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【第5回】私立古賀裕人文学祭:結果発表



御礼とご挨拶

おんれいとごあいさつ☺︎

お世話になっております、古賀コン5実行委員長の古賀裕人でございます。
この度は第5回私立古賀裕人文学賞にたくさんのご応募をいただきありがとうございました🌺

今回はなんと、73名、73作品がエントリー
古賀コン3以来の70名台でギョざいます。じぇじぇじぇ~!(歓喜)

それではさっそく古賀コン名物の全作品講評に参りますが、講評と言ってもそんな堅苦しいものでもなく、皆さまから頂いた大切なお手紙に一つひとつお返事をする、そんな感覚でやっておりますので何卒よろしくお願い申し上げます☺︎

最後にひとつお願いをさせてください。
エントリー頂いた作品をより多くの方にお届けし、参加作家の皆さまのファンを一人でも増やす!というのがこの祭りの開催意義でもありますゆえ、ぜひこの記事と、そしてお気に入りの作品をSNSにてご拡散頂けましたら幸いでございます。

じゃあ講評いってみよう!(/・ω・)/ぽぴよぴ~!(まだ言ってる)

Ⅰ. 全作品講評

テーマ:「第一座右の銘」

https://note.com/koga_hiroto_13/n/nb1003939d8c4


1. 大江信「一●入魂 対 不撓不屈」

https://twitter.com/oemakotoqq/status/1796143951516430481?t=j6W6KUIq7-H3e9Ev-v2m-Q&s=19

講評:
俺を殺そうとするんじゃないよwww
ふぁーーーwwwそうですかwww今回はそんな感じですかwww
でも最後まで読み切るまで死ねねぇ!www
返り討ちにしてやる!!!!!!!!!(エンドレス)

2. 添嶋譲「なるように、な」

https://note.com/literaryace/n/ne1c2301fe6ad

講評:
うわぁすごい。たった1時間でひと家族の修繕を描けるんだから。
非日常の中の日常を描くということの徹底を見た気がします。
設定も描写も超一流、こちらまで世界の見え方が変わったようです。
それはきっと、私たちも自分ではない誰かから何かを手渡され、無条件にそれを所持して生きねばならぬ世界に暮らしている自覚があるからでしょうね。

3. 闇雲ねね「そこのけそこのけねねが通る」

https://note.com/nee839m/n/n51dd20002e4c

講評:
うぃっ
うぃっ
うぃうぃっ
やかましいわwww
開始3作ですでに2作が「殺」絡みなのよwww
なんなんだろう?
よーいドンから書いて出すまでが早い人は物騒ってことなのかな。
ヒェッ!
返り討ちにしてやる!!!!!!!!!(エンドレス)

4. 非常口ドット『◯◯◯◯◯◯』

https://note.com/hijouguchidot/n/n6b3475b3827a

講評:
最後まですごく楽しく読むことができました。
タイトルが不思議だな~という入りから、最後の「第一」を処理する仕掛けまで、謎解きをする感覚でああでもないこうでもない考えながら夢中で読みました。
ところでみんなは『◯◯◯◯◯◯』に入る第一座右の銘、何だと思ったかな?
ノブレスオブリージュかな?
もしかしたら中学生くらいまでの方があっさり答えそう。

5. サクラクロニクル「Beginning of Iron Lilies」

https://t.co/NLP7cSYLOI

講評:
いくじなしーーーーーッッ!!!!!!!!!
最終、いくじなしなんかい!w
童貞による百合には童貞にしか生み出せない百合があるはずで。
それはMrs. GREEN APPLLEが描く青春とか、
back numberが描く純愛とか、
なんというか本質的に違うからこそ捉えられるもの、って絶対にあるのですよね。
ていうか、いくじなしって良いなぁ。

6. 野田莉帆「とにかく生きろ」

私立古賀裕人文学祭応募作品集 - 第一座右の銘『とにかく生きろ』 (syosetu.com)

講評:
また物騒なの来たこれwwwなんなのこのスタートダッシュ勢こわいwww
口悪ぅ~いw
唯一読んでたのが「ミョウガ食えおじさん」なの面白すぎwww
あのおじさん今回参加してないんだけどwww
というが口汚い文章書くのめっちゃ上手い。
これは普段から言ってないと書けないレベル。(失敬)
私も誰か閉じ込めたくなってきた。(ホラー)

7. 我那覇キヨ「ブーメラン、飛んでいるか?」

https://kakuyomu.jp/works/16818093078327805603/episodes/16818093078327984017

講評:
初っ端の「座右の銘ってのは、心に構える武器のことだ」の渋カッコよさが全く残らないほどの本格的なドラクエ講義わろた。
格ゲーにRPGにと手広くやってらっしゃる。
前回はキャラに対する熱い想いを語られておりましたが今回は武器。
ブーメラン、序盤の神アイテム。
子どもながらに「一番右の敵に当たったらもうその隣には行かんやろ」と思ってたブーメラン。
実物くっそ重くてビビった記憶あり〼。(これなら「殺れる…!」と直感)

8. 草野理恵子「ぜぜひひ」

https://twitter.com/riekopi158/status/1796195457363787810

講評:
今回のこれはまた良いな~これ良いな~これ良いな~これ。
夜の校庭修道女、歯に青のり修道女良いな~これ良いな~。
神も修道女もヒヒも、物事を正しく判断するためにはやっぱばかうけ食わにゃね。
笑わなきゃ歯は見えない。
笑いが先か、青のりが先か。
青のりの多い人生を歩みたい。

9. 小林猫太「小林寺三十六房」

https://note.com/04140414/n/n9bddb6939b8b

講評:
ジェームス古賀、サイコレイダー、小林寺と読んで確信しました。
Eテレの17時50分からの10分アニメ枠は小林猫太が引き継ぎなさい。笑
そしてそれを観て育った子どもたちが創る社会。
やばい。(確信)

10. こい瀬 伊音「ばいばい ばいばい」

https://note.com/koise_ito/n/n2b700a0e3fc5

講評:
煌めくような失恋の世界に滴る肉汁。
本当に切り刻まれて肉塊になっちゃった先輩を慰めてる訳ではありません。
ただし、形而下で無事であっても、形而上的には肉塊になっているということは有り得ますけどね!私は中学生の時その痛みにハマってしまって、付き合って2週間くらいで別れるみたいなことを繰り返していた時期がありました。
生きとし生ける全ての元カノへ、ごめんなさい。

11. 夏目ジウ『筋書きのないストーリー』

https://note.com/nice_phlox982/n/n83ff4b3fe89b

講評:
親に何か話をしなきゃいけない時って、すごくドキドキするんですよね。
自分が子どもの頃、たとえば塾に通ってみたかったり、新しい習い事をしてみたかったり、ペットを飼ってみたかったり、そんな話をするのに何日も言い出せなくて、場合によっては言えずに胸に秘めたままになったものも。
だから自分が親になってみて、娘から学校の話を聞いたり、お願いごとをされるのがすごく嬉しくて、良く話してくれた!と褒めてあげたくなるんですよね。

