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食にまつわるエッセイ的な何か

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食べるのすっきゃねん
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【6/15日記】煮干しラーメンを作ってみたんです

煮干しを買った。

煮干し。それは私にとっての出汁の最難関。別に特に理由はないけれど、なんとなく難しそうだから。今回ついに手を出してしまったぞ。どうしてくれようか。

冷蔵庫には中華麺二人前。ちょうどこの日、私は有給、旦那さんはテレワークで2人そろっておうちににいる日だったのもあり、ランチに煮干しラーメンを作ってみよう!と思い立った。

そこでおうちでも簡単にできるレシピを探していたら、なんとno

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砂漠パン

砂漠パン

小さい頃、甘食のことを砂漠パンと言っていた。

由来は見たまんま。砂漠の砂丘に見た目が似ているからだ。

なんでそんなことを思い出したのかというと、週末実家から送られてきた荷物の中に甘食が入っていたからだ。

「甘食だ!」

思わず口に出したとき、もう私の中で砂漠パンという呼び名は化石になってしまったんだと、悟った。

***

文章を書いているといつも思う。なんでもっと素直に書けないんだって。

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生きるために、生きるのよ

窓際で豆苗を育てている。かわいい。

なんでかわいいかというと、素直だから。何も考えていないように見えて、ちゃんと日が差す方向を探しあてて、体を一心に傾けている。その姿の、なんと健気なこと。ちょっと場所を入れ替えると、少し目を離した隙にまた日の差す方へと頭をもたげている。ささやかだけど、力強い生命が、この東京の一室で確実に息づいている。その事実がたまらなく、愛おしい。

普段なら、「豆苗育ってるね

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【愚鈍なくせに】リトアニア旅行記

【愚鈍なくせに】リトアニア旅行記

珍しくノートを連日更新したら疲れてしまった。文章を書く行為。それは、「愚鈍な牛」のよう。そう、誰かのエッセイを読んだら書いてあった。文章は、感情の赴くままにすらすらと出てくるものではなくって、対象を飽きるまでしつこく見つめて、言葉が出てくるまで忍耐して、やっとのことで生まれる。パソコンの前でうんうんうなりながら、一文字も出てこないこともしばしば。それは、まるで「愚鈍な牛」。

本当そうだなと思う。

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ほっこりほくほくかぼちゃ味

ほっこりほくほくかぼちゃ味

自分で料理をするようになって、はや2年程度。実家を出るまで、料理なんてほとんどしていなかったけど、今はほぼ毎日料理をしている。

そして今日気づいたこと。それは、かぼちゃの煮物が美味しいということだ。大人になると味覚が変わるというけれど、それとはちょっと違う。昔から、かぼちゃの煮物は別に嫌いじゃない。でも、今日ほど、美味しいとは感じていなかったと思う。

かぼちゃの煮物って、自分で作ったからこそ、

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悲しいものは悲しい。美味しいものは美味しい。

悲しいものは悲しい。美味しいものは美味しい。

「泣きながらご飯食べたことある人は、生きていけます」

これはドラマ「カルテット」のセリフ。最近、ふいに思い出した。

きっかけはこれ。テレビ東京の「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。

この番組を簡単に説明すると、世界のアウトローな生き方をしている人(マフィア、ギャング、難民など)の食生活を取材したドキュメンタリー番組である。(私はAmazonプライムで拝見しました。)

その中でも印象に

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家ハイボールと家もんじゃで失恋にもならない失恋を思い出す

家ハイボールと家もんじゃで失恋にもならない失恋を思い出す

今日のお供も、もちろんハイボール。

ハイボールとは、ウイスキーのソーダわり。ウイスキーは家に瓶で常備。スーパーで買った氷は冷凍庫を占拠しているけれど、そのほとんどは我がハイボールのためにある。その氷をいっこにこ、グラスに入れて、それまた常備してある強炭酸を注ぎ入れ、ポッカレモンを数滴たらせれば、はいぼハイボールのできあがり。お酒は数あれど、一番ハイボールが好き。なんか、ちょうどいい。

