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日常・雑記

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2017年12月30日。石巻でTHA BLUE HERBのライブを観に行った時の話。

2017年12月30日。石巻でTHA BLUE HERBのライブを観に行った時の話。

 日本の場合、40歳男性のうち、1年間に死亡する人間は10万人に1人に満たない程度だという。日本の40〜44歳男性の人口は416万人程度だから、40歳男性の数は÷5をして83万人というところ。単純計算で8人ということになる。この8人のうちの1人に自分がなるとは、「普通」の男性は思わないだろう。

 しかし私は2017年、34歳の年、ある特定疾患(治療法が確立していない難病)を悪化させていた。当時そ

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40歳と老眼鏡

40歳と老眼鏡

 少し前から目の調子が悪いとは思っていた。

 受験勉強で急激に視力を落とした大学の時以来、基本的には眼鏡着用で過ごしていたのだが、ここ何年か、「眼鏡をかけないほうがかえってよく見える」ということがちょくちょくあった。たとえば美術館で作品を観るときも、眼鏡越しに作品を観るのではなく、上目遣いで作品を観てしまったり、鬱陶しくなって眼鏡自体を外してしまうこともある。

 今考えればそれが老眼の始まりだ

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両刃の嗅覚

両刃の嗅覚

 地元から電車で移動し、新宿駅に降り立ったとき、
「こんなに…だったのか!」
 と、その匂いに驚いた記憶がある。
 昨春、「コロナ禍」というものに世間的に一区切りがつけられ、マスクの有無にそれほど目くじらを立てなくて良くなった頃の話だ。どんな匂いかはあえて表現しないが、一言で言うならまさに「都会の匂い」だった。

 新宿には美術館もライブハウスもあり、そこまで頻繁ではないが過去に何度も訪れている。

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電車遅延と「お待ちどおさま」

電車遅延と「お待ちどおさま」

 ある日の帰り道。
 その日はやたらと電車の遅延が続いた。ある路線では信号機故障、また別の路線では車両点検… という風に。

 私が乗った電車内でも車掌から、「少々見合わせます」というアナウンスが入ってきた。どうやらある踏切で、自転車の立ち往生があったらしい。人身事故などの大きな遅延ならまだしも、これぐらいなら遅延といってもたかが知れている。別に急いでいるというわけでもなかったので、私は
(そんな

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うどんの好み

うどんの好み

 あれは小学校4年生か5年生の頃、ほぼ毎朝を言っても良いぐらい、うどんを食べていた時期がある。
 なぜそんなにうどんにハマっていったのか、今考えても思い出せない。当時からしても「なんでこんなに食べるようになったんだろう…?」と、我ながら不思議に思っていたぐらいだ。

 食べ方は常にざるうどん。シマダヤのうどんを茹でて、当時、家にあったガラスの、表面がザラザラの器に盛って食べていた。もう30年も前の

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意義あり?異議あり! - 急に手元に増えた辞書に溺れる夜。

意義あり?異議あり! - 急に手元に増えた辞書に溺れる夜。

 この文章を書いてる本日、毎年夏に新日本プロレスが開催している大型リーグ戦「G1 CLIMAX(G1)」の出場選手が発表された。

 今回の最大の特徴は通常の推薦方式の選抜に加え、AB各ブロックの、各1枠ずつが予選で選抜されること。各ブロック6人ずつ、合計12人が最後の2枠を競うこととなっている。

 その中で、G1への連続出場を続けている棚橋弘至選手が本戦ではなく、予選出場となったらしい。確かに

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時には嫌われるつもりで - 美術の「感想文」と自分らしさについて

時には嫌われるつもりで - 美術の「感想文」と自分らしさについて

 自分がInstagramで美術展の「感想文」を書き始めた頃の話。

 私のアカウントは当時、日記ブログのような使い方で、美術展の感想文を書くことはあったが、大半は行った音楽ライブ(ほぼハードコア・パンク系)やらプロレスの興行の話、さらに購入した音源の記録だったり、旅行の時の写真やら日常的な食事の写真を並べていた。