12. 日比野 心労「中学のときからのツレが地元でメイドバーを立ち上げるって言うから、友人割でサクラやってたら見事にハマった俺の話でもする?」

https://note.com/sinlow/n/nec76dd1989e6

講評:
その女、八重歯が特徴的でしょう!?そうなんでしょ!?
頼む!!!そうだと言って~~~!!!(?)
「ッスっ子」って良いですよね。
育ちは悪くないけど教養はあんまなくて思いやりはあるというか。
要するにチグハグな感じが、未熟さを果汁に誤認させるというかね。
そういえば昔オタクの友達が「歯を一本一本舐めてゆくと、八重歯だけが唯一甘いことに気付く」とかいうくそキモイ話をしていたのをふと思い出しました。
ちょ、嫌だな!私じゃなくて!友達の話ですよ!(滝汗)

13. じゅーり「金曜日二時間目、座右の銘の授業ののちランランラン」

https://note.com/juurijurio/n/n25de6914ea4f

講評:
最高だな~これ!
やっぱり青春ってrunなんだよな~。
私が子どもの頃、急に走り出して校庭から出て行っちゃう子って普通に居たんですよね。
今だと有り得ないですけどね。
校門は閉まっているいるし、警備員いるし。
かくいう私も友達と喧嘩して(友達はアボカドに醤油つけたらトロの味になると言い張っていて、私はアボカドに醤油をつけたらアボカドに醬油をつけた味だと主張していた)、校舎を飛び出し校庭を飛び出し、遥か彼方へ駆けて行ったことがありました。
大人になっても、あの時の脇目の振らなさ、忘れたくないですね。

14. 佐藤相平「第誤回 私立古賀裕人文学祭感想」

https://note.com/satosou/n/ndf40b1faec1a

講評:
恥ずかしくなるくらい要項を読み込まれていて顔を赤くしながら読んだw
前回の古賀コン4で全作品感想をnoteに出してくれた相平さんだからこそ書けるパロディ。
過去作からの使いまわし?もあるようだけど、コンテストに対するアプローチの数々が、しかもかなり良く練られている作戦が沢山出て来て、普通に参考になる。
古賀裕人のいじり方のバリエーションもしっかり分析されていてgood。
小林猫太もいくつかの可能性を潰されて次回以降苦しそう。

15. 赤木青緑「生きるに尽きる」

https://note.com/akakiaomidori/n/n431d452462b8

講評:
すごく良い話だし、生きる上で重要なことが書かれているし、他者に左右されない生き方に惚れ惚れするほどなのに、現実での一人称俺で内面の一人称余なのめっちゃおもしろい。
心に飼うミニ皇帝めっちゃかわいいやん。これ採用!
巷ではギャルマインドがもてはやされてるけど絶対ミニ皇帝のがええやん。皇帝ってギャルの真逆やし。
いっそのことハイブリッドでバイブスアゲ皇帝を飼っても良いかも!と一瞬考えたけれど、字面だけ見るとパリピ孔明のパクりっぽいのでやめます。

16. 渋皮ヨロイ「石褒め」

https://note.com/donerkebab/n/na7f8495d28f7

講評:
最高。これが人なんだよなこれが生活ってやつなんだよな~。
人んちって異世界なんですよ。家って全部鎖国しているんですよ。
限定的な文化交流しかなくてね、他所からすれば信じがたい文化が醸成されてるのが人んちなんですよ。
私の幼馴染の家ではドラクエもFFも、プレイする時は必ずお母さんが攻略本を片手に「そこは右」とか「その宝箱は開けちゃだめ」とか全部指示していたし、妹の同級生の家では味噌汁にイチゴが入ってましたよ。
家の中に家みたいな仏壇がある家もあったなぁ。

17. 染水翔太「川」

https://note.com/southern6344/n/n624801bd80e4

講評:
あードキドキしたぁ。こわぁ。
なになになにこれどういうやつどういうやつ~!?って超ビビりながら読み進めて、あ~良かった生きて生還した~あぶね~と思って読み終えたけど、良く考えたら全然生還してない。
自分は読者で良かったぁ。
入り込みすぎたらたとえ読者でも帰って来られないかもという予感が川面に写っていた。
けど見ないふり見ないふり。

18. 安戸染「You know me」

https://note.com/yasudo_sen/n/ne4d266773948

講評:
くっそ笑ったwww
このままR-1仕様のフリップネタが続くのかな~?と思ったらさすがの安戸節全開。
でもなんでだろう?
今回のテーマってそんなぶん殴りたくなる連想強いか!?いきなりぶん殴りはじめる奴多くないか!?笑
最後めたくそおっさんなの意味分かんなくて好き。

19. えこ「有終完美(期間限定、氷菓飲料。砂糖過剰、中空菓子)」

https://note.com/eko_sia/n/ncf9306bf170e

講評:
いよちゃん良いよ~いよちゃんかわゆいよ~
「いよちゃんは、美少女だらけの中高一貫女子校にて、いちばんかわゆい女の子である。」
これ作文の教科書に載せた方が良いだろ絶対。
美少女の中の美少女を表現する時ってさぁ、まつ毛が長いとかさぁ、小振りだけどツンと上を向いた鼻とかさぁ、そんな描写全く必要ないんだよね。
夏井先生の姿が浮かんで来るもんね。
「“いちばんかわゆい女の子”で伝わります!」言うてる夏井先生の姿が。
とにかく最高。
即答で断るところが超かわいい。

20. 野本泰地「for all?」

https://tacchi0727.hatenablog.com/entry/2024/05/31/214635

講評:
月曜朝最悪選手権優勝作品。
ふとしたきっかけでスイッチが入っちゃって子ども時代にトリップすることありますよね。
私は子どもの頃とにかく現実が嫌で嫌で音楽と小説の世界に逃げ込んでいたので、当時聞いていた音楽、エアロスミスとかレッチリとか、hideとか、ふとした瞬間に耳にするとしばらく帰って来られなくなる時ってやっぱりあります。
聴くとすべてが嫌になるので、自分では聴かないようにしているんですけどね。
充電切れた電動自転車、あれは法律で禁止した方が良いくらい重い。
人権を無視しないと出ない重さ。無理。

21. 高遠みかみ「まちなかアンケート! 100名に座右の銘を訊いてみた!」

https://note.com/isidoro_tokou/n/n71bb15c8ba9d

講評:
これぞ高遠みかみ。歴代チャンピオンの凄み。
100名を圧縮すると33名になるという我々にとっては当たり前の論理を平然と使いこなす筆力に作家の歩んだ道を見る。
開始三行で爆笑してしまい一旦落ち着くまで読み進められなかったことがややライブ感を薄めてしまい申し訳なかったが、あのまま読み進めていたら娘が起きてしまった可能性が高いので許して欲しい。
マヨネーズマンについてはきちんと説明して欲しい。

