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対話の場・実践レポート

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実際に行っているワークショップ・戦略的な話し合いのレポートをこちらにまとめています。
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#対話

「みんなの声を大切にすること」を目的にしていいか

「みんなの声を大切にすること」を目的にしていいか

「みんなの声を大切にすること」。

対話、ワークショップ、ファシリテーションなどの手法を使う私たちにとって、それは正義や希望の合言葉に聞こえることがあります。私もその考え方に賛成しますかと聞かれれば、総論として、イエス。

賛同者であるだけではなく、実践者のひとりであると答えます。私は、参加型デザイン、コ・デザインなどと呼ばれる手法の実践者です。

それは、デザイナーであれば、当然のようにやってい

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対話のための映画「もりのこえん」をつくりました

対話のための映画「もりのこえん」をつくりました

新しい映画をつくりました。それは新作というだけではなく、「対話用映画」という、ジャンルとして新しい映画だと思います。

視聴後に、全員で対話の場をもつことを前提に作られた映画です。子どもが置かれた環境や、里山でのまちづくり、人と自然の共生について、多様な利害関係者が深い対話をするためのワークショップ進行表、問いかけのスライドも提供します。

また、「上映会」を自らオーガナイズするというのは、自分の

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内から外へと共にはたらく|「指導」から「見守り」へ

内から外へと共にはたらく|「指導」から「見守り」へ

気づけばもう2023も1ヶ月。今年の仕事の方向性と目標を考えるきっかけとなった仕事があったので、そのことについてふりかえります。

2023年明け、最初の大仕事はこちら。

主催は公益財団法人札幌国際プラザ。その伴走役として、一般社団法人サステナビリティダイアログのチームで参加しました。チームの皆さんに心から感謝です。



今回は、小学校6年生と参加型リーダーシップと、観察に基づく社会デザイン

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Art of Hosting JapanのWebサイトができました

Art of Hosting JapanのWebサイトができました

私たちの生きている社会はますます予測不可能で、複雑になっています。
その中で、もう打つ手がない、時間がない、それでも何とかしたい事をなんとかして、その先にある望む未来を創っていくために、どんな力が必要でしょうか。

その探求への補助線を与えてくれているのが「アート・オブ・ホスティング」と、その実践者のコミュニティです。

アートオブホスティングは、私たちのつながりを育み、集合知を生み出し、より賢い

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パーパスも大事だけど、地域のみんなでやるなら〇〇を聞きあおう

パーパスも大事だけど、地域のみんなでやるなら〇〇を聞きあおう

最近の経験を振り返って、特に地域では「立派な目的があったとしても、ニーズを大切にしなくては、みんなでやる仕事は起こらんで」という話をします。

あっ、タイトルの〇〇は「ニーズ」です。

そこで、「”地域”で参加型の手法をやるなら、参加者が自ら動き出したくなるのに十分なニーズ語りをする」という経験則は役に立つだろう、というのが今回の要旨です。また、協働を生み出すための対話の場づくり※において、そもそ

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親子の生き方・はたらき方の選択肢をひらく学びの場を共につくる/高崎市PTA連合会

親子の生き方・はたらき方の選択肢をひらく学びの場を共につくる/高崎市PTA連合会

高崎市PTA連合会でのワークショップでした。アツかった…!(いろんな意味で

会場はなつかしい中央公民館。小中学生のときに、となりの少年科学館によく来てました。はじめてプラネタリウムを見た場所。こういうふうに帰ってくることは想像していませんでした。

今回、市内各中学校のPTAから50名ほどの保護者の方が参加しました。

目的は、子どもたちの生き方・はたらき方の選択肢を広げるために、保護者の私たち

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どっさりラボってなんだよ

どっさりラボってなんだよ

今調べてびっくりしたんですがもう10年前、自分が若手公務員だった時に、「関東自主研サミット」という取組に参加して、衝撃を受けたことがあります。

自分にとっては、それは、「自主的な勉強会をがんばる公務員が全国各地でつながって、グッドプラクティスを交換するための機会」でした。ほんとにびっくりワクワクした。こんな素敵な人たちが、工夫して賢く変化を起こしているんだ。いろんな人のストーリーを聞いてみて、な

