木村 (壹番地[いちばんち])

大阪吉本 壹番地(いちばんち)というコンビの木村です。アカデミックな仕事に備えて

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短編 二十五の行方

亮介は丁寧に髭を剃っていた。フリーターなので特に剃る必要はないのだが、いずれまた剃ることになるであろう髭を丁寧に剃っていた。 「余分なものはなるべく24に置いてい…

インスタとかで学生時代の優秀な友達の充実した投稿を見るたび焦燥感に駆られる反面、私服ダサいの安心する。あとシーシャ吸ってる写真シーシャより落ち着く

友人

「ごめんごめん急に」 ついに来たかと俺は思索した。勘の鈍さでは市内で10本の指に入る俺がすぐさま察した。こいつが他人行儀とフランクの境目みたいな声色を出す時、決…

ギャルの親友、大体マミ

前回の投稿から約5ヶ月が経とうとしている。年々加速する日々のスピードに、これはひょっとすると地球規模の時間軸の歪みなのではないかと考える毎日である。約5ヶ月と言う…

笑わないあの子

小学校何年生だっただろうか。"お楽しみ会"という毎学期末に開催される催し物があった。毎月初めに開催される"席替え"と同等の、小学生が狂喜乱舞するイベントだ。この会で…

短編 かおちゃんとピョンちゃん

「ちょっとピョンちゃん!」 「何?かおちゃん」 「また落書きしたやろ!」 昨晩、寝室で仕事の愚痴を散々吐き出して寝落ちした"かおちゃん"。かおちゃんは翌朝、寝ぼけ…

U-25

「笑いの金メダルって終盤100万円ピッタリにする企画と節約レシピの紹介で生き抜いてたな」なんて思い出す今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。 おかげさまで各方面か…

徒然なるままに

つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 することもなく手持ちぶさた…

チンプラ

1月に初めて短編の小説を書いてみた。もちろん世の中にある小説たちの足元にも及ばない駄文だが、自分の中では一握りの自信とある程度の達成感があった。褒めてくれる人も…

2020

忙しない師走もだんだん年末の澄んだ空気を帯びて、年の瀬のひとときの安らぎを感じさせるようになってきた。「年末って感じせんなぁ」なんてこぼしながら、なにかと納めよ…

 少し前までは実家にいたのもあって、地元の友達とは頻繁に会っていた。高校、大学の友達とは年に数回会う程度である。 
 しかし、このご時世と金欠と元々誘われないのも…

トモニイコウ。

毎年、毎月、毎週、僕の心を煩わせ、心を踊らせる存在がある。 皆さんにも応援している人やチームやグループがあるだろう。 
 僕のそれはヴィッセル神戸だ。 
 
 ヴィ…

ドリームズカムトゥルー報告

ついに長年の夢が叶ってしまった。 ずっといつかできたらいいなと思っていたことが、こんなに早く叶うとは想いもよらなかった。 実現するためには相当な準備と心構えが必要…

ハナシのタネでデトックス

 先日、新しいバイト先にて、教育してもらっていた人と話をしていた。 『芸人なんてすごいですね〜』 「いやほんまに全然底辺ですけどね〜」 と、まあ芸人誰しもがぶち…

粘りたいやNever retire

最近は道でう○こ踏ん(フン)で憤慨(糞害)だったので冒頭から韻踏まさせていただきましたどうも。 金木犀の香りが去っていくスピードが年々桜が散るスピードよりも早くなり…

ここ半年には色がない

大阪で活動を始めて3年目になるのだが、今年の春、ついに大阪に住み始めた。今まではライブやら何かあるたびに、地元から1時間半かけて大阪に出てきていた。地元と実家が…