22. エンプティ・オーブン「県立第一座右の銘高校校歌」

https://note.com/emptyoven/n/nf50dd8d38914

講評:
やかましいわwww
The you の mate、一回目は耐えたけど二回目ダメだったwww
即興のダジャレみたいなものを丁寧に二回言うのおもろいんだよな~
うちの娘の学校歌にも英語出てくるんだけどめっちゃ面白くてつい笑っちゃうんだよな~

23. 栗山心「右」

https://note.com/kuriyamakokoro/n/nc0a1d9bd86c9

講評:
普通の生活するのなんでこんなに難しいんだろ~???
自分で言うのもなんだけど、私自身結構仕事は早い方で、一歩外に出ればバキバキに働くことができるんだけど、お休みの日に二度寝せずに起きたりとか、おうちを綺麗にしたり、期限までにお金を払ったりみたいな、その内やれば良いこととか、やんなくても死なないことみたいなやつってほんとなんにも全然できない。
人のためだとできる。
妻が飲み残したビールの缶を捨てるとか、娘の習い事の月謝を払うとか。
でも自分のことは全然できない。何もする気になれない。
誰よりも愛しているはずなのに。

24. ケムニマキコ「シンジくん」

https://note.com/deracinefromhell/n/nff172dca9cc7

講評:
ちょうど私が多感な中学生くらいの頃、二年か何かに一回のペースでエヴァの新刊が発売されるってんで、私たちは何を呑気に待てていたのかしらないけれど(今なら無理)、発売されると皆で本屋に行って買ってたんですよね。
そこでミサトと加持さんが付き合ってた頃のエピソードを読んで、思う訳です。
おいおい…
大学生って…
休みの日は昼間っから×××すんのかよ…!
大学!!!行くしかねえ!!!
つってね。
だから私の世代の大学進学率ってめちゃくちゃ高いんです。(適当)

25. 結城熊雄「バイ・マイ・サイ」

https://note.com/yuki_kumao/n/n6a5d6ec0dbc4

講評:
サイテーw でもドキドキw
結局、男ってオムライスとハンバーグ両方食べたいし、カレーと牛丼両方食べたいし、焼きそばとパン両方食べたいって、そう言いたいのね~!?(ただの食いしん坊)
そういえば城咲仁がまだ現役の頃、一日で複数の女の子とのデートをこなす時にイタリアンレストランの同じ席に座り続けて、女の子が入れ替わるたびに同じパスタを注文して毎回完食しているのを観た時には子どもながらにプロの意地を見た気がしましたね。
そういえば私自身、女の子とのデートのハシゴってしたことないやと気付かされました。
もう…チャンスなさそう……

26. 1/2初恋、あるいは最後の春休みの『座右の銘in暴論』

https://kakuyomu.jp/works/16818093078370485124

講評:
もう村上春樹じゃんこんなの。超好き。
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』をぶっ通しで読むのとちょうど同じカロリーを消費してちょうど同じ質量の読書体験を得た気がしますよ。
点と点が繋がり線となる。
そういった意味においてはジョブスじゃん。
炒飯はしっとり派。

27. 夏川大空「第一座•右の銘」

https://note.com/soratobuningyo/n/n628137433cad

講評:
これ好きだなぁ。
ボケるぞボケるぞと勢いよくフリを入れてから始まる正統派の童話。
確かに銘ボケを入れているんだけれど、※印までついているんだけれど、それでも物語の邪魔に全くなっていないことの方に驚くくらい。
ミケのため、当たり前のように行動できるカッパ―ルに学ぶべきことは多い。
魔女の宅急便より好き。

28.  万庭苔子「我が道を行く」

https://note.com/rocknbungaku/n/nd083d681501e

講評:
自分ルール、たどり着くのは牢獄か大空か。
大学生の頃とある教育系の勉強会に参加して「子どもに忍耐力をつけさせるのも教育の大事役割のひとつなんじゃないか」みたいな意見を言ったら参加者たちから「サディスト」「虐待」「悪魔」みたいな罵りを一斉に受けてしまい、こりゃ来るとこ間違えたなと泣きながら逃走した記憶が蘇りました。
それはておき、主人公のいう「労働」はしないという座右の銘、古賀コンにぴったりだと思いました。
古賀コンは主催者も参加者も決して労働はしない。
気の向くままに、どこまでも自由に。

29. のべたん「黄金の風」

https://note.com/famous_dahlia471/n/n50e194c8853f

講評:
どうしようくっそ感動してしまったwww
え〜、ずるいよぉ〜…
どうすんのこんな気持ちぃ〜…
あっ、親父もう居ないんだ、って…
くぅ…(;ω;)
スパシーバマーチ!(それはヴォルグ・ザンギエフ)

30. 百目鬼祐壱「第一座右の銘」

https://kakuyomu.jp/works/16818093078465866185

講評:
ずいぶん遠くまで行っちまったなぁ~。
まさに小説の醍醐味という展開で馴染のバーからアフリカの草原まで電光石火の大飛跳。
映像にするのはもったいなく、それはつまり、具象と抽象の境目にこそ宿る芸術性というものがあり、その魅力が煌めく作品でしたね。
古賀コンをいじりながら芸術をやる。確かな腕があるからこそできることです。

31. 和生吉音「座右のメェ」

https://note.com/waokitune/n/n5afc1aceed01

講評:
面白かったw
ずっとニコニコ読んでたんだけど「メェ(さぁ)」くそ笑ってしまったwww
羊絡みで全編通して洒落がきいてて、ラムのフルコースを堪能させてもらった感覚。
今回のテーマである「第一」の部分の処理もスムーズ。
こちらは映像化しても充分魅力が増す作品。
どの声優に声をあてさせるか考えるのも楽しそう。
個人的には20年前の金田朋子にお願いしたい。

32. 貞久萬「チェリオス効果 -1.0」

https://note.com/stillblue/n/n4f41896a6675

講評:
ラブレターって懐かしいなぁ。そして真衣のラブレター普通に良いんだが。
私が学生の頃って携帯電話持ちはじめの時代で、普通に連絡用でメールもするけれど、大事なことは手紙に書いて渡すような文化で過ごしたもんです。
メールで告白をするなんて卑怯者のすることで、もうその時点でごめんなさいだよねみたいな。
と書いていて、そういえば嫁と付き合い始めた時どうだったかなと考えてみたらごめんなさい、LINEで告白してました。くぅ。

33. はんぺんた『家宝を売りに行った話』

https://twitter.com/hanpenta_hanpen/status/1797145531598475501?s=46&t=w7Yz6TK-OV2U4QwHl7pGAA

