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稲本稲三
2022年5月13日 05:00
心の真ん中に、図太い棘が突き刺さった。抜けない。抜けないよ。息を整えて、ゆっくりと、痛みを感じないように。抜けない。抜けないよ。まぶたを閉じても、遠くには行けなくて、ただ僕は、肉体を背負わされた。いっそのこと、両手では支えきれない図太い棘で、僕を振り回しても良いのに。笑えないシャガになって、静かに枯れていきたい。錆びた滑り台になって、干からびていきたい。何を望んだと
2019年12月31日 01:49
あっという間に、君に傷ついた。君は僕に興味がなさそうだどこかに僕を思う姿を探してるけど、全然見つからないよ君が同じ改札をくぐらなかったのは、僕への餞別だったかな僕は電車に揺られ揺られて、その意味を想像したんだ。僕のこさえた飛行機に、君は乗車拒否をする。僕は君の人力車を動かす気にもなれなかった。君に会いたいな。君には会えないな。あの時言えなかったけど、君は僕を好きになれないだろう
2019年12月27日 18:20
「ドアが閉まります。ご注意ください」ホームから彼を見つめる彼女。彼はスマホの画面とにらめっこ。電車が進む。距離が離れる。彼女は目で追う彼の瞳。僕は右手の荷物を落とす。気づいた彼は視線を向ける。窓の外にいる彼女と目が合い、彼は咄嗟に手を振った。彼女は笑顔で右手を上げた。僕はおせっかいだったかな。
2019年12月23日 19:36
人から離れ、人に囲まれ、人の目も見ない午後10時。今日もメトロに身を預け、密かに語りかけている。喋りすぎたかな? 無理してたかな?どれだけ語りかけてもさ、答えは出してくれないな。でも、聞いてくれてありがとう。改札抜けたら忘れるね。月も見えない空の下、今夜もぐっすり寝れそうだ。
2019年12月22日 17:47
以前君と会った時、次の駅で乗ってきた。ぼさぼさ頭を風になびかせ、私と目が合い、手を振った。別に、次の駅だけじゃない。君が通う歯医者がある駅も、好きな本屋がある駅も、ドアが開くたび、期待する。各駅停車が心を震わせ、君が幻想になっていく。窓ガラスに映った私は、すっかり惨めになっていた。次は終点・三鷹駅。
2019年12月20日 19:20
いつもは降りない通過駅。人に触れたくて降りてみる。重たい扉をこじ開けて、平気な顔して席に着く。「家、この辺なんですか?」とか聞かないで。寂しいだけで来たんだから。知らない人と飲み明かしたけど、何か足りない気がしてる。終電間際の電車に乗って、君のことを思い出す。誰にも話せなかったことを、君には聞いてほしくなる。結局同じなんだけど、今夜は君に電話しよう。
2019年12月5日 17:24
どうか、どうか。僕の答えが正解でありますように。いつか、いつか。誰かを幸せにする答えでありますように。毎日が雪みたいだ。毎日が夜みたいだ。眩しい光が見えてくる前兆のようだ。毎日頑張っていた。毎日泣き止んでいた。あなたを守るためにそこで息をひそめた。愛の切れ目には、小さな幸が起こるんでしょう?何も見えないが、ひたすら陸が続くんでしょう?かけがえのないあなたの情熱を、世界中が冷まし
2019年11月22日 08:51
脳ベルSHOWが僕を迎えてしまった。今日こそは、”早起きする”って決めたのになぁ。夢の中に行けば、少しは楽になるけど、明日が来る。やっぱり辛くて行けないや。仕事もしたくない、誰かも傷つけたくない。夜になる頃に、自分をまた責めたくない。布団の中で、もがき苦しむ朝日どき。わがままばっかりかもしれないけど、これが僕だったりして。誰も知らんけど、僕も言わんけど、確かに僕だったりする。
2019年11月7日 11:58
あの人だって、この人だって、そんなにすごくないだけど私なんか、もっともっと全然すごくないあの人は、この人より、ちょっとだけすごいだけど私だって、この人より、ちょっとだけすごいなんでもない やつばかりの世の中大人たちのわがままに流されるなんとなく生きていく 人生にまだ知らない宝石があるのかな?なんでなんで そんなもんで苦しんでるの?あなたなんて、誰よりも良いとこばかりだってだ
2019年11月6日 17:28
つまらないことを繰り返し、要らない言葉は許されない命を奪われたとしても、別に構わないだろう人間で生まれたはずの少年が、今、機械に変わる生きていくために生きてる、どうせ損な人生今日も僕は苦しかったし、明日からも苦しんでく人の言うことだけを聞いて、また生きていく不真面目に生きていくのなら、いつか誰かに見下されるどうせすぐに死なないなら、傷つきたくない僕だって、いつも頑張ったんだ。だれ