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経営学/経済学

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『ダイナミック・ケイパビリティの企業理論』D・J・ティース

『ダイナミック・ケイパビリティの企業理論』D・J・ティース

はじめに:ダイナミックケイパビリティ入門今回はダイナミックケイパビリティ(以後DC)についての本を紹介したい。この本は、DC理論の巨匠ティースによって書かれた論文をいくつか和訳して本にしたものである。

DC理論は、日本ではあまり研究が盛んではないが、欧米では非常に熱い議論が巻き起こっている分野でもある。

今回は、DCの概要を分かりやすく説明する。今後もDC関連の本の紹介を行っていく予定だ。

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『パテントトロール―特許マフィアに狙われた日本企業の行方』石橋秀喜

はじめに:特許戦略経営学を学んだことがある人もない人も、特許の重要性は重々承知されていることであると思う。

今回は、パテントトロールなる企業(組織)についての小説を紹介したい。パテントトロールとは、他社の特許を買い集めて、特許収入で富を成す企業または組織のことである。

異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。

そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。

パテ

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『キューバ医療の現場を見る』キューバ友好円卓会議

『キューバ医療の現場を見る』キューバ友好円卓会議

はじめに:持続可能な社会を創るキューバ女史は、2018年にキューバを訪れた。そして女史は、キューバに一瞬で魅了された。キューバほどに豊かな国を、女史はあまり見たことがない。共産主義は滅びてなどいない。女史はそう思った。

ホセマルティ、そしてゲバラとカストロの高い志を、西洋諸国の魔の手から、命を呈して守り実現したキューバ市民の誇り高き国を読者に紹介したい。

キューバは、医療、農業、教育、など、様

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『貧困と闘う知-教育、医療、金融、ガバナンス』エステル・デュフロ

『貧困と闘う知-教育、医療、金融、ガバナンス』エステル・デュフロ

はじめに:貧困者自身による改革デュフロは女史が健在の学者の中でトップクラスに尊敬している学者だ。彼女の分析能力は並外れたものであり、彼女の貧困に関する研究は、人間社会の不平等を解決する上で大きく寄与する。

そんな彼女は、本著において、教育と健康、そして経済・政治構造が大要因であることを力説する。そして、これらを解決するには、貧困者自身がその手で改革を行っていかねばならないとする。

異郷から来た

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『失敗の本質』野中郁次郎他

『失敗の本質』野中郁次郎他

はじめに:組織論入門者のためのケースまとめ女史は、経営学、特に組織論を学んでみたいという人がいたら、真っ先に本書を推薦する。

本書は、非常にとっつきやすい組織論の入門書である。第二次世界大戦という、日本人なら日本史の授業で習った作戦が、ケーススタディとして数々登場する。歴史を振り返りつつ、組織論のエッセンスを楽しく学べる書物である。

本書では、日本軍の第二次世界大戦における作戦の失敗を振り返り

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