講評:
あーん、悲しい~!と思っていたら鮮やかな課題処理に感嘆。
つい「おお~」と声が出てしまいました。
私も若い頃は毎月何かを売って月末を凌いでいたなぁ。
ゲームソフトとかが多かった思い出で、マリオとかドラクエとかああいうのって全然値段落ちないのですごく助けられました。ありがとう任天堂。
いま、漫画もゲームもダウンロードして所持する形が増えてきて、あれめちゃくちゃ損ですよね。売れないんだから。

34. 柊木葵「『不良における座右の銘とその変遷』より抜粋 第十三章」

https://note.com/hiragaoi1110/n/n0d7b387d1804

講評:
不良×信仰めっちゃ耽美だ~~~!!!
雰囲気えぐい。
全員まつ毛長い。(確定)
描写してもいない背景までキラついてるのすげぇなぁ。
どきどき。
死すらエロい。

35. げんなり「ノーマライズ」

https://note.com/gennari/n/n5bec860ef9d4

講評:
健全な肉体には健全な精神が宿るという意味では、私には邪悪な精神が宿っているはずで、しかし精神が健全な以上、私の肉体は健全であり、太っていないということ。
だからケンタッキー、食べて良いんです!
今日は嫁から「家にあるもの食べてね」と言われているけれど、
ケンタッキー、食べて良いんです!
にゃにゃにゃにゃにゃ!

36. はしもとゆず「七転び八起きまたは七転八倒」

https://note.com/hashiyuzu3chi/n/n581203ee69bc

講評:
明るいのに暗い、暗いのに明るい。
「ただでは起き上がらんぞ~」の言葉が示す通り、死にきれない状況の可笑しさを拾って創作に繋げる芸術家としての精神がそこにはあり。
いつでも死にたいけれど生きて幸せにもなりたい、とは言いつつも、この世界に生きることの面白さ、見える景色の楽しさを知っている人だからこそ描ける一枚。
生き続ける限り、描いて欲しい。

37. 蒼桐大紀「雨上がりの青は日々是好日(未完)」

https://note.com/triones/n/n465f49fa1f73

講評:
作家と登場人物たちが同じことをしている構図が面白く、1時間でタイムアップするからこその “その先” を感じさせる爽やかなラスト。
前回と同じカップルでありながら今回は丁寧に日常が描かれており、創造的創造空間としての世界構築精度で言えば今回の方が上。
古賀コンを通して物語の切り方みたいなものの引き出しを増やしてもらえたらこれ以上嬉しいことはないので、ぜひ普段の創作にもエッセンスを持ち帰って欲しい。

38. ししゃも「早く寝ることを座右の銘にしろ。」

https://note.com/tetofish_to4/n/ndb871cf7fb22

講評:
初任給かぁ。
初任給もらった時、家賃とかカードとかの引き落としで800円くらいしか残らなくて膝から崩れ落ちた記憶しかない。
初任給もらった時もう結婚していたし、やべ~なこれ嫁になんて言おう~って考えた2秒後には親父に電話して金借りてたわ。20万。(返してない)
この世界はクソ。
俺が資本主義を終わらせてやる!!!

39. 只鳴どれみ「Quest」

https://note.com/doremi_zero/n/n484f981eeaf5

講評:
文芸作品、とはいえ、やはり表紙や挿絵ってめちゃくちゃ大事で、それひとつで文字情報から得られる色彩や匂いみたいなものが左右される気がするんですよね。
古賀コンの場合は、たまに挿絵が入っているものもエントリーがあるけれど、多くの場合はサムネイル画像で、タイトルよりも上に表示されるんですよね。
だから読者はまずその画像からたっぷり情報を得て、そのあとで物語に入っていくわけで。
今回の「Quest」の画像は良かったですね。
最後まで読み切ってから改めて画像を見て、おお~、これだなぁと思いました。
バッサバッサとかほんと好きねw

40. 世界 彗星 灯台 プールサイド アサルトライフル「ど」

https://note.com/orangetoji230r/n/n34587559b47e

講評:
タイトルが「ど」で、「どうでもいいけど」から本文が始まるんですよ。
だからこれ、「あ」から順番に言ってて「ん」まで行って「が」が始まっていま「ど」なんだとしたら良いな~って、それくらいごちゃごちゃうるせー女であって欲しいな~って、そんな希望を抱いてしまう作品でした。
ラスト超かっこよかった。
私もよく担任から言われてました「お願いだから黙って古賀、少しだけ」いうて。
アサルトさんはスタートからノンストップで最後までずっと喋り続ける作風が私と完全に被っているので勝手にライバル認定しています。
返り討ちにしてやる!!!!!!!!!(久しぶりの登場)

41. 虹乃ノラン「My 1st MOTTO:」

https://note.com/nijinonoran/n/n9f4aa144d3f4

講評:
本当は嫌だけど彼女のために我慢して付き合ってることって結構多いんですよね。
手を繋いで歩くこととか、荷物持ってあげることとか、あんまり好きじゃない新しい髪型を褒めるとか、全く興味ない動物のショート動画を一緒に観たりとか。
でも本当は嫌だけど、というのは微妙に正確ではなくて、というか正しい伝わり方をしない表現で。これが男の良くないところでもあるんだけど。
本当は嫌だけど、嫌々それをやるのも嫌じゃなかったよ、ということであって、嫌なことも嫌じゃなかったのが好きだってことだったよって、そういう感じなんですよね。恋。
恋してぇ~~~~~~~!!!!!!(ギリアウト)

42. 群青 すい「第一座右の銘」

https://note.com/minaha0378/n/nd08c044c815e

講評:
娘が週末に持って帰ってくる上履きを、庭で洗っていたんですよ。柄のついたタワシでごしごし。
それでふと思ったんですよね。
俺絶対自分の上履きとか洗わないなぁ自分で~とか、娘の上履きを洗うことに何の面倒臭さも感じないの不思議だなぁ~とか。
もしかしたらこれが愛なのか~?って。
もしそうなら、自分が人を愛せる人間であったことが嬉しい。

43. 比良岡美紀「先輩は言った。ユキオに看取ってもらえたらそれで」

https://note.com/hiraoka_miki/n/n4fa28ec89ec7

講評:
イケメン無罪の果ての死―――
自分の周りのイケメンを思い浮かべると、行き切ったイケメンってやっぱりどこかおかしいんですよね。不幸を呼び込むというか、トラブルに巻き込まれがちというか。自分が関与していない場で女同士が殴り合いになっていたりとか。
でも最後死んじゃってびっくり。死人にくちなし。
読み終わった後色々と考えるのが楽しい作品。

44. 子鹿白介「ザキカワさん」

https://note.com/kojikashirosuke/n/n1e8d6e734a8a

講評:
「※この文字起こしはフィクションです。」がフィクションなんじゃないの~?w
私も大好きな一方通行文体、できればこの酔っ払いが筆者自身であって欲しいと願うところだけれど、電話を受けた方説が濃厚かな~?
ところで毎月支払うサービスで数百万積みあがるものって何だろう?
水道とかガスとか…車のローンとか?
そう考えると、いくらを「高い」と思うかって本当に価値観だよなぁ。
こっちは高い金払ってるんだぞ!(ええ~!?あったあれだけのことを~!?)
みたいなね。嫌だな。
俺が資本主義を終わらせてやる!!!(エンドレス)