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今こそ暮らしにアートを取り戻す時だ

今こそ暮らしにアートを取り戻す時だ

昨年参加させていただいたアーツ前橋「Artist in School」事業が、学校の先生向けの報告書になりました。写真はねいくん、文章は西ちゃんです。ぜひご覧くださいね。

人間が日々の「なんとなく繰り返す振る舞い」は、それらが意図を持って鍛錬されるとき、違った呼び方をされる。

体の動きは、ダンスになる。
呼吸は、ヨガになる。
お茶の一杯は、茶道になる。
話し合いは、ダイアログになる。

それら

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市民の声をつないでつくる地域の未来。「どっさりラボ」に来ませんか。

市民の声をつないでつくる地域の未来。「どっさりラボ」に来ませんか。

このしばらく、寝る間を惜しんで準備を進めているプロジェクトがあります。それが公開になったので、よかったら少し見てください。

こんな感じのなんです。

詳しいことは公式の案内をみてもらうとして、私からのお呼びかけはこうです。

あなたは地方議員さんとお話ししたことありますか。私はあります。ただ、あまり私は「議員」という肩書きを持つ人たちに対して、あまりいい印象を持ってきませんでした。

もちろん全

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市民のものがたりをつなぐ。「みんなの富岡フォト&エピソード展」の裏話(前編)

市民のものがたりをつなぐ。「みんなの富岡フォト&エピソード展」の裏話(前編)

とある地域の観光協会の話が、まったく「にぎわい」や観光客を生み出す気のない取組をしています。

群馬県富岡市。世界遺産・富岡製糸場を擁する、人口5万人ほどの群馬県西部のまちです。そこにある富岡市観光協会が今回のお話。

事実から紹介すると、そのまちでは、2014年の富岡製糸場の世界遺産登録によって、観光客数が爆発的に伸びました。

そしていま、それがジェットコースターを降りているところにあります。

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沖縄の共同売店と、北海道の商店街の話をしよう

沖縄の共同売店と、北海道の商店街の話をしよう

インターローカルの学びの場インターローカルの学びに今関心があります。それは個人同士ではなく、コミュニティー同士が学び合う機会を作ることだと考えています。
いくつかの地域を横断してはたらく中で、「この人たちとあの人たちが大切な話をしたらお互いにとってギフトになるのでは」と思う機会がしょっちゅうあるのがきっかけです。

そこで、今回初めてやってみています。今回は沖縄(うるま市ほか)と北海道(江別市)。

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こたえのないものをともにつくる|アーツ前橋アーティスト・イン・スクール

こたえのないものをともにつくる|アーツ前橋アーティスト・イン・スクール

前橋の高校で二日間にわたってのアート思考と対話の参加型授業をやってきました。

見た目には、体育館で身体や絵を使った遊びをしました。

ねらいは、「こたえのないものをともにつくる」ための練習の仕方を知ること。

みんなで納得できるように、こたえのないものをともにつくろうとする時、“こうすべき”は役に立たない。ひとりひとりの“ほしいもの・したいこと”の積み上げで、納得できるものが生まれる。

そこで

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中南米カリブ地域の若者たちと関わり「日本人」として思ったこと

中南米カリブ地域の若者たちと関わり「日本人」として思ったこと

自然塾寺子屋さんとJICAとのコラボで、中南米カリブ地域向け青年研修「地域における中小企業振興コース」。オンラインでの日本の各地の事例を旅して、無事に全員修了。

2018年の卒業生が、私がお伝えしたことを今期生にレクチャーする姿を見守って、うるうる🥺した。

彼らの最終発表では、農村の発展、女性と若者の活躍、地域の文化振興、コミュニティの活性化などの目的が聞かれた。そのために「ビジネス」という

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見えなくなってしまった社会を届ける

見えなくなってしまった社会を届ける

先日は北海道庁の「生活支援コーディネーター研修」。

高齢化し、減りゆく地域の中で、暮らしをよりよくしていくために、どのように地域のつながりや取組を育んでいくか。

「住民主体」と「社会参加」を、机上の空論ではなく、実践に落とし込む。そのために現場でがんばっているコーディネーターの皆さんがオンラインで全国から集まる学びの場だった。

まずはその時間が無事に開催されたことに感謝をします。ありがとうご

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