2023年3月の記事一覧
つけびの村、を読んだ。
忘れもしない。仕事の移動中に上野駅構内の本屋さんで、明らかに異質なアウラを放つ黄色い装幀に吸い寄せられた。手に取り、そのままレジに進んだ。今回文庫化され、ふたたび戦慄のノンフィクションを体感する。
限界集落で発生した凄惨な放火殺人事件を、世間はエンターテイメントとして囃し立て消費したのだろう。怖いもの見たさ、野次馬根性。自分にもそういった大衆的な興味関心がないわけではないが、知りたいのはそこでは
もしもワニに襲われたら、を読んだ。
普通に生きていれば遭遇することがない危機的な状況...とはいえ、それは飽くまでも確率論なので、タイトルにある通りにワニに襲われる可能性は確かにゼロではない。
著者が意識しているのか大真面目なのか、さすがにそれはないだろうというシチュエーションが複数登場し、もはやエンタメ狙いという見方もあり。挿絵のフザけ具合も往年のバカドリルを彷彿とさせ、編集者が自分と同世代であることが窺い知れる。
火の熾し方