いうても

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中身のないボンタンアメ

中身のないボンタンアメ

職場のお菓子ボックス(缶にお菓子を適当に詰めて、各々食べたいときに持っていく制度)に、ボンタンアメがあった。

懐かしいなあと思いながら、次々にぱくりと口に含む昭和生まれズをよそに、職場で唯一の平成生まれSくんは、なにやら一人もぞもぞしている。

もしや。そんな緊張が走る。Sくんの手を見れば、そこにはいびつに歪んだボンタンアメが。

「これ、とれました!?」

やはり。Sくんは、ボンタンアメを包ん

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ブロッコリーを、ただ茹でるだけ

ブロッコリーを、ただ茹でるだけ

ブロッコリーって、どうも人を不安にさせる要素がある。そう思うのは、私だけだろうか。

八百屋さんに行ったら、2つで200円だったので買ってはみたけれど、どうも不安だ。使いこなせるのだろうか?何度も食べているはずなのに、ブロッコリーを買った時はいつも不安になりながら持ち帰る。キャベツや白菜、人参。他の野菜では、そんなことないのに。

ただ、そんな不安も、ブロッコリーを茹でているときには忘れてしまう。

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【食べたいものを食べるエッセイ】ぶり大根

【食べたいものを食べるエッセイ】ぶり大根

「お姉ちゃん、これ持ってく?」

最近なじみの八百屋さんに行くと、威勢のいいおじちゃんに「これ持ってく?」と声をかけられる。よくよく考えると、「持ってく?」って言い方なんかおかしい。押すでもない、引くでもない絶妙な言い回し。それもまた、この店の良さなんだろう。最近、野菜はスーパーではなくて、八百屋さんで買うようにしている。何より安いし、活気があっていい。

その日も、ふらふらと物色していたら、いつ

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【食べたいものを食べるエッセイ】チョコチップクッキー

【食べたいものを食べるエッセイ】チョコチップクッキー

その日も、いつものように最寄りのスーパーで買い物していた。今日は旦那さんが残業なしで帰ってくる。何を作ろうかと店内を散策していた時、お菓子コーナーで目が止まった。

これ。

そうだ。私はクッキーが好きだ。バターたっぷりのさっくりとした食感も、口の中でほろほろほころぶやつも、アメリカンなくにっとした歯応えのやつも。クッキーなら、なんでも好き。見た瞬間、私はそのことを思い出してしまった。特にチョコチ

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【食べたいものを食べるエッセイ】マックのポテト

【食べたいものを食べるエッセイ】マックのポテト

今日は仕事が終わった後、ピアノのレッスンがある。そのあとは買い物があるし、そんなこんなで家に帰れるのは8時くらいになりそう。

だから、今日は決めている。夕飯は、マックだ。

なぜ急にマック(マクドナルド)なのか。それは、この前見たテレビ「マツコの知らない世界」で、「フライドポテト」の特集をやっていたから。ポテト。身近なのに、最近ちょっと忘れがちな食べ物。そういや、いつから食べてないっけ。そう思い

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真っ赤なラーメン

真っ赤なラーメン

誰しも、ラーメンを食べたくなるときがある。その日、私がそうだった。旦那さんもいないし、そういえばずっと食べたかった気がする。そうだ。今日はラーメンを食べよう。

最近一人ラーメンするんですよね。そう言うと、人から「意外だね!」とか「私、いまだに入る勇気ない。すごいね~」とか言われる。私からしてみれば、一人でおしゃれなカフェに入る方がすごい。まず、声小さい族の私は、オーダーの時店員さんに気づいてもら

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不思議の国のホワイトチョコレート

不思議の国のホワイトチョコレート

この話をすると、なに言ってんの?と言われる話をする。

私の長年の疑問である。

チョコレートって、色んな味あるじゃないですか。あれってどういうことなんでしょう。

だって、普通のチョコはチョコレート味でしょ。チョコレート味というれっきとした味があるのに、ストロベリーチョコになるとチョコの味はしない。どういうこと?チョコ味は?チョコ味はどこいった?

この話をすると大抵の人は、「ホワイトチョコレー

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