45. 入間しゅか「金言集め」

https://t.co/SpN2COY5b2

講評:
また殺された!!!えーん。。。
私、今日何回殺されるんだろう。。。(入り込みすぎるタイプの読者)
「第一」の処理の仕方が秀逸で、「第二」に宿る価値というか役割がここまではっきりしているところが素晴らしく、美女の名前がヤマモトと名字風なのも良かった。
主人公にとっての救いとは何だったのか、と考えさせられた。

46. 洸村静樹「神様のとどめ」

https://note.com/thecairns/n/n78f6763b4a48

講評:
思っているよりも全然知らないのが親の人生。
自分の両親のことを考えてみても、子どもの頃どんな経験をして、どんな気持ちで日々を過ごしていたのか、これっぽちも知らない。
何となく性格は分かるし、祖父母から聞かされたエピソードもあるし、住んでいた場所も、やっていた部活もしっているけど、実際二人はどういう人間なのだろう。
きっと最後まで分からないかもしれないし、知れる機会がふと訪れるかも。

47. 豆腐『ジェル男「お前みたいなやつを落とすためだよ」

https://note.com/tofunonikki/n/n75f96272ad4f

講評:
ラスト一文でタイトルを回収するまさかの手練れ。
冒頭の気付きから思考がゆったりと加速していき、後半ニヒルの銃弾が降り注ぐ展開へ。
ごちゃごちゃうるせえ文章が好きな私には、あのイオンとかにある透明の袋にグミとかクッキーとか好きなやつ入れてって最後量り売りのお店に入った時のワクワク感で読めた。
取り過ぎて最後金額見て膝から崩れ落ちるやつ。(美味そうで可愛いデカいグミ、信じられないほど高い)

48. 齋藤優「白昼セゾン」

https://note.com/yu__saito/n/n6304ee0580e4

講評:
うぉぉう…これはまたエグいのきたぁ…ぐぅ…
意識のハッキリしなさ、次元の狭間というか、形而の上下の境界を描くのがまじで上手い。
自分自身の意識の重心が、それこそふら、ふらと移り行く様が、電子タバコの香りと共に鼻から入ってくるようでゾワゾワする。たまらん。
最後、ほら解釈してごらんよと、銃口が向けられる。

49. 久乙矢「宇宙の終わりと第一座右」

https://note.com/i_otoya/n/nd02dca8a7791

講評:
創作やってる人間なら一度は自分でもやりたい二大巨頭といえば、
世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
と、インターステラー。
これは設定パクって書くことがもう強制される吸引力があるというか、一旦自分で書いてみることで分かる自分の武器みたいなものの発見がある訳なんですわな。
自分で俺流インターステラ―を書いてみた時、そこに出てくる俺の本質的な性癖は何なのか。
俺は寝取られだった。
君は何だった?
という筆者からの煌めく問いの眼差し(バッキバキ)を感じられる秀作。

50. 菊池藍「Novel 1」

https://kakuyomu.jp/works/16818093078551638648/episodes/16818093078551740067

講評:
超不思議な話。
完全に不可解な出来事に遭遇しているのだけど、登場人物たちがちゃんと行動してくれるおかげでこちらも事態を受け入れることができた。
終わり方が好きで、どこにも無理な力がかかっていない自然な着地に心地よさを覚えた。

51. 小林TKG「アーネスト」

https://t.co/EZTTHXE6Zp

講評:
全っ然そんなつもりで読んでなかったから急に古賀コン出て来てびっくりした!w
今回は小林TKGさん名義と、そして破滅派のサイトにアップしてのエントリーをありがとうございました。破滅派大好きなので、サイトに古賀コンタグが刻まれただけでも嬉しい。
TKGさんお得意の不穏の畳みかけ、一瞬隙を見せたと思ったらあっという間に魔が差し込む展開には毎度心臓をギュッと掴まれます。
あれ?さっきまで天気良かったのに…の天才。

52. 祐里「神風に散る桜」

https://note.com/el_carokuri/n/n1ddb2d908ff7

講評:
うっかり感動してもた。
物語の最も重要な役目のひとつには、自分が実際にやると死んじゃうことを登場人物が代わりにやってくれるというところがあって、英男には感謝。どうか安らかに…
一時間で最期を書き切るというのはやはり難しいことだと思いますが、祐里さんはじめ今回作中で死を扱ったみなさんの書き切る力はすごい。

53. くもしろ薔「柘榴の花がこぼれる」

https://note.com/tsukixkumo/n/nd6331d0cd278

講評:
軽やかな文体の奥には絡み合った記憶の海。
今となっては「どうして?」と聞かれる側になったけど、自分が訊く側だった時の、母の姿は、好奇心と探求心と、興味関心と結び付いて脳にこびりついているのかしら。
なるようになるという母性と、なるようにしかならんという父性、似ているようで正反対な性を内に秘めて今日もお仕事お仕事。

54. 海音寺ジョー「我以外皆和菓子」

https://note.com/kareido1111/n/n7083da8c5b9c

講評:
レトロアニメと詫び錆びの掛け算。
パーやんが二回出てくるところでくすりと笑い、文化を巡る散歩道に誘われる。
少し調べものをしながら読み進めるのもとても楽しい読書体験。
視点がどんどん切り替わる俳句の面白さと、アニメに夢中になっていた頃の心持ちが、奇妙だが心地よい時間を過ごさせてくれた。

55. 升宮生「今日も雨」

https://note.com/gentle_poppy151/n/n09e61b7d2e91

講評:
かっけえ。
雨の中を男が歩いているだけだし、とても短いお話なのに、超かっけえ。
「第一」の処理の仕方も良い。
「だが、今はそれが出来なかった。」というラストからは、まだ男が諦めていないことが伺え、この街の連中に掌返させてやると、その時に本当の座右の銘を教えてやるという意地が見え隠れ。良い。

56. 春永睦月「本物のあそびというものは。」

https://note.com/harunaga_mutsuki/n/n03f9fa4f9ed6

講評:
コンパクトに纏められた本文の中に丁寧な思索と自己開示、教養と遊び心。
古賀コンの楽しそうな雰囲気につい筆をとってしまったというお声をいただくと、主催者冥利に尽きるとともに、実は私もその楽しんでいる者どもの一人なんですとちょっと恥ずかしくなります、というか、一番はしゃいでいるのが私!笑
まさに私も、どうして古賀コンやっているんだろうって。
「遊びをせんとや生まれけむ」
そこに集約されていること正に、ジャストミート。

57. 堀部未知「のり~パンチ力の愛~」

https://note.com/imadashirazu/n/n8507f9df62af

講評:
何度も声出して笑った。
冒頭の路上観察日記で硬派に入ったと思ったら「じゃあはじめるね」から怒涛の言葉遊びスタート。歯医者だってもっと手加減してくれるレベル。
JAのくだりはまじで秀逸。本質突きすぎ。
「おしっこ、じゅー」で涙出るまでわろた。
ラストは玉置浩二。
朗読にモノマネを求める本作、そんじょそこらの朗読者には無理ですよ。200%モチベーションの玉置浩二で朗読できる、俺みたいな人間以外にはね!!!