短編 二十五の行方

亮介は丁寧に髭を剃っていた。フリーターなので特に剃る必要はないのだが、いずれまた剃ることになるであろう髭を丁寧に剃っていた。

「余分なものはなるべく24に置いていこうぜ」という謎の宣言とともに、翌日迎える誕生日に備えて、髭を剃っていた。

誕生日はなんとも特別な日だ。自分が生まれた日であること、生んでくれた両親へ感謝する日であること以上に意味はない。別に歳を一つ重ねるだけで特にいつもと変わらない

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インスタとかで学生時代の優秀な友達の充実した投稿を見るたび焦燥感に駆られる反面、私服ダサいの安心する。あとシーシャ吸ってる写真シーシャより落ち着く

友人

「ごめんごめん急に」
ついに来たかと俺は思索した。勘の鈍さでは市内で10本の指に入る俺がすぐさま察した。こいつが他人行儀とフランクの境目みたいな声色を出す時、決まって恥じらいと後ろめたさがあることを俺は知っている。いつも「今暇?」と聞いてくるのは急なのに、急に電話したことに対して詫びている。

「どうしたん?」と返すと「まあ、あのぉ、俺って最近保険会社で働き出したやん?」

俺はついに『友人から保

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ギャルの親友、大体マミ

前回の投稿から約5ヶ月が経とうとしている。年々加速する日々のスピードに、これはひょっとすると地球規模の時間軸の歪みなのではないかと考える毎日である。約5ヶ月と言う期間も、100年も前なら1ヶ月ほどのペースなのではないか、いや100年という期間も歪みの影響で60年ほど前なのではないか。

ご覧の通り、文筆のブランクはしっかり約5ヶ月だった。

この期間に僕はなにをしていたのか。親ぐらいしか興味のない

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笑わないあの子

小学校何年生だっただろうか。"お楽しみ会"という毎学期末に開催される催し物があった。毎月初めに開催される"席替え"と同等の、小学生が狂喜乱舞するイベントだ。この会では主に1ヶ月前あたりから出し物を決める。例えば、手品を披露するグループもあれば、楽器演奏をするグループもある。当時流行っていたORANGE RANGEをカバーするグループもあれば、クラスのお調子者たちは新喜劇のような寸劇を披露する。各々

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短編 かおちゃんとピョンちゃん

「ちょっとピョンちゃん!」

「何?かおちゃん」

「また落書きしたやろ!」

昨晩、寝室で仕事の愚痴を散々吐き出して寝落ちした"かおちゃん"。かおちゃんは翌朝、寝ぼけ眼をこすり、少し大きな寝巻きの袖で大きな欠伸を隠しながら、素足で3メートルほどの廊下を気怠そうに歩く。玄関そばの一畳近くある洗面所に向かい、寝ているかおちゃんに僕が施した落書きを鏡越しに発見する。その刹那から、昨晩の勢いそのままに落

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U-25

U-25

「笑いの金メダルって終盤100万円ピッタリにする企画と節約レシピの紹介で生き抜いてたな」なんて思い出す今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。

おかげさまで各方面から微賛の小雨ということで、今回もつらつらと書いていこうと思う。

もっと更新頻度を上げれば、否定の声も挙がるほど認知されたりもするのかな、なんて薄紅色ほどの淡い期待を抱きながら書き始めている。

最近、「U-25」という表記をよく目にす

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徒然なるままに

徒然なるままに

つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

することもなく手持ちぶさたなのにまかせて、一日中、硯に向かって、心の中に浮かんでは消えていくとりとめもないことを、あてもなく書きつけていると、(思わず熱中して)異常なほど、狂ったような気持ちになるものだ。

『徒然草』(つれづれぐさ)は、吉田兼好(兼好法師、兼好、

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チンプラ

チンプラ

1月に初めて短編の小説を書いてみた。もちろん世の中にある小説たちの足元にも及ばない駄文だが、自分の中では一握りの自信とある程度の達成感があった。褒めてくれる人もいた。少し小っ恥ずかしい思いがあったのだが、素直に嬉しかった。自分の中で、「評価されてないのは知られてないだけだ。」なんてさえ思ってしまった。これは小説を書いたことに限らずだ。「金も何もなかったけど20代なんて根拠のない自信だけはあったよね

