでご興味があればぜひご覧ください。

さて、見て学ぶ、以外に実用として使われているのが測量です。
技術の進歩で特に建築分野でかなりの効率化に活用されています。
国土交通省が推進している、i-Construction という取り組みがあります。一言で言えば、ITなど新しいテクノロジーを使って建設業界の効率を向上させよう、というものなのですが、その中で、測量は大きな役割を担っています(下図)。

画像12

例えば、土木工事では詳細な測量が欠かせません。それを、ドローンやレーザースキャナー等で3Dデータとして取り込み、その上で、CADで設計してしまうという取り組みです。これも測量技術の進歩で可能になったことです。


最後に、同じく国土交通省が取り組んでいる、日本の3D都市モデルの整備、オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU」をご紹介します。少し前に話題になったのでご存知の方も多いかもしれません。もう、サイトのトップ画面からとても国がやっているセンスではありません。よろしければご覧ください。


→測量。自動運転の前提として詳細な地図データが必要となるように、こうした地図、地形データは他にもビジネスに活用できる。自動運転、土木工事以外にどのような活用方法とビジネスが考えられるだろうか?

ちなみに、4月19日が「地図の日」でしたので、若干かぶっており、違う話題を取り上げました。日本の地図市場を知りたい方は以下をご覧ください。




最後までお読みいただきありがとうございました。

1つでも皆様の頭の体操ネタになるものがあれば嬉しいです。

昨年7月からこのような投稿をしています。だいぶ溜まりました。以下のマガジンにまとめていますので、よろしければ覗いてみてください。



この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?