 言ってしまえば雑多なアカウントだったわけだが、今みたく美術一本勝負!みたいなコ

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美術好きになることと、音楽の趣味が多少変わることについて。

美術好きになることと、音楽の趣味が多少変わることについて。

 美術鑑賞の際、耳栓代わりにイヤホンをすることはあるけど、基本的に音楽は全く聴かない。大したポリシーがあるわけじゃなくて、単に私の場合、感想文用のメモをしたり頭の中で言葉がぐるぐるしていたりして、そのうち音楽が邪魔くさくなって…というのが実情だ。
 音声ガイドは美術鑑賞に変化が欲しいときに使うが(たとえば過去に複数回鑑賞したことがある画家の展覧会など)、初見では基本的に使わない。

 年齢的なこと

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99人のため、1人のため

99人のため、1人のため

 気がついたら4年半ほど、Instagramで続けている「美術展の感想文」。
 元々は美術を勉強したい自分に向けてのメモみたいな感覚で始めていたそれだが、気がつけば「読んでます」と言われるようになり、私自身もナントカがおだてりゃ…で通信芸大に行き、学芸員資格も取得し、noteにも(目標とする頻度には全然足りないが)定期的に記事を投稿できるぐらいにもなってきた。

 一方でがっつりSNSの枠で投稿を

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関西弁警察

関西弁警察

 まず、私は関西人ではない。
 茨城県に生まれ、千葉を経て、3歳の頃に神奈川県の湘南エリアに越してきた。両親はおろか、親族にも関西圏出身・在住の人間はいないようである。湘南にもいちおう方言はあるが、その影響もほとんど受けておらず、基本的には標準語に近い言葉を話している。

 そんな生粋の関東っ子な私だが、子供の頃、突如としてテレビで、自分とは明らかに違う日本語を話す人たちが出てきた。
 その言葉と

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行列

行列

 セルフレジと有人レジがあれば、私はセルフレジを選ぶことが多い。
 Suicaもあればクレジットカードの用意もあるし、比較的空いているというのも大きい。有人レジの行列を横目に、セルフレジでテンポ良く買い物を済ませるのはCMのような、ちょっとした爽快感もある。

 しかしその日は違った。
 和風ツナマヨおにぎりを手にレジに向かうと、セルフレジに行列ができている。人数にしておよそ3人ほど。男2人の女1

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マヨネーズ

マヨネーズ

 なか卯で唐揚げ丼を食べる。
 590円。1ヵ月使い放題のクーポンを持っていたので490円。
 トッピングを見ると「マヨネーズ 50円」と書いてある。脂と油、太ること間違いなしの組み合わせだ。ホンジャマカの石塚英彦氏はお弁当でたまたま食した唐揚げマヨネーズがきっかけで、今の道に進んだと聞く。それでもなお、「唐揚げ+マヨネーズ」の魅力というのは知らないでわけではない。

 しかし、ふとテーブルに目を

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斬新な新年だな…。

斬新な新年だな…。

 本当は新年の初日に挨拶を書こうかなと思ったんですが、地震の件でそういう気分はガツンと吹っ飛んでしまい(いちおう卒レポのテーマが震災遺構に関するものだったりするので、無関心ではいられず…)、ようやくnoteになにか記事を書こうと思った矢先、今度は私が新型コロナウィルスに初感染という、とんでもない始まりでした。
 少なくともちゃんと発症したのは今回が初めてで、療養1日目は39℃の高熱と悪寒。3日目に

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"推し"と一緒に。

"推し"と一緒に。

 Instagramで美術展に関する投稿写真を見ていると、人形やアクリルスタンドとともに美術館や写真を投稿されている方がいる。
 アイドルやキャラクター等の「推し」のそういったグッズを持参し、旅行先や食事などでそういった記念撮影をする方々がいるということを今年になって知った。美術鑑賞に関しては、作品や他の客、美術館への危害・迷惑にならなければ何をしてても良いと思っているし、もちろんそういうのも楽し

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