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2020

2020

忙しない師走もだんだん年末の澄んだ空気を帯びて、年の瀬のひとときの安らぎを感じさせるようになってきた。「年末って感じせんなぁ」なんてこぼしながら、なにかと納めようとする人たちを見て「年末感出てきたな」とつぶやく。今年を振り返り、「なんやかんやいいこともあったな」なんてこぼす。


皆さんも身にしみて感じているように、今年はいろんなことが起きた大変な年だった。人それぞれ身の回りに多くの困難が降り

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縁

 少し前までは実家にいたのもあって、地元の友達とは頻繁に会っていた。高校、大学の友達とは年に数回会う程度である。

しかし、このご時世と金欠と元々誘われないのも相まって、ここ数ヶ月は友達と会うことはほとんどなかった。

まあ友達に会わずとも幸せに生きていたのだが、先日大学の友達と久しぶりにフットサルをすることになった。

朝から友達と車に乗り、フットサルで「きちぃ〜!」なんて言って汗を流し、

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トモニイコウ。

トモニイコウ。

毎年、毎月、毎週、僕の心を煩わせ、心を踊らせる存在がある。

皆さんにも応援している人やチームやグループがあるだろう。


僕のそれはヴィッセル神戸だ。


ヴィッセル神戸とは、現在J1リーグに所属している兵庫県神戸市をホームタウンとするプロサッカークラブである。

僕はヴィッセルを応援するようになって約15年ほどになる。

いわゆるサポーターであり、ファンであり、推しである。

1サッ

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ドリームズカムトゥルー報告

ドリームズカムトゥルー報告

ついに長年の夢が叶ってしまった。
ずっといつかできたらいいなと思っていたことが、こんなに早く叶うとは想いもよらなかった。
実現するためには相当な準備と心構えが必要になるだろうと考えていたが、まさしくその通りであった。
みんなも感じたことがあるだろうが、いざ願ってたものが叶ってしまうと実感が湧かないのか、こんなものなのかと思ってしまう複雑な気持ちになる自分もいる。

今日、僕はついに「スタバでmac

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ハナシのタネでデトックス

ハナシのタネでデトックス

 先日、新しいバイト先にて、教育してもらっていた人と話をしていた。

『芸人なんてすごいですね〜』

「いやほんまに全然底辺ですけどね〜」

と、まあ芸人誰しもがぶち当たる"とりあえずなんて言えばええかわからんから褒めとけトーク"と"なんの狙いもないただただ謙遜するしかない返し"のセットだ。本官の人生においてフィレオフィッシュのセットの消費量よりもギリ消費しているこのセット(会話)はなるべく広げた

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粘りたいやNever retire

粘りたいやNever retire

最近は道でう○こ踏ん(フン)で憤慨(糞害)だったので冒頭から韻踏まさせていただきましたどうも。

金木犀の香りが去っていくスピードが年々桜が散るスピードよりも早くなり、秋の趣に酔いしれることなく年末の匂いが増してくる。ただでさえ春よりも存在感が霞む秋は、存在感がないという個性を身につけ、F4の美作あきらばりに堂々と四季に名を連ねている。そうした秋の素早いバトンパスにより、後半3ヶ月は漫才のラストス

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ここ半年には色がない

ここ半年には色がない

大阪で活動を始めて3年目になるのだが、今年の春、ついに大阪に住み始めた。今まではライブやら何かあるたびに、地元から1時間半かけて大阪に出てきていた。地元と実家が好きすぎる自分に鞭打って3年目にして急に出てきてしまったので、不覚にも満を持した形になってしまったのだが、仕事は全くと言っていいほどない。

今年はご時世的に中々思うように活動ができていない。今までは月に3回ほどライブに出ていたのだが、ここ

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