58. 入谷匙「回転するコルク」

https://note.com/saji_16th/n/n12544c699a72

講評:
やっぱり将来創作やる子って、ラジオ体操は第一より第二派な気がした。
社会に出ると、やっぱり大人って大人のふりをしているだけで、みんな中身はクソガキのままだってことが分かる。みんなで盛大なおままごとをしているだけ。
でも本当は何にも分かってないのバレるとまずいから皆で一生懸命真面目な顔をキープ。
教えられた振付を踊るのが上手な子と、自分で振りをつくるのが上手な子では、やっぱり生き方は違う。

59. 松本玲佳「私は麻薬」

https://note.com/microcosm927/n/n6dd3feb3019f

講評:
娯楽に溢れた現代では人間は益々刺激に鈍感になり、これまで以上に害のあるモノの摂取を大衆は求めてゆくだろう。
ゲームはフルダイブ型になり、仮想世界の中に住み、脳汁がドバドバ出るような遊びが主流になるだろう。
そんな時代になって小説は何ができるのか、文芸はどこまでできるのか。
長生きしたい。世界の進歩を見ていたい。
だから……
ジャンクフード控えます……(血涙)

60. 吉野玄冬「美と共に歩んでゆく生」

https://twitter.com/sieben_Islay/status/1797584715291263445

講評:
素晴らしい論説をいただきました。これは嬉しい~。
ジャンルフリーの古賀コン、いつかは評論ジャンルもと思っておりました。いま、めちゃくちゃテンション上がっております。読み終わって一旦コーヒー淹れて参りました。
もちろん芸術論において全く同じ立場を取れる訳ではありませんが、「誰もが広義の芸術家である」という要石の上に我々はレジャーシート敷いて、美味いコーヒーをご一緒できるはずです。
古賀コンのために書いてくださったことが分かる、論説から愛が伝わる温かな時間を、贅沢に過ごさせていただきました。

61. 藍笹キミコ『「夢は歩み出せば目標になる」』

https://ameblo.jp/ansinsurunioi/entry-12854734466.html

講評:
ちょっとまって!!!!!!!????????
最後出てきた姪っ子ちゃん…
この姪っ子ちゃんさぁ……
「僕っ子」じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!(声デカ)

62. 奥野じゅん「戸籍に座右の銘の記載が必須になって、五十年が経った。」

https://note.com/junsta/n/nd3e332ec4417

講評:
これがプロの世界観設定なのかとかなり素直に唸らされた。
「戸籍に座右の銘を記載する世界」というワンアイデアからスタートしているのに、その制度周りの細部の作り込みが半端なく、最終的に主人公のハートにスポッと着地する締め方が超気持ち良かった。自然と笑顔が出た。
制度を題材にした話が明るく前向きに着地するケースって少ないような気がして、結局現実も、小説世界も、環境や設定ではなく、世界の見え方は個人の価値観なんだと再認識させられた。

63. 津早原晶子「I always stroke my cat when I’m sad.」

https://t.co/firKPEkWUX

講評:
超面白かったけどまず言わせて。
やっぱりラジオ体操第二派だった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
絶対そうだと思っておりました、分かっていましたよわたくし。
今回はなんて幸福に満ちた光の小説なんだろう。
やはり猫は偉大ということなのか、あるいは子は宝ということなのか。
神から与えられたもの、自分で選択してきたもの。
どちらもほんとうの私でかわいい。

64. 仲根工機「ドキノレパーク駅にて」

https://note.com/hiden040/n/nee013e968f45

講評:
簡単だ、大丈夫だと思っていたのに…
重たいところでは便秘だと思ってたら癌だった義父を思い出し。
軽いところでは余裕で受かると思っていた英検3級に落ちた中2の夏を思い出し。
でも結果が出たあとでふり返ってみれば心当たりは山ほどあり。
それを見ないように、気付かないふりをして自分を騙すための楽天家だったと。
そうして泣くプロセスの何物にも代えがたい快感よ。

65. 化野夕陽「卒業文集」

https://note.com/blackbird828/n/nd19e9b558f67

講評:
何の気なしに言ったことを相手は後生大事に抱えていたり、逆に自分の心に大切に仕舞われている言葉を相手は全然覚えていなかったり。
私が自分の人生で覚えてる教師の言葉って、「古賀くんは心の病気です」と、「お願いだから、10秒で良いから黙って下さい」と、「ファーストクラス以外で行く旅行は旅行じゃない」の三つだけ。少し寂しい。
自分の教え子たちは私のどんな言葉を今でも覚えているのか聞いてみたくなったなぁ。

66. ハギワラシンジ「洞窟たのしい!」

https://note.com/deartherver1048/n/n601ead1cf655

講評:
身体の痛み、勃起したちんこ、回らない頭!
ハギワラ的主人公(エヴァを動かす才を持たないシンジくん)が今回は洞窟を冒険だ!
ジャンル的にはフランツ・カフカに限りなく近く、自分では気に入っているけどファンからの評判は悪い村上春樹の中編の雰囲気というか、私の役目はこういった作品の面白さを世界に伝えていくことなのかもしれない、と褌を締め直した次第であります。
バキバキに殺されるとこめっちゃ良かった。

67. 翠雪「青い永遠、蝉時雨」

https://t.co/wbByPfjYKu

講評:
1時間の中で何を書き切るかという命題を前に、青春の1ページを見事に書き切った!
重大な事件が起きるわけでも、人生の分岐点でもない日常のひとコマ。
そんな1秒1秒が、本人が気付かぬ内に見逃されようとも、筆者からは捉えらえ、私たち読者に届けられる。
もう自分では体験することが叶わない思春期の煌めきを、これからも創作の世界で味わい尽くすんだ死ぬ直前まで俺は!(青春を描く全ての作家様に敬礼)

68. 中務滝盛「赤いバックライト」

https://note.com/memaruda/n/nb1fec89fd424

講評:
うおぉぉ…そこで終わっちまうのかい…!!!
私も(全くそんな状況ではないのに)一緒になって「くそぉ!!!」と叫んだ。
隣のソファでピクミンをやっていた妻が「うるせー!!!」と叫んだ。
どうしてくれるこの状況。
時間は不可逆、だから今できること全部しておかないと。
後から後悔してもやり直せないこと、たくさんあるんだから。
子どもの頃、大人に言われて全くピンとこなかった言葉たち。
今なら分かる、マジだぞと。

69. ゼロの紙「犬に似ていた人生だった。」

https://note.com/bvcj/n/nd4cd7c3a1dad

講評:
彼の気持ちはとても良く分かる。
ぼんちゃんの愛嬌のあるかわいい顔を、素直に褒められなくて、ちょっと冗談っぽく褒めようと思ったら予想以上に芯食った比喩になっちゃったんだよね、あまりにも似すぎていて。笑
似たような経験が私にもありました。
でも自分としては悪気はなくて。
でも悪気がないことも逆に呆れられる要因になったり。
その伝わらなさに絶望したり。
好きだけじゃ続かないのが人間関係なんだよねぇ。

70. 山崎朝日「第二座右の銘」

https://note.com/mannbouhanishihe/n/nbd95daf45b4b

講評:
三十半ばですでに枯れてしまった私は一体どうしたら……涙
この作品を読んで、今回70作品目ですが、改めて座右の銘の役割、人生における位置づけ、心の置き所のようなところを丁寧に再確認できたように思います。
何かに迷った時の指針に、腰が重い日の行動力の源に、後をついてくる若者たちへの道しるべに。
そう言った意味でも、名は体を表す。心と身体。名付けと祈り。
平櫛田中ももしかしたら、老いていく心身の中で、相当に自分を奮い立たせて日々を過ごしていたのかもなぁ。

71. ときのき『越冬記』

https://note.com/tokinokisan/n/ncd514c58d66b

講評:
なぜうちの方にエントリーを…!?w
だってめちゃくちゃ質の高いペンギンSFでびびり散らかしたもの。
やっぱり説明しない方がスッと伝わるということはあって、名字のこととかね、「そういうもんだから」で進めてもらって構わないんだよね。
非日常の中の日常を描く。
実は私の創作のモットーでもあって、超共感です。
でもなぜうちの方にエントリーをw

72. 不破安敦「ある夜の依頼者」

https://note.com/anton_farton/n/nf47a82789b04

講評:
ハードボイルドには座右の銘がよく似合う―――
この依頼者は間違いなくラストで主人公に撃たれる。
主人公の隣にはマリアと名乗る女。
そこで主人公がぼそりと溢すセリフこそ最高の座右の銘に違いなく…!!!(妄想止まらん)

73. 南国アイス「南国家の文献による座右の銘に関する一つの考察」

https://note.com/nangokuice/n/n520b26116b4a

講評:
「秋になると庭掃除の時間が増える」
くっそwww腹抱えて笑ったわ!www
いや~良いラストだったぁ。
じいさんって親とは違った責任感のなさというか、気楽さというか、あるよね。
私が高校に入学する時、じいさんが「人生十か条」みたいな手紙をくれたんだけど、その中に書いてあった「足が釣ったら、痛くても親指を自分の方に引っ張る」だけは今でも覚えてる。人生で唯一心に留めている言葉かも。
実際、何度もじいさんの言葉には助けられてる。
ありがとうじいさん、フォーエバーじいさん。
あ~、今回も楽しかった!


以上、73名 73作品。
エントリーに心から御礼申し上げます🐸

Ⅱ. 各賞概要

第5回私立古賀裕人文学祭では以下の通り5つの賞を用意しました。

「最優秀古賀賞」
・最優秀作品に与えられる賞で、今回の優勝作品です。
・嘘偽りなく真っ直ぐに私の胸を打った作品に授与します。
☆賞品:アマギフ1万円分

「裕人賞」
・優秀作品に与えられる賞です。
・私の文学的琴線に触れた作品の中から、
・特に言葉や文章の魅力を重視して選出します。
☆賞品:何かわたしっぽい粗品

🐸賞」
・優秀作品に与えられる賞です。
・私の文学的琴線に触れた作品の中から、
・特に構成や着眼点の面白さを重視して選出します。
☆賞品:何か🐸っぽい粗品

「双翼大蛙特別勲章賞」
・優秀作品に与えられる賞です。
・私の文学的琴線の中でも、
・特に性癖にぶっ刺さった作品を選出します。
☆賞品:何か甘いもの🍩

「🌺賞」
・優秀作品に与えられる賞です。
・観覧者による人気投票で最多得票であった作品に授与します。
・最優秀古賀賞、裕人賞、🐸賞とのダブル受賞も有り得ます。
☆賞品:何か🌺っぽい粗品

それでは……
結果発表ぉ〜!📣

Ⅲ. 受賞作品発表


第5回私立古賀裕人文学祭、受賞作品は以下の通りです👏👏👏

■最優秀古賀賞:

   エンプティ・オーブン 「県立第一座右の銘高校校歌」

■裕人賞:

   渋皮ヨロイ 「石褒め」

■🐸賞:

   佐藤相平 「第誤回 私立古賀裕人文学祭感想」

■双翼大蛙特別勲章賞:2名

   えこ 「有終完美(期間限定、氷菓飲料。砂糖過剰、中空菓子)」
   柊木葵 「『不良における座右の銘とその変遷』より抜粋 第十三章」

■🌺賞:

   虹乃ノラン 「My 1st MOTTO:」


わーーーッ!!!👏👏👏

受賞者の皆さま、おめでとうございまーーーす!!!👏👏👏

わーーーッ!!!👏👏👏

今回の「最優秀古賀賞」には、エンプティ・オーブンさんの「県立第一座右の銘高校校歌」を選ばせて頂きました!
エンプティ・オーブンさん、おめでとうございます!
テーマに対する取り組み、向き合い方、そして今回みんなの頭を悩ませた「第一」の処理、すべてにおいて極めて優秀な成績を修めたことをここに賞します。
伝統と格式、自由と責任、これまでの県立第一座右の銘高校の歩みが、刻んだ歴史が、目の前を流れていくような。そして自分自身もこの学校の看板を背負って社会に出ていくんだという高揚感が!
これが音楽の力なのかと、言葉の力なのかと、万感の想いです。
これまでの人生、色々悩んだりもしましたが、やはりこの学校を選んだ自分に誇りを持ち、この学校で学んだことの全てを胸に抱き、鞄に詰め、これからもこの激動の時代を生きて参ります。
どうか最優秀古賀賞!受け取って下さい!
おめでとうございます!👏👏👏

「裕人賞」には、渋皮ヨロイさんの「石褒め」を選出致しました!
渋皮ヨロイさん、おめでとうございます!
ヨロイさんの作品に宿る濃密な空気感、リアルな手触り、嫌なにおい、妙なエロさ、そして意識が後退して自分と出来事との間を分厚いガラスが邪魔するような感覚、今回の作品でもフルスロットルで万事堪能させていただきました。
長編の中のワンシーンでもあって欲しいと願わずにはいられない超最高な場面設定を持った掌編でもあり、この石との出会いが主人公の人生にどんな影響をもたらすのか、果たして冒険ははじまるのか、世界の変質は加速するのか、読み終わった今でもずっとずっとワクワクがとまりません。
ぜひ裕人賞、受け取って下さい!大好きです。
毎度選考が混戦になる裕人賞ですが、今回は堀部未知さんの「のり~パンチ力の愛~」、津早原晶子さんの「I always stroke my cat when I’m sad.」、中務滝盛さんの「赤いバックライト」が次点となりました。
他にも読み比べて悩んだ作品は多く、古賀イジり勢、ボケ倒し勢の活躍も目立った素晴らしい回となった印象です。皆さん大好きです。

🐸賞」には、佐藤相平さんの「第誤回 私立古賀裕人文学祭感想」を選出致しました!
佐藤相平さん、おめでとうございます!
🐸賞は毎回その「視点の面白さ」を選考基準に置いて選んでいるのですが、今回の相平さんの作品で古賀コンにおける「視点の面白さのパターン」をそっくり暴かれてしまった印象です。汗
これから参加してくださる皆さまにとっては大変に参考になりますし、私自身これまであえて言及していなかった「ここまでやって全然良いよ~」というラインをたくさん示してくださいました。
筆名ボケもシンプルかつパワフルで笑っちゃいました。
次回以降、応募作品のバリエーションがまたぐっと広がりそうで楽しみ!
ぜひ🐸賞、受け取って下さい!
🐸賞の次点には和生吉音さんの「座右のメェ」、はしもとゆずさんの「七転び八起きまたは七転八倒」を挙げさせていただきます。どちらもめっちゃ面白かった!

今回新設の「双翼大蛙特別勲章賞」には、えこさんの「有終完美(期間限定、氷菓飲料。砂糖過剰、中空菓子)」と、柊木葵さんの「『不良における座右の銘とその変遷』より抜粋 第十三章」のふた作品を選ばせていただきました!
えこさん、葵さん、おめでとうございます!
えこさんの作品は短いながらぎゅっとえちが詰まっていて、はっきり言ってすべての文がえちぃ。そして男にはない非言語キャッチ力と脳内での言語化→ゆえのリアル思春期女子表現、これが真似できないんですよね俺らには。細かく描写するから意味があるものと、ごちゃごちゃ言う必要のない単なる事実、この区別が胸にきゅんと来ちゃうテクニックもさすがのひと言でした。
葵さんの作品は、これまでの応募作も独特の耽美さとグロテスクさを兼ね備えたえちぃものばかりだったのですが、今回は不良×信仰ということで個人的にぶっ刺さってしまいました。裕人賞にしようかなとも一瞬考えたんですが、裕人賞にするにはあまりに深く刺さり過ぎていたので、私の気持ちを正しくお伝えするために、今回特別賞を設けました。あざす。
お二人とも、ぜひ「双翼大蛙特別勲章賞」、受け取ってください!

「🌺賞」は14票獲得で虹乃ノランさんの「My 1st MOTTO:」が選ばれました!
過去にも人気投票で優勝経験があるノランさん。スーッと心に入ってくる文章、胸に刺さる言葉たち、そして共感を呼ぶちょっぴり(今回はちょっぴりどころの騒ぎではなかったかもしれない)えっちな本当の気持ち。票が大量に入るのも納得の素晴らしい作品でした!得票数的にも14票は過去最高での優勝です。しゅごい。
人気投票2位(6票)は同率でケムニマキコさんと松本玲佳さん。
人気投票3位(4票)はこちらも同率で奥野じゅんさんと化野夕陽さん。
人気投票4位(3票)は同率で4名、こい瀬 伊音さん、安戸染さん、貞久萬さん、洸村静樹さんの作品が選ばれました。

5位以下も、2票、1票と多くの方が票を得る成果をあげ、毎度のことながら本祭のレベルの高さを痛感させられる結果となりました。(全部面白かったから当然と言えば当然!)

以上、
改めましてエントリー頂いた皆さま、ありがとうございました!
人気投票にご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
そして受賞者の皆さま、本当におめでとうございます!👏<ワーッ

それで―――
📢< 今回も後夜祭を実施しますよ~!!!絶対来て~!!!全員来て~!!!

Ⅳ. #古賀コン5後夜祭 @Xスペース

日時:2024年6月12日(水)21時00分~
場所:古賀裕人のX(Twitter)スペース機能にて
テーマ:第5回私立古賀裕人文学祭講評&振り返りトーク
私の話を聞く係:ハギワラシンジ、他
このnoteに書き切れなかった各作品への想い、語らせて下さい。

閉会の言葉

押忍、全体の10%以下しかたどり着かない魔の閉会式へようこそ。
古賀コン主催者として、わたくし、ここまで立ち寄ってくれるあなたのような人を、未来永劫、愛し続けることを誓います。(?)

さて今回はテーマ設定が結構ハマったようで、エントリーもたくさんいただけたし、作品自体も捻ったものが多くて超満足感の高い祭りになったなという印象です。やったぜ!
読んでいて全部面白くって、こんな贅沢して良いの~?って、俺こんなゴージャスな時間過ごして良いのこれ~?って怖くなるくらいに。
自分で設定したテーマを皆が面白がってくれるとすごく嬉しくて、主催者冥利に尽きます。いつもなんだけどね!

それで、もちろんエントリーしてくださる方、ありがとうなんだけど、皆さま日々お忙しいし、古賀コン自体が年に四回もやっているし、正規エントリーできる回もあれば、なかなか出せない回もあるだろうということで、今回は「寝過ごし杯」という企画をやってみました。

これにエントリーしてくださったのは柚木ハッカさん短歌よむ千住さん
こういう新しい企画に参加してくださる方は神!超大好きですよ~。
ということでお二人には何か元気がでるような、ほっとひと息つけるチケットをプレゼントさせていただきます(∩´∀`)∩♥
(クモハさんは締切後にツイートしてくれた。涙)

それで最後に、全作品感想をやって下さった佐藤相平さん、蒼桐大紀さん、改めてお礼を言わせてください。

お二人は古賀コンのモットーに共感くださって、皆が喜ぶような感想をたくさん書いてくださっています。本当にありがとう!
これでまた創作意欲が湧いて、素敵な作品がいっぱい生み出されてくれたら嬉しいなぁ。
というか、絶対にそうなってくれると確信しています。

今回も超楽しかった~。

はてさて、次回はどうなることやらだね!

古賀コンは年に四回開催、過去の受賞者の皆さまを含めどなたでも何回でもご参加頂けます。

ジャンルフリー、NGなし。

「1時間で書き上げた文章、優勝したら1万円。」

あなたの1時間を私に下さい。

次回は本年9月頃開催予定!

ではまた👋ちゃおちゃお~


主催者プロフィール

古賀裕人(こがひろと)

1988年生まれ35歳 
うお座 B型
183cm 89kg(前回から3kg↑↑)
娘が小学生になりました。
私はPTAの役員になりました。
変態教師はフィクションの世界だけで勘弁してください。

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